イラストで伝える魅力、森と人つなぐ 林野庁出身の森林業漫画家「恩恵意識して」

イラストを通じて森と人をつなげたい―。森林にまつわる魅力を伝える漫画家が札幌市にいる。林野庁で働く傍ら多数の作品を手がけ、2月に早期退職。「森林業漫画家」として新たな道を歩み始めた平田美紗子さん(47)は「都会に住む人にも森林の恩恵を意識してほしい」と意気込む。(共同通信=野島奈古)
札幌で生まれ育ち、森林との出合いは幼少期にさかのぼる。長期休みのたび、両親がキャンプやカヌーに連れて行ってくれた。お絵描きや「ファーブル昆虫記」に夢中になり、画家か生物学者になることを夢見た。
北海道大大学院ではキノコなど菌類を研究。森林の生態をもっと知り、絵を描いて広めたいとの思いが膨らんでいった。
2004年に林野庁に入り、群馬県に配属された。本格的に絵を描き始めたきっかけは、入庁2年目に国有林管理などを担う「森林官」になってから。生物多様性の復元を目指す事業に関わり、イラストを交えたリポート作成に没頭した。寝る間を惜しみ、図鑑を携え森林に向き合い続けた。
職場外の反響も大きく、東京や札幌に異動した後も森林植物や林業を紹介する漫画や冊子のほか、鳥瞰図も制作。時には専門家から助言をもらい、忠実な筆致で表現した。創作活動に本腰を入れたい気持ちが次第に強まり、思い切って独立を決めた。
森には、多忙な生活とは異なる時間軸が存在すると感じる。安心を得られ、それだけで多くの現代人が救われると思う。「絵を通して森の魅力を知ってもらえるのが一番のやりがいです」。森への一歩を踏み出してもらうための情報発信が大事だと考え、ペンを握る。




