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不人気車をお互いに乗り換えてみよう!

こんにちは。イラストレーター兼ライターの遠藤イヅルです。所有中の1985(昭和60)年式『日産サニーカリフォルニア』の『再生』と『快適化』のレポート連載第10回は、いつもと趣向を変え、モータージャーナリスト清水草一氏の愛車、先代マセラティ・クアトロポルテ『大貴族号』試乗記をお送りします。

【画像】清水草一の大貴族号と乗り換え試乗!サニーカリフォルニアとの共通点は『不人気車』 全20枚

清水氏が当サイト(AUTOCAR JAPAN)で連載中の『清水草一の自動車ラスト・ロマン』を楽しみにしている読者も多いでしょう。自分もマイナー車&不人気車乗りとして、氏の考え方や思想には激しく同意。いつも楽しく読んでおりました。


清水草一(右)の愛車、先代クアトロポルテ『大貴族号』を筆者(左)が試乗!    山本佳吾

そんなある日、編集担当のヒライ氏から「清水草一さんが、イヅルさんのフォルクスワーゲン・サンタナに乗りたがっています!」という連絡が入りました。そう、筆者は日産が座間工場で作っていたサンタナも所有しているのです。

清水氏がかつてサンタナに乗っており、こよなく愛しているのは、さまざまな媒体を見て知っていました。そのためひとつ返事でOK! と答えたのは言うまでもありません。さらにお互いの不人気車を『乗り換え』することになりました。

そこで早速、日程や集合場所などの調整を行うことになったのですが、ヒライ氏曰く「サニーカリフォルニアも持っていきたいです!」とのこと。サンタナと同じくマイナーで不人気車の称号を持つ(涙)B11型サニーもぜひに、というのです。さすが清水さん、わかっておられる(感激)。

大貴族号も『不人気車』!

取材当日はヒライ氏にサンタナのステアリングを預け、サニーとサンタナで撮影地へ。清水さんの大貴族号と合流しました。

フェラーリのV8を積んだイタリアンセダン、日本製フラッグシップ・フォルクスワーゲン、そして日産の大衆車という並びは、一見すると関連性がありませんが、『不人気車』というキーワードは共通しています。


日独伊?の不人気車3台が並びました(涙)。    山本佳吾

なお清水さんがサニーとサンタナに感じた印象は、逐次『清水草一の自動車ラスト・ロマン』にてアップされているので、ぜひぜひご覧くださいませ。

前置きが長くなりましたが、いよいよ大貴族号に試乗です。

5代目マセラティ・クアトロポルテは、ピニンファリーナ在籍時代の奥山清行氏がデザインした流麗なボディに、フェラーリ製4.2リッターV8エンジンを搭載して2004年に登場した、超ラグジュアリーな内装を誇るスーパーセダンです。なのに、前期型は特に人気がありません。

清水氏が購入したクアトロポルテは2007年式の『スポーツGT』です。外装白、内装ボルドーで、トランスミッションは不人気車になった理由のひとつである、『デュオセレクト』というシングルクラッチのセミATを搭載しています。

清水氏が「デュオセレクトでなければならぬ!」と言って(不人気車の)ロマンを貫き、車両本体200万円で探し出してきた個体です。

そうかこの手があったのか!

ドアを開けると、そこは上質な革で満たされた世界。白い車体に濃い赤の内装という、こんな色気のある内装のセダンを平然と作ってのけるのは、さすがマセラティです。

イグニッションキーをひねってエンジンを始動。アクセルを踏むと、1.5リッターOHC+電子制御キャブというサニーからは絶対に聞くことができない、乾いた鋭い咆哮が響きます。


不人気車、最高!    山本佳吾

うおお、マジでフェラーリ・エンジンだ!

かつてフェラーリV8をフロントに押し込んだランチア・テーマ8.32に憧れた筆者の体に、ゾクゾクするような感激がこみ上げます。

特徴的な小さいシフトノブを操作していよいよ発進です。一般道では最高出力400psを試すには役不足ですが、3000rpm以下でも恐ろしく速い! さらに回転をあげると、V8エンジンのサウンドが高まって、脳内を快感物質が満たしていきます。

乗り心地も実にしなやか。静粛性が高いのはさすが高級セダンです。ハイパワーを受け止めるセミATの動きはスムーズで、『壊れそうセンサー』が多少発達している筆者にも、『これは大丈夫そう』と感じさせてくれます。事実、大貴族号はトラブルが極めて少ないのでした。

これほど状態が良い個体に乗れるとは限りませんが、2026年3月現在、大手中古車検索サイトには、本体価格250万円以下の前期型が10台以上も掲載されています。

めちゃゴージャスでフェラーリV8を積むセダンがこの価格なのですから、リーズナブルで面白い中古車を探すことに執念を燃やしてきた筆者も『そうかこの手があったのか!』と膝を打つばかり。

まさに『不人気車はロマン』だなあ、と思った次第です。

(当連載は不定期掲載ですが、主に金曜日お昼頃に公開予定となります)