雅子さま(時事通信フォト)

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 被災地訪問"前日キャンセル"から約2週間。天皇ご一家は満を持して、東北の地に足を運ばれた。苦境に立ち向かってきた被災地の人々は、プリンセスを熱狂の渦で迎え入れ──愛子さまが被災地にもたらしたもの、そしてその双肩にかかる期待と希望とは。【前後編の前編】 

【写真】桜色のジャケットを着て、福島県を回られる愛子さま。他、紺色リンクコーデで福島県を訪問された天皇ご一家なども

 福島県富岡町の桜の名所「夜の森の桜並木」。未曽有の大災害後、12年もの間帰還困難区域に指定されたこの地で、復興のシンボルとして県民に愛されている満開の桜の下-天皇ご一家を乗せた車列が、ゆっくりと進んでいく。ご一家は沿道に集った福島の人々を慈しむように、いつまでも手を振られていた。 

 4月6日から1泊2日の日程で、天皇ご一家は福島県を訪問された。東日本大震災の発生15年にあたり、被災地の復興状況を視察されるためである。 

「3月末に予定されていた岩手・宮城両県へのご訪問は、両陛下に風邪の症状が見られたためお取りやめに。両県では多くの県民が肩を落としました。発災10年の節目の際はコロナ禍で、被災者と直接対面することが叶わず、被災地訪問は両陛下にとってかねて懸案となっていた。さらに今回は愛子さまにとって初めての東日本大震災の被災地ご訪問です。ご一家は特別な思い入れを持って臨まれました」(皇室記者) 

 6日の朝、皇居を発たれたご一家は東北新幹線に乗り、午前11時半頃に福島駅にご到着。ロータリーに詰めかけた200人を超える県民から、熱烈な歓迎を受けられた。 

「この日の福島駅周辺は、最高気温が23℃近くまで上昇。初夏のような汗ばむ陽気で半袖姿の人も目立ちました。ご一家が姿を現された瞬間、『愛子さまー!』『愛ちゃん!』『かわいい!』という大歓声が沸いた。雅子さまよりも、愛子さまへの呼びかけの方が多かったかもしれません。中には、ご一家をいまかいまかと待ちながら、暑さとあまりの人混みの熱気で体調を崩した人もいたようです」(前出・皇室記者) 

 いつものように目元に柔和な笑みをたたえ、人々の歓声に対し軽やかに手を振られた雅子さま。一方、その日のお召し物は"異例"ともいえるスタイルだった。 

雅子さまは一日中、黒のパンツスーツで過ごされたのですが、これは普段はあまり見られないことです。移動中はパンツスーツ、供花などフォーマルな場ではスカートに着替えられることが多いのですが、今回のチョイスはおそらく、"冷え対策"でしょう。 

 雅子さまは風邪による微熱が下がった後も過敏性の咳が続いていて、冷たく乾いた空気を吸うと咳が出る症状に見舞われていらっしゃいました。道中は首元にスカーフを巻き、追加の対策もされていた。 

 マスク姿でのお出ましも対策の一環で、福島滞在中は多くの場面でマスクをされていました。岩手・宮城へのご訪問を延期されたのも、被災地の人々へ風邪をうつすことを懸念されたからでもある。咳の症状をできるだけ抑えようと、配慮されていたようです」(皇室ジャーナリスト) 

かつての"ママ友"と再会 

 駅での大歓迎に応えられたご一家は、福島県庁で復興状況の説明を受けられた後、車で東へ約100kmの距離を移動。福島第一原発が位置する双葉町へ向かわれた。双葉町はいまも町内の85%が帰還困難地域に指定され、住人は200人ほどと、震災前の約7000人から大幅に減少。いまも多くの人が故郷に帰れない状況にある。 

「震災後、福島第一原発のある自治体に皇室の方々が足を運ばれるのは、今回が初めて。復興の歩みに大きな一歩が刻まれたことになります。ご一家は震災の爪痕を伝える『東日本大震災・原子力災害伝承館』を視察され、施設内の海が見える場所に設けられた供花台に、白いテッポウユリを供えられました」(前出・皇室ジャーナリスト) 

 地震の震源で、大津波をもたらした太平洋に向かって祈りを捧げられたご一家はその後、被災者とご懇談。雅子さまがかつての"ママ友"と再会される場面があった。双葉町でファストフード店「ペンギン」を営む山本敦子さんが語る。 

「私は2021年、発災10年の際に雅子さまとオンラインでお話をさせていただいたのですが、その際、雅子さまから『つらかったことは?』と尋ねられ、娘の話をしたんです。震災の影響で娘が学校に行きたくないという時期があり、そのときのつらかった気持ちを涙ながらにお話ししました。 

 するとモニター越しではありますが、雅子さまも目に涙を浮かべられたように見えたんです。雅子さまの涙を見て、同じ母親として、何か心通じるようなものを感じました。 

 今回は、雅子さまが私を覚えていてくださったようで、第一声で『ペンギンね』と笑顔で声をかけてくださり、緊張がほぐれました。また、雅子さまと愛子さまが顔を見合わせるのを目の前で見ていますと、"ああ、やっぱり雅子さまはお母さんなんだな"と感じられて……雅子さまの母親としての一面が改めて垣間見えて、うれしく思いました」 

(後編へ続く) 

※女性セブン2026年4月30日号