Twitterで削除したはずのツイートやリツイートがなぜか復元されてしまっていると、海外メディアのThe Vergeが報じています。

A Twitter bug is restoring deleted tweets and retweets - including my own - The Verge

https://www.theverge.com/2023/5/22/23732497/twitter-bug-restoring-deleted-tweets-retweets



Deleted tweets are reappearing for some Twitter users | ZDNET

https://www.zdnet.com/article/deleted-twitter-messages-are-reappearing-for-some-users/

The Vergeの記者であるジェームズ・ヴィンセント氏は、2023年5月8日に過去のすべてのツイートを削除したそうです。





しかし、現地時間の2023年5月22日の早朝にヴィンセント氏が自身のTwitterアカウントを確認したところ、削除したはずのリツイートなどがいくつか復元されていることに気づいたそうです。ヴィンセント氏が確認したタイミングでは5月8日以前の「削除したはずのツイート・リツイート」が復元されていたそうですが、記事作成時点でヴィンセント氏のTwitterアカウントの返信欄をチェックしても、5月8日以前のツイートおよびリツイートは確認できません。

勝手に復元されてしまった削除ツイート・リツイートのうち、最も古いものは2020年にヴィンセント氏がリツイートした「ジョージ・フロイドの死に対する抗議運動の様子を撮影した動画」です。

これについてヴィンセント氏は「なぜTwitterは3年前の情報を復元するのでしょうか?そして、プラットフォームがユーザーデータを制御できるとは、一体どうなっているのでしょうか?明らかに何も良いことはありません」と指摘。



なお、削除したはずのツイート・リツイートが復元されていることに気づいたのはヴィンセント氏だけではありません。

MastodonユーザーのDick Morrell氏は「2022年11月にツイートをすべて削除しました。一つ一つ手作業で。次に、Redactを使っていいねやリツイートなどの情報もすべて削除しました。これにより3万8000件のツイートが消えることとなりました。その後、6カ月でわずか5件未満のツイートしか投稿していませんでした。しかし、今朝起きたところTwitterにより削除したはずのツイート3万4000件が復元されていました」と投稿し、削除したはずのツイートが大量に復元されてしまったことを報告しています。



このバグがどの程度広範囲におよぶのか、その原因は一体何なのかは明らかではありません。ツイートの削除に使用されたツールが原因である可能性もあります。ヴィンセント氏はTweetDelete.netを利用してツイートを削除しており、Morrell氏はRedactを使ってツイートを削除したとしています。また、Twitterのサーバーが移動され、誤ってデータが復元されてしまった可能性があると推測する人もいます。

Morrell氏は海外メディアのZDNETに対して、400人以上が削除したツイート・リツイートの復元を経験していると伝えています。The Vergeは従業員に過去に自身のアカウントで削除したツイート・リツイートが復元されていないかを調査させたものの、結果はまちまちで復元されている人もいればそうでない人もいたそうです。

これについてヴィンセント氏は「何が起こっているにせよ、Twitterのインフラが崩壊しつつあり、ユーザーに約束している基本的な機能さえ実現できていないことを改めて証明しています」とコメント。さらに、Twitterでは今でも世界中の活動家、内部告発者、抗議活動家にとって重要なツールであり、「例えばあなたが独裁国家と政治的に対立しているとすれば、自分のツイートを削除する機能は極めて重要なものである可能性があります」と言及し、Twitterのバグを批判しています。