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英国の皆さま、お待たせしました

トヨタ自動車の新型プリウスが、英国で3万7315ポンド(約705万円)から販売されることが明らかになった。当初はSUV人気を理由に英国導入が見送られていたが、ハイブリッド車の需要増から発売が決定した。

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英国仕様のプリウスは、3月4日より注文が可能となり、7月に納車開始が予定されている。カローラやC-HRと並ぶ主力モデルになると期待される。


トヨタ・プリウス(欧州仕様、左ハンドル車)

パワートレインとしては、2.0L 4気筒ガソリンエンジンと電気モーターを使用するPHEV(プラグインハイブリッド車)のみが設定される。合計出力は223psで、先代モデルより約100psアップした。欧州の他の市場では、通常のシリーズパラレル式ハイブリッドも用意されているが、英国には導入されない。

プリウスPHEVは13.6kWhのバッテリーを搭載し、電気のみの航続距離は87km(19インチホイール装着時)と、従来よりも大幅に伸びた。0-100km/h加速は6.7秒で、歴代最速となる。

3万7315ポンドからという価格設定は、同クラスのPHEVのフォルクスワーゲン・ゴルフの3万7040ポンド(約700万円)より若干高いが、電気のみの航続距離はプリウスの方が長い。

新しいデザインと価格、英国人はどう思う?

英国では「デザイン(Design)」と「エクセル(Excel)」の2つのグレードが用意される。

エントリーグレードのデザインには、17インチ・アルミホイール、スモークガラス、7.0インチのデジタル・ドライバー・ディスプレイ、デュアルゾーン・エアコンが標準装備される。上級グレードのエクセルには、19インチ・アルミ、デジタル・バックミラー、電動調整シートが装備され、価格は3万9995ポンド(約755万円)から。


トヨタ・プリウス(欧州仕様、左ハンドル車)

第5世代となる新型プリウスは、2022年11月に発表され、先代と大きく異なるデザインが注目を集めた。TNGAプラットフォームの最新版をベースに、剛性、快適性、安定性を向上させるために大幅な改良が加えられている。

ルーフにはソーラーパネルを装着可能で、年間約1250km分の電力を賄えるというが、英国仕様で設定されるかどうかは未確認だ。

スタイリングとしては、最大ルーフ高を50mm下げることで、よりスマートな外観を目指した。実用性を考慮し、後席のヘッドルームを妨げないよう、ルーフの最も高い位置は後方に移動した。全長は46mm短くなったが、ホイールベースは50mm長くなり、後席のレッグルームが広くなった。

インテリアは、素材の質感とドライバーの快適性にこだわって設計されている。7.0インチのデジタル・ドライバー・ディスプレイは走行中の注意散漫を最小限に抑えるように配置され、ダッシュボード中央には新世代のインフォテインメント・スクリーンが備わっている。

1997年の初代発売以来、プリウスは全世界で約505万台が販売され、累計8200万トン以上のCO2を削減したと言われる。プリウスが開拓したハイブリッド・システムはその後さまざまな進化を経て、多くのトヨタ車に搭載されている。英国では、トヨタの主力モデルはすべてハイブリッド車となっている。

プリウスの英国での販売台数は、トヨタの他のハイブリッド車と比較すると小さなものだという。トヨタの英国部門も新型の発表当時、「消費者の需要はSUVスタイルにシフトしている」として慎重な姿勢を見せていたが、昨年のハイブリッド車とPHEVの市場シェアの増加を背景に、導入へ至った。

プリウスの英国導入の報せを受け、SNSなどでは「価格が高い」という指摘もあるものの、概ね好意的な反応が見られた。