北海道・JR富良野線でラベンダーを愛でる|芳香に包まれる紫色の丘(6月下旬〜7月中旬)
ファーム富田のラベンダー畑から富良野線を走るトロッコ列車を望む。運行に合わせ「ラベンダー畑駅」という臨時駅が開設される。写真/中井精也JR富良野線で日本最大規模のラベンダー畑を観望する北海道のほぼ真ん中、旭川駅から富良野駅までの54.8kmを結ぶのが富良野線だ。北海道開拓期の明治33年(1900)に十勝線として全線開通、帯広や釧路ともつながり北海道の輸送動脈としての歴史を刻んできた。
長いトンネルはなく、車窓には十勝岳や美瑛岳だけを背景にした広大な丘陵の景色が連続する。これから初夏にかけては、田園がパッチワークのような彩りを見せ、車窓のほとんどがビューポイントのようなパノラマが堪能できる。
沿線で特に人気を集めるのが、中富良野駅から上富良野駅間で見えるラベンダー畑だ。この場所にファーム富田の富田忠雄氏がラベンダーを植えたのは昭和33年(1958)のこと。当初は化粧品に使うラベンダーオイルの抽出のためであったが、’70年代になると輸入香料に押されて作物としての栽培は終焉を迎える。現在は、ファーム富田の農場を中心とした観光に力を入れ、ラベンダー畑が作る景観そのものが、全国から観光客を惹き付けている。
トロッコ列車最後の夏
27年にわたり人気を集めてきた「富良野・美瑛ノロッコ号」は、機関車と車両の老朽化により2026年度をもって廃止予定。写真/ JR 北海道鉄道写真家の中井さんは富良野線のラベンダーの魅力をこう語る。
「天気がよいとラベンダー畑に十勝連峰まで望めます。写真好きなら非常に雄大な風景が撮れると思います。長い期間ラベンダーが楽しめるように、作付けに工夫がされているのもいいですね」
ラベンダーの季節に、富良野線では「富良野・美瑛ノロッコ号」というトロッコ列車を運行している。しかし、車両の老朽化のためにトロッコ列車の運転は本年が最後となる。今夏は、さらに多くの乗客が訪れるだろう。
塩味をきかせた青えんどう入り「ふらの餅」
『カンパーナ六花亭』は『六花亭』の直営店。道内産えんどうを使った焼きたての餅は、同店のみの販売。列車のともにちょうどよい。●カンパーナ六花亭 北海道富良野市清水山1161 電話:0120・12・6666
営業時間:夏季:10時〜16時、冬季:10時30分〜16時 定休日:不定休
交通:JR富良野線学田駅より徒歩約9分
案内人/中井精也(なかい・せいや)さん(鉄道写真家)
鉄道車両のみならず、鉄道にかかわるすべてのものを独自の視点で撮影。現地に吹く心地よい風が伝わってくるような「ゆる鉄」というジャンルを確立。著書に『ゆる鉄絶景100 中井精也写真集』など多数。取材・文/宇野正樹 写真/中井精也
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