結婚相手として「地方公務員」は安心と言われますが、30代で年収「500万円前後」でも生活に余裕はあるのでしょうか?

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「公務員と結婚すれば安心」と言われることもあるようですが、本当に生活の余裕につながるのでしょうか。特に30代で年収500万円前後という水準は、決して低くはないものの、家族を持った場合の暮らしぶりが気になるところです。   本記事では、地方公務員の給与の実態や手取り額、平均的な家計の支出データをもとに、結婚後の生活にどの程度の余裕があるのかを具体的に検証します。

一般行政職の平均給料月額は約32万円! 諸手当の充実が生活を支える

地方公務員の給与体系を詳しく見ると、基本給以外の手当が非常に充実していることが分かります。総務省が公表した「令和6年 地方公務員給与の実態」によると、全地方公共団体における一般行政職の平均給料月額は31万7951円です。地方公務員にはこの「給料月額」に加えて、以下のような手当もあります。
 

・地域手当(民間賃金や物価の高い地域に勤務する場合に支給)
・扶養手当(扶養親族がいる場合に支給)
・住居手当(賃貸物件に住む場合などに支給)
・期末・勤勉手当(ボーナス)
・特地勤務手当(離島など特定の地域に勤務する場合に支給)

このなかでも、業績に左右されにくい形でボーナスが支給される点は、収入面での安定性のひとつといえるでしょう。民間企業では業績の状況によってボーナスが減額されたり、支給自体が見送られたりするケースも見られますが、公務員の場合は制度に基づき、原則として一定の水準で継続的に支給される仕組みとなっています。

年収500万円の「手取り」はおおむね400万円前後! 家族を持った時の生活余裕度を検証

今回のケースで年収500万円の場合、家族構成などによっても変わりますが、社会保険料や所得税、住民税などが差し引かれた「手取り額」は、おおむね400万円前後と考えられます。この金額で「生活に余裕があるか」は、家族構成やライフスタイル、住んでいる地域などによって異なります。
例えば、夫婦2人暮らしで共働き(パートナーの年収が仮に300万円程度)の場合、世帯年収は800万円程度となり、余裕のある生活が可能なケースもあるでしょう。一方、パートナーが専業主婦・主夫の場合は、生活に余裕がない場合も考えられます。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、2人以上の勤労者世帯の消費支出は、1ヶ月あたり約32万5000円です。
 

・食費:約8万8000円
・交通・通信費:約5万円
・光熱・水道費:約2万2800円
・教養娯楽費:約3万1500円

年間では約390万円の支出となり、年収500万円(手取り400万円前後)では、貯金に回せる余裕はほとんどないでしょう。

地方公務員との結婚は現在の年収以上に生涯の安定感がメリット

地方公務員は、民間の外資系企業や一部の大手商社のような高年収は期待できないかもしれません。一方で、景気動向の影響を受けにくく、年功的な昇給制度により段階的に収入が増加していく点は、収入の見通しを立てやすい特徴といえるでしょう。
こうした安定的な収入構造は、結婚後の生活設計など長期的な家計管理を考えるうえで、ひとつのメリットとして位置づけることができると考えられます。
結婚相手として地方公務員を検討する際には、現在の年収水準だけで判断するのではなく、福利厚生の内容や育児休業などの取得環境、昇給の仕組み、さらには退職金制度まで含めた「生涯年収」の観点で捉えることが重要です。
例えば、30代で年収500万円前後の水準が見込まれる場合には、共働きと組み合わせることで、家計全体の安定性や生活水準の向上につながるケースも考えられます。

まとめ

30代で年収500万円前後の地方公務員は、共働きであれば一定の余裕を持った生活が可能なケースもありますが、片働き世帯では大きなゆとりは生まれにくい水準と考えられます。
ただし、地方公務員は各種手当や安定したボーナス、着実な昇給といった強みがあり、短期的な年収以上に「生涯の安定性」が大きな魅力といえます。結婚相手として考える際は、目先の収入だけでなく、将来にわたる収入の安定性や福利厚生なども含めて総合的に判断することが重要です。
地方公務員との結婚は、収入の安定性や将来の見通しの立てやすさといった点から、家計の不確実性を抑えつつ生活基盤を整えたいと考える方にとって、ひとつの選択肢として検討できるものといえるでしょう。
 

出典

総務省 令和6年地方公務員給与の実態 令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第2 統計表I  一般職関係 第4表~第9表の4 第5表 職種別職員の平均給与額(253ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 2 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 (4)平均消費性向は2.2ポイントの低下 図I-2-8 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支 -2024年-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー