まさかの総理大臣からねぎらいまで…(撮影:南しずか)

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渋野日向子、古江彩佳らが増えてますます盛り上がっている米国女子ツアー。日本勢の動向にも非常に注目だが、なかなか試合以外や海外勢の面白ろ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材している南しずか氏が“気になるネタ"をピックアップ。これを見れば米女子ツアー通になれるかも!
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東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職が次々と明るみに出ている。振り返れば、開催が決まってから色んなゴタゴタがあり、ネガティブな話題が尽きない。
だからといって、もちろんすべてがダメだったわけではない。そんなことを感じられるポジティブな話題も米ツアーで聞くことができた。「インドにおいて(五輪は)ゴルフの普及と認知にバツグンの効果だったの」とアディティ・アショク(インド)が教えてくれた。
東京五輪女子ゴルフ競技で、アショクは4位。稲見萌寧らに一打足りずメダルを逃したものの、初日からずっとメダル争いを繰り広げたことで、母国は大いに盛り上がったという。五輪前後でアショクのTwitterのフォロワー数は約6万人急増。またTwitterを通して、インドのモディ首相から「よく頑張った!」と労らわれた。
反響の大きさを実感する一方で、こうも思っている。「個人的には、欧州ツアーの優勝の方が大事でした。優勝したことで、選手として自信がついたし、世界ランクもグンと上がったし」。23歳のアショクは、米ツアー未勝利ながら、これまでに欧州ツアー3勝をはじめ計5勝を挙げている。
だが、いくら欧米ツアーで奮闘しても、母国では評価されにくい。「私が子供の時は、米女子ツアーがテレビ放映されてなくて。マスターズや男子メジャーは見ることが出来たんですけど。今でも米女子ツアーは、テレビでやってないんじゃないかな?」。米ツアー放映有無の事実確認をしてないが、インドでは五輪で活躍する方が、断然、注目されるのである。
ゴルフがリオ五輪から加わったことで、国を挙げて選手強化を始まった。インド各地のあちこちのゴルフコースでジュニアプログラムが始まり、ジュニアゴルフ大会も新設された。ジュニアの女子ゴルファーも急増中だ。「五輪がなくても、人数は増えていたのですが」とアショクが前置きした上で「私が12歳以下の大会に出てた頃、女子は3、4人でした。今は30人〜40人が出ています」
インドでは、それだけ五輪に夢の価値がある。
東京五輪でインドが獲得したメダルは7個。重量挙げ女子49キロ級で銀メダルを獲得したチャヌサイコム・ミラバイには、生涯分のピザと映画チケットが無償で提供されることになった。アショクはメダルに届かなかったものの、五輪後に「ヒュンダイ自動車インド」と「Radisson Hotels America」という2社と新たなスポンサー契約も結んだ。
アショクは自身の下の世代から見られていることを自覚しているし、自分の活躍が母国の女子ゴルフの発展に貢献できることを願っている。「ただ、今年の自分の結果には、がっかりしています。去年が良かったので、今年は自分自身に期待をしてた部分がありまして。頑張ります」
良くも悪くも、“オリンピック"の存在はとてつもなく大きい。(取材・文:南しずか)

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