【会見全文】立民・枝野幸男氏が代表を辞任 #枝野辞めるな に「政治家冥利に尽き感激」 - BLOGOS編集部
※この記事は2021年11月12日にBLOGOSで公開されたものです
立憲民主党の枝野幸男氏は12日、2017年の立憲民主党の結党から4年以上にわたり務めた代表を辞任した。枝野氏は同日夕、国会内で会見を開き、議席を減らす結果となった総選挙や立民党の新体制、さらには今後の自身の政治活動について語った。
枝野氏はまず、先月の衆院選で立民党が議席を減らす結果となったことについて「はなはだ悔しく、また力不足を申し訳なく思う」と振り返った。共産党との選挙協力に賛否あったことについては、「候補者の一本化と限定的な閣外からの協力だったが、実態以上に近い関係と受け止められてしまった」とコメント。有権者に正確な選挙協力の実態が伝わらなかったことについて、自らの発信の力不足だったと語った。
今月19日に告示・30日投開票のスケジュールで代表選挙がおこなわれる立民党の新代表や新体制については、「総選挙前以上に複雑な連立方程式を解いていかなければならない」と現在の政治状況を表現した上で、「そこを上手くさばいて国民のみなさんの期待を得られるような発信をして進んでいってもらいたい」と期待感を示した。
今後の自身の政治活動について問われると「私はこの間の自民党の総裁候補の誰よりも若い」と強調した上で、全国各地を回り仲間の選挙応援や地元での活動に力を入れ、今後も一議員として精力的に動く考えを明らかにした。
辞任を表明してからTwitter上で「#枝野辞めるな」というハッシュタグが国内のトレンド1位を獲得したことについては、「政治家冥利に尽き、感激してありがたく思っている」と感謝の意を示した。
会見での発言内容全文は以下の通り。
先ほどみなさん、両院議員総会ご覧いただいたと思いますが。正式に代表を退くことのご承認をいただきました。報道のみなさんには旧立憲民主党から数えれば4年あまりお世話になりました。本当にありがとうございました。
両院議員総会でも申し上げました通り、この4年間立憲民主党に集って今回の総選挙を共に闘っていただいたすべてのみなさんが様々な困難を乗り越えて、そして昨年9月に新しい立憲民主党を立ち上げて、そして報道の中には「政権選択選挙」という言葉を使っていただけるような構えまでは作ることができた。4年前の10月の頭の状況を考えれば、自分なりによくここまで持ってこれたなという一定の納得感がありますし、この4年間充実した日々を過ごすことができたことを感謝いたしております。
ただ残念ながら議席という結果につなげられなかったことは、大変残念であり、特にこの間誰よりも汗をかいて合流に向けて、そして合流後は選対委員長として頑張っていただいた平野(博文)さんをはじめとして、多くの仲間が議席を失い、また議席をとれると思っていた新人、元職なども議席をとれなかったということははなはだ悔しく、また力不足を申し訳なく思っております。
両院総会で申しました通り、綱領や基本政策で掲げた旗は決して間違っていなかったし、今回の選挙でそのことが否定をされたものだとは思っていません。
新しい体制のもとでこの間の検証をしっかりしていただいて、まずは来年の参議院選挙、そして再来年の統一自治体選挙、そして間違いなくいずれある総選挙に向けて、この政権の選択肢としての構えを持ちつつ、その中身を充実させて、綱領の実現に向けて進んでいってもらいたいと思っておりますし、私も一議員としてしっかりとその中で努力をしていきたいという風に思っております。
この4年、本当にありがとうございました。
【質疑応答】
記者:フリーランスのミヤザキです。4年1カ月間お疲れさまでした。「野党共闘」という言葉についてお伺いしたいんですけれども。マスコミでも、大学教授とかでもみんな「野党共闘」という言い方をしています。ただ2015年の平和安全法制ができて、その後市民連合といったものもできて、共産党からの呼びかけもあって、2016年の参院選は32ある1人区すべて野党で一本化しましたけれども、その当時から野党の枝野幹事長や岡田代表は「野党共闘」という言い方はしないようにしようと。そして政権を共にしないということはここ5,6年のうち5年くらいはその体制がメインストリームだったんですけれども、枝野代表はこの4年間「野党共闘」という言い方は恐らく1度もされていないかと思います。執行部でそういう言葉は使わないようにしていたのに、マスコミで使われている。それから何と言っても志位委員長が使っていますので、なかなかこの4年間志位さんに対して「野党共闘という言葉はやめてもらえませんか、野党一本化とか統一候補とか言ってもらえませんか」っていうことはなかなか言えなかったんじゃないかと思うんですけど、「野党共闘」という言葉に関しての、マスコミの使い方に関しての思いと、今後この言葉はどういう風に扱われるべきとお考えか。
枝野:ご承知の通り私は一貫して「野党連携」という言葉を使ってまいりました。この言葉の使い方だけに留まらず他の野党との関係についてはかなり緻密に言葉を使い、進めてきたにもかかわらず、それが有権者のみなさんにきちっと伝わらなかったという客観的な事実はあると思っています。それは私自身の力不足だと思っておりまして、きちっと実態通り報道していただき、実態通り有権者に伝わるような努力はさらに必要だと思っています。
記者:「野党共闘」という言葉は、志位委員長に対して使わないでとは言う機会はなかったでしょうか。
枝野:他の政党について、私が今ここで具体的に何を言ったのか、何を言わなかったを含めて、結論として私たちは候補者の一本化と、限定的な閣外からの協力ということは結論であったということであって、そこでは「野党共闘」という言葉も「野党連携」ということもありません。
記者:同じことをもう1回聞かせてください。数は力じゃないけど、ある程度最大野党の方が議席が多いわけですから、そっちの方の言葉に報道なんかは合わせた方がいいんじゃないかと思うんですが、その辺は何度かサジェスチョンされていたと思いますけど改めてどうでしょう。
枝野:報道がどうお伝えになるかということについて、私の立場から申し上げるべきではない。報道が正確に伝えていただけるように努力するのが私たちの立場だと思っています。
記者:日経新聞のヨダです。先ほどありました共産党との「限定的な閣外からの協力」という言葉なんですけど。9月の初めに政策協定を市民連合さんを介して結んだ後、9月末に直接共産党と合意したわけなんですけども。「限定的な閣外の協力」という言葉は与党から言葉尻を捉えて批判の材料になったかと思うんですけれども、今振り返って「限定的な閣外の協力」っていう合意というのは必要不可欠なものであったという風にお考えでしょうか。
枝野:申し上げている通り、閣外協力とは全く違うということを言葉の上でも明確にしたんですが、残念ながらそれを十分に伝えきれなかったということを残念に思っています。
記者:ニコニコのナナオです。いつかお聞きしたいと思っていたんですけども、2020年9月の野党合流を経て、今に至る立憲民主党は2017年に枝野さんが自ら立憲民主党を立ち上げたときに、当時枝野さんが描いた党のイメージと今のイメージは合致しているんでしょうか。
枝野:結党のときにはまさかその選挙で最大野党になるとは夢にも思っていませんでした。したがって第2、第3野党という立場、というか結党のときには自分を含めて生き残れるかどうかという感じでしたので、そういった意味では違います。ただ、政党として選挙を闘った以上はできるだけ多くの議席をとることを目的に闘い、実際に最大野党の議席を与えていただいた以上は、その結党のときの思いと、最大野党としての公器としての役割を両立しなければならないという新たな責任が加わった。この2つの責任を結党のときのご支持いただいたみなさんへの約束と、所信ですね、それから最大野党の公器としての責任を両立させるための4年間。努力をしてまいりました。それをどう受け止められるか、特に最大野党になる前の段階から当時の立憲民主党をご支持いただいた方にご評価いただくしかないと。私としては両立はさせる責任がある。それができるために最大限やってきたというのが思いです。
記者:SNSについてお聞きします。3.11のときはハッシュタグ「#枝野寝ろ」で当時官房長官を務めた枝野さんへの応援が非常に大きかった。2017年の希望の党の排除への反発から、SNS上でハッシュタグ「#枝野立て」でメッセージが広がりました。今回の辞任表明で、様々な意見がありました。しかしTwitter上ではハッシュタグ「#枝野辞めるな」が国内のトレンドで1位になっております。そうしたネットの声についてお願いします。
