大型補強を敢行もビッグマッチでは結果を残せていないシャビのバルサ。(C)Getty Images

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 エルネスト・バルベルデ、キケ・セティエン、ロナルド・クーマン……。2014−15シーズンにチャンピオンズリーグ(CL)を制覇して以来、バルセロナは監督の首を挿げ替えてもヨーロッパで水準に達する戦いを見せることができなかった。

 自らへの批判の盾を探していたジョアン・ラポルタ会長は疑念を抱きながらも、カタールで“研修中”のシャビにその可能性を見出した。しかしシャビが昨年11月に就任して以来、バルサはCLでは6試合で1勝、ヨーロッパリーグでは6試合で2勝だ。切り札がベンチに座っても、浮上のきっかけを掴むことができない。

 シャビはチーム作りには時間が必要なことを訴えた。しかしそれは前述の監督も一様に享受できなかったものであり、おまけに彼は、例えば同じレジェンドであるクーマンとは異なり、出費を惜しまずにチームを強化してもらっている。今夏、バルサは約1億6000万ユーロ(約224億円)を投資して大型補強を連発し、主力の契約延長にも成功したにもかかわらず、CLでの低迷が続いている。

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 審判の判定に憤慨するなど、インテルに敗戦後のシャビは我を失っているように見えた。しかも少し前までバルサはそうした他責思考とは相いれないクラブだったはずだ。その一方で、攻撃がウスマンヌ・デンベレに極端に偏った荒唐無稽さへの言及はなかった。ちなみにその歪さを示すようにそのインテル戦でデンベレは100のボールタッチ数を記録している。

 シャビに求められているのは、サッカーという自身の得意分野で外科医役を果たすこと、ただそれだけだ。彼は昔からフットボールシンポジウムが大好きだった。他の人間が、結果に一喜一憂しているのを尻目に、ボードを前に戦術講義に勤しんだ。ポゼッション、ポジション、3人目の動き……。信条にこだわってきたバルサはスタイルの劣化に歯止めがかからず、そこでそのエッセンスを支えてきた第一人者が招聘された。

 であれば、どのキーを叩けば歯車を好転するのかを考えるのが彼の役目であるはずだ。現役時代のシャビが、監督としてのシャビの下で持ち味を発揮できるか。あるいは監督シャビの戦術が、選手シャビを混乱させているのか。自問自答すべきなのは彼なのだ。
 
 ラフィーニャはなぜこんがらがるのか? ペドリとガビはなぜ調和できないのか? 晩年のセルヒオ・ブスケツに求められるプロテクトとは何か? フレンキー・デ・ヨングの役割は?  アンス・ファティはなぜ離陸しないのか?

 解決策はサッカーそのものにあり、自身を含めたアンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシ、カルレス・プジョールらが君臨した再現不可能な過去へのノスタルジーではない。

「スタイルにこだわるサッカー」と言えば響きはいいが、ジョゼップ・グアルディオラ時代のような圧倒的な優位性を築き上げることができない以上、あらゆるタイプの試合にアジャストする方法を模索することも必要になってくる。
 
 毎年毎年、現実逃避して撃沈するのであれば、スタイルを見直したほうが賢明だ(否定することではない)。バルサブランドの使徒であるグアルディオラは、就任直後にロナウジーニョを追放し、前シーズン、3部でプレーしていたペドロ・ロドリゲスとブスケッツを抜擢し、頂点に立った後も、メッシをFWで起用するなど、常に新機軸を打ち出していた。

 CLの呪縛対策も、サッカー、サッカー、サッカーだ。サッカーだけに集中していればいいのだ。シャビ、それこそあなたの仕事ではなかったのか。ところでシャビのレバーは何なのだろう?

文●ホセ・サマノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

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