浦和はなぜリードを守り切れない? 逆転負けの川崎戦で欠けていた“死ぬ気で守るくらいの気持ち”や最終盤の冷静さ
4月5日に行なわれた9節・川崎フロンターレ戦。試合直前にいきなりアクシデントに見舞われる。宮本優太がアップ中に負傷。根本健太が急きょ、先発した。
けれども、状況は落ち着かず、6分後にはダニーロ・ボザのオウンゴールで追いつかれると、ボザが足を痛めて交代。ボランチの柴戸海が最終ラインに下がるという2度目のアクシデントが起きたのだ。
このタイミングで途中出場した大卒ルーキーのボランチ植木颯がまずまずのパフォーマンスを見せるという収穫もあったが、マチェイ・スコルジャ監督は「前半はカオス的なものになってしまった」と表現。1−1で折り返すのが精一杯だった。
迎えた後半。浦和は開始早々に奇襲攻撃を仕掛け、金子拓郎が得点したかに思われたが、VARの介入の末、オフサイドの判定で取り消される。それでも56分に再び、金子がネットを揺らし、浦和がこの日、2度目のリードを奪う。
これを守り切れていたらベストだったが、その後のマネジメントが拙かった。川崎がラザル・ロマニッチと宮城天を投入し、攻撃のギアを上げてくると、78分に右CKの流れからロマニッチに打点の高いヘッドを決められ、2−2に追いつかれてしまう。
そして後半アディショナルタイムには、自分たちのスローインからカットされ、三浦颯太、宮城、河原創、脇坂泰斗、山原怜音、ロマニッチとつながれ、最後はこぼれ球に反応した河原の強烈なミドルで被弾。守護神の西川周作も止められず、2−3で痛恨の逆転負けを喫したのだ。
指揮官は「私が強調しているのは、ゲームマネジメントのところ。選手たちはコントロールできるスキルを持っているが、まだ十分ではありません」と落胆するしかなかった。
確かに今季の浦和は、リードしても守り切れない印象が強い。2点をリードしながら追いつかれ、90分に失点し2−3で敗れた鹿島アントラーズ戦もそうだった。
「相変わらず、ああいう時間の失点が減らないですし、1試合で3失点してしまうと勝つのは難しいと思う。クロスの対応だったり、跳ね返りのセカンドボールのところは、もっともっと改善していかなきゃいけないと思います」と“急造DF”の柴戸も厳しい表情を浮かべた。
そこで、まず2失点目に目を向けると、守備の詰めの甘さが感じられた。西川も「良いクロスでしたし、ヘディングシュートでしたけど、中には人がいたので、死ぬ気で守るくらいの気持ちで全員ができれば良かった」と反省の弁。「絶対に守り切る」という意思統一がどこかで欠けている印象があった。
さらに気になったのが3失点目。関根貴大が慌ててスローインしたように見受けられ、中盤から下りてきた安部裕葵のボールタッチも小さくなった。肥田野蓮治の反応も遅れ、三浦にボールを奪われたが、この流れが良くなかった。
加えて、中盤に人数は揃っていたはずなのに、スコアラーの河原の飛び出しに中島翔也やイサーク・キーセ・テリンはついていけず、フリーでシュートを打たせてしまっていた。
「本当にどんな状況でも、落ち着いてできるのが一番ですし、勝ちたい欲が強ければ強いほど、慌ててしまう気持ちも分かります。それでも落ち着いてやることができれば、より勝つチャンスが増えるのかなと思います」と西川も話したが、最終盤の浦和は冷静さが足りなかったと言わざるを得ないだろう。
「かなり体力が削られていたなかで、踏ん張りというか、終盤でもう1回、走る、戦うみたいな力を出す必要がありますし、個人としてもそういう選手が必要。それを出ている選手がやっていくしかない。そこは意識で変えられる部分も少なからずあると思うので、やっていきたいと思います」と、柴戸も神妙な面持ちでコメントした。
最後の最後まで踏ん張れる力を絞り出していくことが、負の連鎖に歯止めをかけるポイントと言っていい。
「犯人捜しをせず、チーム全体で分析して、また勝てるように頑張っていきたい」とM・サヴィオも一体感の重要性を強調したが、ここでバラバラになってしまったら、後半戦の再浮上もあり得ない。今は悔しい敗戦を糧に、90分間で勝点3を取ることに集中するしかない。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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