枝野:ネットの声も真摯に声を上げていただく方と、そうでない方もいらっしゃいますのでしっかりと見極めなければいけないと思っています。そういった意味では今回「辞めるな」というハッシュタグのもとでのご意見も、本心から思っていただいてやっていらっしゃる方とそうでない方がいることも承知しておりますので、こういう選挙の結果を受けて辞めるに当たって、そういう声を上げていただける方が有権者の中に一定いるということは政治家冥利に尽きると、感激をしてありがたく思っています。
記者:日本農業新聞のキデラと申します。農業関連で2点お願いします。枝野代表は個別所得補償制度の復活などを選挙でも掲げられていましたが、生産現場では一定の支持を得られたとお考えでしょうか。
枝野:政治的に答えるならば「当然そうです」と答えるべきなのかもしれませんが、それこそ科学的に分析すべきだと思っていてですね。有権者がどういう視点で投票されたのか。つまりこれを争点と思って立憲民主党に入れていただいた方がどれくらいいらっしゃるのかとかは、きちんと科学的に分析しなければいけないと思っていますので、これは私としても暫定残務処理執行部にもできるだけ科学的な分析を客観的にできることはやった上で、新執行部に引き継いでほしいとお願いをしてありますし、また実際に今のことについての結果が出せるような調査になるかどうかは分かりませんけど、少なくともそういったデータを揃えた上でないと、印象だけで語ってはいけないことだと思っています。
記者:新代表が選出されるんですが、新代表に農政で望むことについて教えてもらえますでしょうか。
枝野:我が党の個別所得補償制度をはじめとした農業政策というのは色んなそれぞれの我が党に所属している議員の長年の積み重ねの中で、大きな異論なく集約されて、今回の選挙で掲げていると私は認識していますので。しっかりその線を発展させていっていただくことが、選挙に向けてということよりも日本の未来に向けて重要なことだと私は確信しています。
記者:朝日新聞のヨシカワです。共産党などとの野党の連携について、限定的な閣外からの協力ということを打ち出したことや、候補者を一本化して闘ったこと、こういった戦略を全体として今どういう風に評価しているか。
枝野:最終的には化学的な分析をもとにして新執行部でしていただきたいと思っておりますが、ここまで出ている具体的なデータからすれば、やはり実際に小選挙区の当選者の数はどうやら増えているようですし、大変な接戦に持ち込み、なおかつその接戦も最後自民党が最後相当頑張って票を掘り起こした中で接戦になっているということは、少なくとも今回の選挙での小選挙区での闘いにはかなり大きな意義があったと思っておりますし。あえて申し上げればこの大きな方向性について、今回の選挙で違う選択肢をとりようがなかったと思っておりますので、この方向性を選択したことについて、後悔はありません。
記者:次の代表にも同じような方向性を求めていくか。
枝野:先述論としては先ほど申し上げました通り、実態以上に近い関係と受け止められてしまったのは間違いないと思っています。それは色んな事情がありますが、最終的には我々の発信の問題であると思っておりますので、実態通りに有権者に受け止めていただけるようにどう伝えられるように、他党や市民団体との関係もありますので、そことの調整をきちっとして、誤解なく伝えられるような努力は必要だと。それは十分でなかった。というのは私の力不足だったと思います。
記者:先ほどの両院議員総会で選挙の結果について、私の選挙戦術ということに加えて、そこに至る党運営の力不足ということも挙げられましたけれども、これはどういうことを念頭に置かれているのかお聞かせください。
枝野:自分なりにはベストを尽くせたと思っておりますが、例えば地方組織の充実であるとか、自治体議員の仲間をもっと増やすということ。特に合流からは1年しかありませんでしたが、この4年間をトータルで考えれば、そういったところにもっと私に力があって、例えば自治体議員の数が今よりも300人、400人多ければ競ったところの結論が大分違ってた可能性はあるのではないかという風に思っています。一例ですが党運営全体の力不足というのはそうした種類のことを申し上げています。
記者:毎日新聞のタドコロです。一本化自体についての意義をお答えいただきましたけれども、限定的な閣外からの協力について、先ほどの日経さんの質問の答えではやり方自体は良かったという趣旨かと思うんですけど、言葉自体を別の表現にする余地はなかった?
