森保Jの熾烈なボランチ争い。スコットランド戦は佐野海舟&田中碧のコンビが有力。両者に期待したいこと【現地発】
とりわけ、28日のスコットランド戦は、ここまで控えだった選手、あるいは当落線上のメンバーが数多くピッチに立つはず。死に物狂いでアピールして序列を引き上げ、W杯行きを掴み取りたい。
キャプテンの遠藤航(リバプール)と、アジア最終予選をリードした守田英正(スポルティング)の30代ベテランを欠くボランチも大激戦区。目下、シャドー兼務の鎌田大地(クリスタル・パレス)を軸に、ボール奪取力に秀でる佐野海舟(マインツ)、2022年カタールW杯メンバーの田中碧(リーズ)、24年パリ五輪代表で主将を務めた藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)の4人がしのぎを削っている状況だ。
「スコットランドには能力の高い選手がたくさんいると思いますし、個人のところで負けないのが大前提。特にマクトミネイ選手はキーマンになると思うんで、必ず潰さなければいけない。相手もそこをメインにやってくるので、しっかり対応できればいい」と、マッチアップが予想される佐野海は力を込めた。
遠藤不在の今シリーズで、佐野海が2試合連続でスタートから出る可能性は少なくない。成長著しい男の守備強度と球際の強さ、ボールを奪い切る力は、今の日本に必要不可欠だからだ。
加入2シーズン目のマインツでは絶対的主力に君臨し、存在感を示しているものの、W杯に出場する強豪国を相手にどこまでやれるかは未知数な部分もある。だからこそ、まずはスコットランド戦で前向きな手応えを得たいところ。
そこで勢いをつけ、トップ・オブ・トップのイングランドに真っ向勝負を演じられれば理想的。28日のゲームで佐野海の真価が問われるのは間違いないだろう。
一方の田中に目を向けると、代表ではここ最近、出番が限定的になっている。最終予選ではサブ的な位置づけが続き、本大会に向けて再始動した昨年9月は負傷辞退。10月のパラグアイ戦、11月のガーナ戦に先発したが、両シリーズともメインカードと位置づけられたブラジル戦、ボリビア戦はスタメンから外れてしまっている。
その後、所属のリーズでも出場機会が激減。今年1〜2月はリーグ戦で7試合出番なしというまさかの苦境に陥り、浮上のきっかけをなかなか掴み切れていないのが実情だ。
「(試合間隔が空いていることに関しては)ワールドカップを控える今、多少の焦りはあります。ただ、どの選手も試合に出られない時期はある。昨年の大地君もそうだったけど、僕の場合はたまたまワールドカップ前だったということ。でもそこで自分が崩れたら終わり。自分を信じて、ブレずにやらなきゃいけないと思います」と、本人も気持ちを奮い立たせている。
代表においては2021年の初キャップから6年目。最近、定着した佐野海や藤田とは明らかに経験値が違う。田中自身も「年齢も上がってきて、代表に入りたての時みたいにガムシャラにやるとか、そういうフェーズではない」と努めて冷静に言う。
「一番はピッチ内でチームの勝利に貢献すること。それが上の立場に立っても必要なことだと思うんで、深く考え過ぎずに、自分が持っているものを毎試合、出すしかない」とも発言。彼らしい組み立てやゲームコントロールを押し出して、チームに良いリズムをもたらしていくことが重要だ。
もちろん佐野海と協力して、マクトミネイやジョン・マギン(アストン・ビラ)らキーマンに仕事をさせない守備を見せることも必須。守備の強度や激しさはイングランド・プレミアリーグ参戦で着実にレベルアップしているはず。
その進化を今回のゲームで実証できれば、ボランチ内の序列が上がり、自身2度目のW杯で活躍のチャンスも広がる。そう仕向けていくためにも、田中はスコットランド戦を単なる1試合で終わらせてはいけないのだ。
イングランド戦は鎌田と佐野海がコンビを組むと見られるが、別の選手が出ても遜色ない戦いができる状態が日本にとってはベスト。遠藤や守田が不在の今だからこそ、田中にはけん引役として異彩を放ってほしい。
いずれにしても、スコットランド戦はボランチ陣の一挙手一投足に目を光らせるべきである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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