家を高く、早く売りたい。そう願って不動産会社に売却を依頼したはずが、実は業者の都合で「わざと売れないようにされている」としたら……。
不動産業界の悪しき慣習である「囲い込み(自社で買主を見つけて両手仲介の利益を得るため、他社からの客付けを拒否する行為)」。2025年1月に宅建業法の規則が改正され、罰則も設けられましたが、現場ではいまだにあの手この手で「見えない囲い込み」が横行していると言います。
今回は、透明性の高い不動産取引を提唱するらくだ不動産株式会社の取締役副社長COO山本直彌さんと、不動産エージェント佐藤健斗さんが、法規制をすり抜ける業者の“新手口”と、売主が身を守るための防衛策を明かします。

◾️「断りません」と言いながら…巧妙化する新手口
かつては他社から内見の問い合わせがあっても「すでに申し込みが入っています」などと嘘をついて断る手法が主流でしたが、法改正によりこれが難しくなりました。しかし、大手不動産会社などを中心に「断らないけれど、実質的に案内させない」という新手口が蔓延していると二人は指摘します。
手口1:「担当者立ち会い必須」を盾にした日程調整の拒否
「一番多いのがこれです。他社から内見依頼が来ても『売主様の希望で、弊社の担当者が必ず立ち会うことになっている』と伝えます。その上で『担当者のスケジュールが埋まっていて、ご案内できるのは3週間後です』などと事実上、内見を先延ばしにして諦めさせるのです」(佐藤さん)
手口2:契約に必要な「重要情報」を教えない
「仮に内見ができて買主が『買いたい』となっても、契約を進めさせない手口もあります。マンションの管理規約や、戸建ての境界線の情報など、契約書の作成に不可欠な詳細資料を他社に提供しないのです。情報がなければ安全な取引ができないため、他社は手を引かざるを得なくなります」(山本さん)
手口3:ポータルサイトの「資金力」でねじ伏せる
本来、物件情報は業者間のネットワーク(レインズ)に登録され、広く買主を募るべきものです。しかし、囲い込みを行う業者は莫大な広告費を使って自社で不動産ポータルサイトに掲載し、そこから直接来るお客さん(両手仲介になるお客さん)だけを優遇し、他社からのルートを意図的に細くしているのが実態です。
◾️売主の大きな機会損失。優良業者を見抜く「2つの質問」
これらの手口の最大の被害者は「売主」です。広く情報を公開していれば、もっと高く、もっと早く買ってくれる人がいたかもしれないのに、そのチャンスを業者の利益のために潰されているからです。

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