4月から「178万円まで扶養内で働ける」と思ったら大誤算!?「年収130万円・150万円・178万円」で比べる“社会保険の壁”と手取りの差とは? 働き方の注意点も解説

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「4月からは178万円まで扶養内で働ける」といった情報を見て、収入を増やそうと考えている人も多いのではないでしょうか。   しかし実際には、税金と社会保険は別の仕組みで動いており、単純に年収を増やせば手取りが増えるとは限りません。むしろ、あるラインを超えると負担が増え、手取りが伸びにくくなるケースもあります。   本記事では、年収130万円・150万円・178万円の違いを比較しながら、働き方を考えるポイントを整理します。

「178万円まで扶養内」は本当? 誤解されやすい“年収の壁”の正体

まずは、複雑に見える「年収の壁」の仕組みを整理します。
 

税金の壁と社会保険の壁は別物

「178万円」という金額は、主に配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに関連して語られることがありますが、これはあくまで税金の話です。一方、社会保険の扶養は年収「130万円」が基準となっており、このラインを超えると原則として自分で健康保険や年金に加入する必要があります。
つまり、178万円まで働けるからといって「扶養のまま」というわけではありません。代表的な年収の壁を整理すると次の通りです。


103万円:所得税がかかり始める
106万円:一定条件で社会保険加入(勤務先規模など)
130万円:配偶者の社会保険扶養から外れる
150万円~:配偶者特別控除が段階的に減少

これらの年収の壁はそれぞれ意味が異なるため、どの壁を意識するかによって働き方も変わります。

年収130万円・150万円・178万円で手取りはどう変わる?

ここでは、実際にどれくらい手取りが変わるのかを見ていきましょう。
 

社会保険加入の影響が最も大きい

年収130万円を超えると、健康保険と厚生年金の保険料負担が発生します。目安として、年収150万円の場合、年間で約20万~30万円程度の社会保険料がかかるケースが一般的です。なお、加入する制度や条件により異なります。年収別の手取りを試算すると、図表1のようになります。
図表1

筆者作成
130万円から150万円に増やしても、社会保険料の影響で手取りがあまり増えない、あるいは一時的に減ることもあります。一方、178万円まで増やすと、ようやく手取り増加を実感しやすくなるでしょう。
なお、実際の手取りは、加入する健康保険組合や自治体、勤務条件などにより異なります。

見落としがちな落とし穴|配偶者の扶養・会社条件で変わる損得

同じ年収でも、条件によって結果は変わります。まず、勤務先の規模(従業員51人以上など)や労働時間によっては、年収106万円程度でも社会保険に加入するケースがあります。この場合、130万円を待たずに保険料負担が発生するため注意してください。
また、配偶者の健康保険組合によっては、130万円未満でも扶養認定が厳しい場合や、逆に多少超えても認められるケースもあるでしょう。制度の運用に差があるので、個別の確認が欠かせません。

世帯全体の手取りで考える判断ポイント

年収の壁を考えると、中途半端に130万円を少し超える働き方は効率がよくありません。扶養内に抑えるか、社会保険に加入してしっかり収入を増やすかのどちらかが現実的でしょう。
社会保険に加入すると、「将来の年金額が増える」「傷病手当金などの保障が受けられる」といったメリットもあります。短期的な手取りだけでなく、長期的な安心も含めて判断することが重要です。
また、配偶者控除の減少や手当の有無なども含めると、家計全体での損得は個人の年収だけでは判断できません。「世帯の手取りがどう変わるか」という視点で考えることが、後悔しない働き方につながります。

年収の壁は世帯全体で考えることが重要

「178万円まで扶養内で働ける」という情報は一部の税制に基づくものであり、社会保険の仕組みとは別に考える必要があります。特に130万円を超えると社会保険料負担が発生し、手取りが思ったほど増えないケースも少なくありません。
重要なのは、「どの壁を意識するか」と「世帯全体でどう変わるか」です。短期的な収入だけでなく、将来の保障も含めて、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
国税庁 No.1410 給与所得控除
全国健康保険協会 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー