最多いいねは高市首相とのドラムセッション Xフル活用の李在明大統領「ポスト傾向」を徹底分析してみた…ギリギリの“SNS政治”に懸念の声も
「起きろ、大統領がSNSを更新したぞ」
【写真】李大統領のX「最多いいね」は高市首相とのドラムセッション
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が就任以降、X(旧ツイッター)での活動を着実に増やすなか、オンライン上ではこのような内容の書き込みや画像が飛び交っている。
夜9時、深夜1時、早朝6時。時間や場所に関係なく投稿される李大統領のXでのメッセージは、24時間稼働している政治情勢を如実に物語っている。
青瓦台(韓国大統領府)内部でも、未明に予告なく投稿された李大統領のXポストに急いで対応するケースが増えているという雰囲気だ。大統領が主要な国政課題に関して直接的な対話を図っているため、「伝言政治」という誤解を払拭しているとの分析も出ている。

では、李大統領はXをどのように活用しているのだろうか。
李大統領は、就任後約4カ月間は毎月20〜40件の投稿をしていた。しかし、今年に入ってからは毎月60〜80件と急激に増加した。3月には88件もの投稿されたこともある。
投稿内容も徐々に質的な変化を遂げているという分析がある。当初は日程や成果の発表が中心だったのが、今では李大統領の個人的な事情や生命を表明する窓口となっている。
例えば、尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が当選した2022年の大統領選挙での敗北について、「暴力団癒着説や大庄洞(テジャンドン)事件さえなければ結果は違っていただろう」と主張したり、「国民の力」に対して当該の疑惑に関する謝罪を要求したりもした。
李大統領のXは、不動産や外交・安保などの重要な政策路線を先制的に示す装置としても使われている。
4月18日に李大統領が、長期保有特別控除を廃止すれば「税金爆弾」が落ちるという野党側の主張に反論し、段階的な制度廃止を示唆したことで、政治界に話題と混乱を同時に投げかけたのが代表的な例だ。
以前にはイスラエル軍関連の動画をシェアし、国際人道法の遵守を求めたことで、イスラエル外交当局との葛藤に発展したこともある。
このように、歴代で初めて大統領が自身のXを直接国政運営の主要な窓口として活用することで、「国民との対話」が増える一方で「国政リスク」も高まったという評価が出ている。
最も反応が熱いテーマは政治・司法メッセージニューノーマルとなった李大統領の「SNS政治」には、どのような特徴があるのだろうか。
本サイト提携メディア『時事ジャーナル』は昨年6月4日に李大統領が就任以降、約10カ月間(4月23日午前時点)にわたり公式Xアカウント(@Jaemyung_Lee)に投稿した全520件のポストについて全数調査を行った。
調査方式は、イーロン・マスク氏率いる企業xAIの生成AIチャットボット「Grok(グロック)」を利用した。李大統領のXに掲載されたポストをスクレイピングしてデータを収集し、これを「Comet(コメット)」でテーマ別・時間帯別・感情別(肯定的・否定的・中立的)の基準に分けて分析した。
また、Xの投稿ごとに「いいね」の数と閲覧数を確認し、テーマ別の反応の相関関係を把握した。ただし、「Grok」のAPIインデックス作成の特性上、実際の投稿より10〜20件ほど漏れがある可能性がある。
調査の結果、外交・首脳会談関連の投稿が全体の30.4%で圧倒的1位を占めた。李大統領が最も活発にXに投稿する時間帯は午後6〜9時で、全体の投稿の3分の1が集中した。

また興味深い点として、李大統領がXで共有したポータルサイトのニュースは「Daum(ダウム/102件)」が「NAVER(ネイバー/14件)」の約7倍に上り、記事を確認する際にDaumを好んでいることがわかった。
李大統領は就任7カ月目から、本格的に政府政策に対する批判的な記事を共有し始めた。このほか、国政広報動画やショート動画などのユーチューブ動画シェアも76件に達した。
李大統領の「Xパターン」を分析してみると、3つの特徴が現れる。
まず、李大統領本人はXを外交などの国政広報チャネルとして積極的に活用している。
同時に、フォロワーを含む支持層の関与度(いいね・閲覧数など)は、政治・司法関連のイシューで最も高かった。取材によると、李大統領自身もリプライなどのX上の世論を積極的に参考にし、政策の方向性に反映させているという。
併せて、就任以降、李大統領のX活動が増えるほど、月平均のいいねや閲覧数などの反応も大きくなる傾向にある。これにより、李大統領のXは単なる広報チャネルを超え、世論形成の主要な変数として定着している。
数字で見ると、外交・首脳会談関連の投稿(158件)が、経済・民生(70件)、社会・安保(48件)を合わせた数よりも多かった。文化・記念(45件)や不動産(41件)、政治・司法(40件)関連の投稿がそれに続いた。
外交に関する投稿に付く平均のいいね数も6,669件で、全体平均(5966件)を上回った。就任後の投稿の中で「いいね1位」は、今年1月13日に掲載された日本の高市早苗首相とドラムセッションをする写真だった。これには実に12万8550件ものいいねが付いた。李大統領はこの投稿に、「拍子は少し違っても、リズムを合わせようとする心は同じだったように、未来志向の日韓関係も一心に築いていきます」と記した。

