北朝鮮は両江道の恵山飛行場を処刑場に使っている。この飛行場は現在運営されておらず、北朝鮮は以前から機能を失った滑走路で公開処刑を執行してきた。[資料 TJWG報告書]

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新型コロナウイルス流行期を前後して平壌での処刑執行場所が多少変わった点も注目すべき部分だ。国境封鎖前の北朝鮮は金正日社会安全大学(2013年)、金日成政治大学(2013年)、姜健総合軍官学校(2018年)などで処刑を執行した。国境が封鎖されてからは国家保衛省第10局探知部運動場(2020年)、護衛司令部歩兵旅団射撃場(2021)などを処刑場所に使った。国際社会の注目を浴びる可能性を懸念して処刑場を変えたという分析が出ている。

新型コロナウイルスによる国境封鎖後に処刑執行場所が全国各地に広がる様相も見えた。以前は平壌と北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクド)、咸鏡南道(ハムギョンナムド)、両江道の3道に限定されていたが、封鎖後は平壌、南浦(ナムポ)、開城(ケソン)、羅先(ラソン)の4市と8道で処刑を執行した。両江道の恵山飛行場、咸鏡北道清津(チョンジン)の輸城川(スソンチョン)、平壌などで主に執行された。運営を中断した飛行場と川辺を選んだのは大規模な人数を参観に動員するのに適していたためというのはTJWGの分析だ。

国境封鎖による経済難が深刻化すると処刑で民心離反などを引き締めたとみる余地がある。実際に金正恩執権後に公開処刑が10回以上記録された時期は2012〜2014年と2020〜2021年で、TJWGの分析期間13年のうちこの期間中に処刑の64.0%が執行された。新型コロナウイルス封鎖期に金正恩の不安さが執権初期ほど大きかったという意味でも解釈可能な現象だ。

具体的に国境封鎖が始まってからの5年間で北朝鮮の処刑・死刑宣告は、2015年3月14日〜2020年1月29日の30回から、2020年1月30日〜2024年12月16日に65回と116.7%増え、死刑宣告人数は同じ期間に44人から153人と247.7%増加した。

これは北朝鮮の人権問題に対する外部の関心度も影響を及ぼしたと分析される。TJWGのイ・ヨンファン代表は「金正恩ら北朝鮮指導部に対する国際刑事裁判所(ICC)付託が議論され国連などで北朝鮮の人権問題が活発に取り上げられた2015〜2019年には処刑が減った。コロナ禍で国境を閉じると公開処刑で内部統制を最大化した」と指摘した。

国境封鎖後にK−POPなど外部文化や、宗教と迷信関連の処刑・死刑宣告が4回から14回に250%増加した。これらの容疑が適用され処刑されたり死刑宣告を受けた人数も同じ期間に7人から38人と442.9%増えた。金正恩の指示違反など政治的犯罪による処刑と死刑宣告人数は封鎖前の4人から28人に600%増えた。金正恩が4代世襲を追求して文化思想を統制し政治的支配に向けた処刑を広めているとみられる部分だ。

TJWGのシン・ヒソク法律分析官は「北朝鮮人権調査委員会が2014年に北朝鮮の広範囲な死刑を反人道犯罪と確認し処刑が一部縮小されそうだったが、新型コロナウイルスで再び拡大している。ミャンマーに関する国連事実調査団、イラン真相調査団などのように国際刑事法上の責任を問うための常設調査機関を設置することを検討しなければならない」と話した。