【解説】改憲の議論「緊急事態条項」何が変わる?【イチから確認 高市政策】
「news every.」では「イチから確認 高市政策」という形でいま、何が議論され日本がどう変わる可能性があるのか継続的にお伝えしていきます。今回は、「憲法改正」緊急事態条項の議論についてです。
■2つの論点…「国会議員の任期延長」「緊急政令」

憲法改正や皇室典範改正、消費減税など高市首相が意欲を示す注目の政策や法案の議論が進んでいます。
23日、国会では衆議院の憲法審査会が開かれ、大規模災害などの際に政府の権限を強化するなどの「緊急事態条項」について、集中的な議論を行いました。
――まず確認したいのは「緊急事態条項」どういったものなんでしょうか。
一言でいえば、「国が想定外の大きな危機に直面したときに、どう乗り切るかのルール作り」になります。
具体的にみていきます。論点は、大きく分けて2つになります。
(1)国会議員の任期延長
(2)緊急政令
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まずは、国会議員の任期の延長です。
衆議院では、参議院にはない解散・総選挙があります。解散後に大災害などが起きると、法律を作る衆議院議員がいない状態になってしまう。なので、衆議院議員の空白を生まないためのルール作り、「任期延長」が必要だと自民党などが主張しているわけなんです。
――延長というと、どのくらい?
憲法には「衆議院議員の任期は4年」と決まっていますが、自民党は23日、この延長幅について「1年程度」と新たに提案しました。
ただ、この「任期延長」には慎重論もあります。実は、いまの憲法でも(憲法54条)、衆議院が解散している間に緊急事態が起きた場合、参議院だけで法律や予算を決めることができる「緊急集会」という仕組みがあります。これで十分ではないかという意見が参議院に根強くあるんです。
――衆議院と参議院との意見のすりあわせも今後、必要になってくるということですね。
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さらに、どうしても国会が機能しない場合を想定しているのが、内閣の「緊急政令」です。
国会で新たに法律を作るには、何日もかけて議論しなければなりません。ただ、大規模災害などが起きた際に、対応に時間がないとなった場合、政府の権限を拡大して、政府が法律と同じ効力を持つ「命令」をすぐに出せるようにする、これが「緊急政令」になります。
ただ、こちらについても、政府が「国民の自由を制限することも可能となる」ため、野党を中心に慎重論が根強くあります。
■衆院・参院の憲法審で改正項目絞り込みへ

――高市首相は、来年の春までに憲法改正の発議にメドをつけるという考えを示していますが、国会での意見集約ははかれるのでしょうか。
この緊急事態条項の創設をめぐっては、自民党、日本維新の会、国民民主党は賛成、条文案の作成など具体化を求めています。
一方で、中道改革連合は「参議院も含めた幅広い合意形成に向けて着実に検討を重ねていくべきだ」として、23日は立場を明らかにしませんでした。
また、共産党は参議院の緊急集会で対応すべきなどとして、憲法改正そのものに反対しています。
憲法改正をめぐっては、これから衆議院と参議院の憲法審査会でそれぞれ改正項目の絞り込みが進む見通しです。私たちは一言で「憲法改正」と捉えずに、どの項目を改正するのか、具体的に見極めていく必要があります。