ネットユーザーが最も多く反応するテーマは「政治・司法」だった。関連する投稿には平均7444件のいいねが付き、全体平均より24%ほど多かった。閲覧数も最も多く記録された。
4月11日、李大統領がイスラエルの攻撃後に論争が起きた際、「絶え間ない反人権的・反国際法的な行動で苦しみ、辛い思いをしている全世界の人々の指摘を、一度くらいは振り返ってみてもよいはずなのに、失望しました」と投稿した記事は、932万9833回の閲覧数を記録した。翌日「私欲のために国益を損なう者を売国奴と呼ぶ」と再び投稿した記事は、政治・司法関連の投稿の中で最多のいいね数(3万5206件)を記録した。
政治問題が注目の的となった背景には、李大統領が他の投稿に比べて直説的な話法をより頻繁に使用している点が影響していると読み解ける。政治関連の投稿頻度は相対的に低くても、反応が最も熱い理由だ。
李大統領の全投稿のうち、肯定的(59.9%)な投稿は外交成果や経済指標に、否定的(15.9%)な投稿は安保上の脅威や政治・司法関連のイシューに集中した。残りは日程案内などの中立的(24.2%)な投稿に分類された。
特に、与野党の激突が激しい敏感な懸案ほど、李大統領のフォロワーによる積極的な同調や反発が参加指標を引き上げ、論争が繰り広げられた。実際、検察改革の推進過程で李大統領が当初は党内の強硬派にブレーキをかけていたものの、最終的に受け入れた背景も、リプライなどの世論を意識した結果だという話が与党圏から流れている。
大統領、X上で野党に謝罪要求も李大統領のX活用はこれだけではない。李大統領は特有の「称賛政治」と「果敢な深夜メッセージ」を着実に続けている。
まず、側近の成果を挙げたり関連投稿を共有したりして間接的に称賛し、政策の執行力を促す「リポスト政治」のパターンが顕著だ。これはXを青瓦台内部の指示チャネルとして活用する戦略とも読み取れる。
李大統領が地方選挙を前に突如「チョン・ウォノ区長は仕事ができるようだ」と述べ、与党のソウル市長最終候補の座にまで影響力を及ぼしたり、予備選の競合相手だったパク・ジュミン議員の医療改革の成果に触れて称賛したりしたのが代表的だ。
李大統領が果敢な表現を使いながらメッセージを発信している点も目を引く。
1月30日には、クメール語(カンボジア語)で「韓国人に手を出すと敗家亡身(身を滅ぼす)」という表現を投稿したが、カンボジア側からの問い合わせを受けて投稿を削除したことがあった。
その後も「売国奴」発言や「国民の力が第20代大統領選を盗ませた功労者たちに何らかの報酬を与えたはずだ」といった推測性の発言まで積極的に繰り出し、話題となっている。青瓦台の公式チャネルでは見られない直接的で感情的な表現が大統領の口から発せられることで、オピニオンリーダーとしての存在感が高まり、強い拡散(バイラル)効果が生まれた。

実に28件の投稿が「深夜0〜5時」の間に投稿された点も、同様の効果をもたらしている。李大統領は主に夜の時間帯に投稿するが、不動産政策やイスラエル批判に関連する後続の投稿の場合、深夜の時間帯にポストした。李大統領本人が関心の高いイシューについては、参謀陣の検討なしに即興的に対話する方式を好んでいるということだ。
曜日別の投稿数を分析してみると、国務会議や懸案発表などの公式日程が集中する平日の中でも、水曜日(108件)に最も多く投稿された。最も少ない日は土曜日(41件)だった。
「当局は大統領のSNSを追うのに精一杯」との指摘も李大統領はなぜこれほどまでにSNS政治に集中するのだろうか。
李大統領は城南(ソンナム)市長、京畿(キョンギ)知事時代からSNSの活用度が高く、変化した政治環境を積極的に活用しているとの評価を受けてきた。いわゆる「ケタル」と呼ばれる自身の熱狂的支持層も、こうした戦略を通じて拡大した。大統領になってからも、SNSでの対話は「大統領が仕事をしている」というイメージを形成する上で重要な道具となった。
この点において、青瓦台や国務委員の間でも肯定的な評価が出ている。李大統領のSNS政治が国務会議の生中継のように公務員社会全体に緊張感を与え、迅速かつ積極的な行政を促し、国民との対話によって、より開かれた形で国政を運営しているという印象を植え付けているという話だ。
一方、否定的な影響も相当なものだという批判もある。大統領の言葉一つは内政を超えて外交にまで波及力を持つ重要な国政資源だが、整理されていない荒いメッセージによって国政の原動力が消耗しているとの指摘だ。
また、李大統領の「万機親覧(あらゆる政務を自ら決裁すること)」的な行政が、内閣や首相の役割を縮小させ、国政の優先順位を不透明にしているという見方もある。最近浮上した「長特控除の廃止」論争も、まだ確定していない事案が言及されたことで、与党・政府・青瓦台の間で立場の違いが生じている雰囲気だ。
大統領の「打ち逃げ」的な行政が繰り返されれば、政府がその事後処理に追われ、与野党の葛藤はさらに深まるという批判が提起されている。
「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は『時事ジャーナル』に対し、「大統領がSNSをソフトな対話手段と考えているようだが、政策や外交メッセージをあたかも食べ物を評価するかのように、整理されていないメッセージとして出すのは良くない」とし、「与党の立場からも、大統領が投げかけた話題を否定することも、闇雲に従うことも無理がある」と述べた。
続けて「大統領が先に話題を投げかけることはできるが、イスラエル論争のように自ら事案を決めつけてしまうのは望ましくない」とし、「これまでは大統領の支持率も高く野党が弱いため大きな問題にはならなかったが、このような形態が継続すれば国政運営に良くないと考える」と指摘した。
(記事提供=時事ジャーナル)
