トヨタ「小さいカローラ」25年10月末に生産終了! ちょうどいい5ナンバーサイズで室内広々! 想定以上にロングセラーとなった「アクシオ/フィールダー」が魅力的だったワケ

写真拡大 (全3枚)

カローラアクシオ/カローラフィールダー」どんなモデル

 トヨタは、セダンの「カローラアクシオ」とワゴンの「カローラフィールダー」の生産を2025年10月末をもって終了します。

 長きにわたって販売が続けられたカローラアクシオ/フィールダーとは、どのようなモデルだったのでしょうか。

貴重な5ナンバーな「カローラ」がいよいよ生産終了へ

【画像】超カッコいい! これが「小さいカローラ」です!(30枚以上)

 カローラアクシオ/フィールダーは、2012年に、11代目カローラとして発売されました。通常であれば、2019年に12代目の現行カローラセダンとワゴンのツーリングが登場した時に廃止されますが、カローラアクシオ/フィールダーは例外的に生産を続けました。

 カローラが新旧モデルを併売した理由は、現行型の「カローラセダン」と「カローラツーリング」が3ナンバー車になったからです。

 現行カローラは、プラットフォームをプリウスなどに使われる「GA-C」に変更しており、それによってボディ剛性が高まり、走行安定性、ステアリング操作などを行った時の車両応答性、乗り心地などが向上しました。

 その代わり現行カローラでは、全幅が1745mmに拡大されて3ナンバー車になったのです。

 開発者は当時「現行カローラの全幅は、GA-Cプラットフォームとしては、限界まで狭く抑えました。大ヒットした3代目プリウスも全幅が1745mmでしたから、同じ数値なら日本の道路環境でも許容されると考えました」と述べています。

 それでも従来型の5ナンバー車から、3ナンバー車に拡幅されることは確かですし、そしてカローラにとって5ナンバーサイズを守ることはとても大切でした。

 カローラは、ワゴンのフィールダーを含めて社用車のニーズが多く、社用車を5ナンバー車に限定している企業も少なくありません。そうなるとカローラが3ナンバー専用車になれば、定期的に購入される社用車の需要を失うのです。

 空間効率の違いもありました。カローラアクシオ/フィールダーのプラットフォームは当時のコンパクトカー「ヴィッツ」などと共通で、ボディサイズの割に車内が広く確保されました。

 例えば身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、カローラアクシオ/フィールダーでは握りコブシ2つ分を確保していますが、現行カローラセダン&ツーリングは、3ナンバー車に拡大されながら、握りコブシ1つ半に減りました。

 後席の居住性を重視するユーザーにとって、現行カローラセダン/ツーリングは、カローラアクシオ/フィールダーよりも使いにくいのです。

オーナーが次に乗り替えた意外なクルマとは!

 同様にワゴンのカローラツーリングは、5ナンバー車のカローラフィールダーに比べて荷室も狭いです。

 カローラフィールダーの荷室長は、後席を使っている状態で1070mmを確保しており、この時の荷室容量は413リットルなのに対して、現行カローラツーリングは、3ナンバー車に拡大されながら、荷室長は930mmと短く荷室容量も392リットルに留まります。

5ナンバーのステーションワゴン「カローラフィールダー」

 このように先代型となるカローラアクシオ/フィールダーは、ボディがコンパクトな5ナンバー車なのに、3ナンバー車の現行カローラセダン/ツーリングに比べて後席と荷室が広いことが特徴でした。

 さらに価格も求めやすいため、法人ユーザーを中心にカローラアクシオ/フィールダーの存続を求める声が根強く、新旧モデルを併売したのです。

 ちなみに現行カローラセダン/ツーリングが発売された2019年の時点で、開発者は以下のように述べています。

カローラアクシオ/フィールダーを併売する理由は、カローラは5ナンバー車であるべきだという意見が根強く、法人需要も多いためです。それでも新型(現行型)とカローラアクシオ/フィールダーを併売する期間は、長くて2年でしょう。

 カローラアクシオを購入されるお客様の年齢は70歳を上まわり、フィールダーも60代です。お客様の高齢化が進んでおり、需要はそれほど長くは続かないと思います。

 従って2年以内には、カローラアクシオ/フィールダーは生産を終えて、新型(現行型)へ統合されるでしょう」

 開発者はこのように述べましたが、結局、カローラアクシオ/フィールダーは、約6年間にわたり併売され、カローラアクシオ/フィールダーが最初に登場した2012年から数えれば13年を経過しています。

 新旧カローラがここまで長く併売された背景には、カローラアクシオ/フィールダーの根強い人気がありました。

 現行カローラセダン&ツーリングが登場した翌年の2020年も、カローラシリーズ全体に占めるカローラアクシオの販売比率は10%、カローラフィールダーは14%と、両方を合計すれば、カローラシリーズの4分の1は、継続生産型のアクシオ&フィールダーだったのです。

 2021年になるとSUVの「カローラクロス」が発売されて人気を高め、販売比率も増えました。直近の2024年は、カローラクロスがカローラシリーズ全体の50%を占めて、カローラアクシオは5%、カローラフィールダーは7%です。

 それでも設計の新しい3ナンバー車の「カローラスポーツ」が5%、カローラセダンは9%ですから、カローラアクシオ/フィールダーは、カローラシリーズの中で決して少ない台数ではありませんでした。

※ ※ ※

 カローラアクシオ/フィールダーの根強い人気からも分かる通り、5ナンバー車は日本のユーザーにとって大切な存在です。

 販売店に生産を終えたカローラアクシオ/フィールダーのユーザーが何に乗り替えたか聞いてみると、「カローラアクシオ/フィールダーのお客様は、法人が中心です。そのためにフィールダーは、商用バンの『プロボックス』に乗り替えています。また『ルーミー』への乗り替えもあります。いずれも4ナンバー車や5ナンバー車といったコンパクトなモデルです」と回答されました。

 トヨタが日本のユーザーをもっと大切に考えたなら、「ヤリス」や「シエンタ」と共通のGA-Bプラットフォームを使って、5ナンバーサイズのセダンとワゴンを新規開発すべきでした。

 そうなればカローラアクシオ/フィールダーに比べて、安全面を含めて商品力を高められたでしょう。そしてGA-Bプラットフォームを使えば、改良を実施して、今後もラインナップを続けることができたと思います。

 日本のメーカーは、5ナンバーサイズを“ガラパゴス”などと考えず、優れたカテゴリーとして、その良さを見直して欲しいと思います。