対策の有無で「震度6」の被害は変わる。同じマンションでの比較写真3つ
地震はいつどこで発生するかわからず、多くの命や財産を一瞬にして奪う自然災害のひとつです。今回は数々の被災地に入り医療支援を行ってきた防災のプロ・国際災害レスキューナースの辻 直美さんに、命を守るために知っておくべき「地震の被害とその影響」を教えてもらいました。揺れ対策の有無による被害の違いも、実際の写真で比較します。

地震が起きたらどうなる?
地震の被害とその影響は意外なところにまで広がります。もしものとき、具体的になにが起こるのかを知ることが、適切な対策につながりますよ。
●ものが落ちる、倒れる、移動する、飛ぶ
「地震が起こると、家具やものがありえない動きをします」と辻さん。大きく揺れればエアコンはドスンと落ち、本棚が倒れ、タンスや冷蔵庫は移動を始めます。
「テレビなどの家電も、ゆうに数メートルは飛んできます」(辻さん、以下同)
小さなインテリア小物だって“凶器”に変貌するから固定が必要なのです。
●水道、電気、ガス…など、ライフラインが止まる
ライフライン断絶の可能性は想像できますが、辻さんは「結果、なにが起こるのか具体的に把握して」と言います。
たとえば、断水すると食事や飲み水に困るだけではなく、トイレやお風呂、歯みがきや手洗いもできなくなります。
「しかも、復旧には予想以上に時間がかかります。不便な非日常が何日も続くこともイメージしましょう」
●断水と停電でできなくなること
<断水した場合>
・トイレ
・風呂/シャワー
・歯みがき
・手洗い
・ふき掃除
<停電した場合>
・エアコン
・スマホの充電
・ATM
・エレベーター・エスカレーター
・自動ドア
・冷蔵庫
・IH調理
●地震のあとの通電で火災が起きることも!
大規模地震では火災が起きます。原因として多いのが「通電火災」。
停電が復旧して電気がとおったことで、暖房器具がついて可燃物に着火したり、地震で傷ついた電線から火花が飛んだりして火事になるのです。
「通電火災を避けるため、避難の際はブレーカーをきって」
震度6弱・揺れ対策の有無でこうも変わる!
2018年の「大阪府北部地震」。辻さんの自宅マンションも震度6弱の揺れが襲いました。しかし、キッチンで調味料のボトルが4本倒れただけ。一方、お隣さんは現状復帰に60万円かかるほどの大惨事に。
●キッチン

震度6弱が襲っても、辻さんの家のキッチンでは、調味料のボトルが4本倒れただけでした。

同じマンションの別のお宅では、現状復帰に60万円かかるほどの被害。
●リビング

また、辻さんの家では、リビングにはまったく変化がありませんでした。

しかし、お隣さんの家ではものが倒れてきて、埋もれた住人が骨折してしまうほど。
●寝室

寝室もリビングと同様に、変化のなかった辻さんの家。

お隣さんの家では、ベッドに棚が倒れてとても危険な状態に! 比較すると、対策の有無によって大きく被害に差が出ることがわかりました。
最後に「被災時のダメージを最小限にして、速やかに日常に戻るために行うのが防災なんです」と辻さんは言います。被害を最小限にするための防災をこころがけてみましょう。