枝野:他党との関係に絡むことですので。外に申し上げる話ではないと思っています。正確に伝わればきちっとご理解いただける言葉にはできたと思っていますが、正確に伝わりにくかったという客観的事実は認識しています。
記者:一本化に関連して、4年前の旧立憲民主党を作る以前、2015年の安保法制のときから、政党の外のSEALSですとか、市民連合から野党の選挙協力を求められてきましたけれども、今回の一本化で今までの市民の要望にはある程度答えられたと評価していますか。
枝野:市民連合に代表されるみなさんの声というのは、この間の野党間の連携の1つの後押しだったと思っていますが、私はこの間繰り返し申し上げてきた通り、日本の選挙制度が、衆議院の首班指名に優越権を持つ衆議院の選挙制度が小選挙区が軸の選挙制度である以上は、2つの政治勢力で競い合うということを想定している選挙制度であると。したがってその政権をとろうとする勢力がしっかりと連携するということが選挙制度から必然的に求められるということは、私のこの問題に対する基本的な認識です。
記者:NHKのナミキと申します。先ほどから共産党との関係に関する質問が相次いでいると思うんですけど。一方で連合との関係に関して、連合会長を選挙戦中にも共産党との関係についてはクギを刺す発言もあったかと思います。今後連合との関係というのは、これまでの関係をどう評価するか、今後どうあるべきかとお考えでしょうか。
枝野:今回の選挙までに至る様々な我が党の行動については、その時点時点で、連合の執行部のみなさんにはきちっとご理解いただいた中で選挙戦を闘うことができましたし、全国各地で連合のみなさんの一体となった応援をいただいて、そのことで当選した仲間がたくさんいるということで、連合のみなさんには感謝しています。
記者:国民民主党との関係なんですけど。当初の合流の経緯からして、一部新しく国民民主党を立ち上げられたわけですけど、国民民主党との関係、合流を目指すべきなのか、そういったところのお考えは。
枝野:今後の関係などについては、辞めた代表がこれから新しい代表を選ぶのに何か申し上げるべきではないと思っています。
記者:国民民主党が一部残ってしまったことについての評価は。
枝野:それぞれの政治家のみなさんの判断ですから。私は先ほど申しました通り、今の選挙制度をとっている限りは、一定の幅の中で1つの政党であるべきだし、違いがあっても共有できる部分で共有して、できるだけ1対1の構図を作るということが選挙制度から要請されると私は思っていますが、それはそれぞれの政治家の判断ですので。
記者:代表選の論戦で期待すること、新代表に期待すること。あとご自身の政治活動はどうしていくのか。
枝野:次の執行部は、私が申し上げるまでもなく、この選挙の前以上に複雑な連立方程式を解いていかなければならない。その複雑さは増していると思っておりますが、いずれにしても常に複雑な連立方程式の中で政治って動いていくので。そこを上手くさばいて国民のみなさんの期待を得られるような発信をして進んでいってもらいたいということに尽きます。
私自身はときどき強調しておりました通り、この間の自民党の総裁候補の誰よりも若うございます。特にこの4年間、得難い貴重な経験をさせていただきましたので、両院総会でも申し上げましたが、私お役に立つことがあれば、全国各地、身軽な立場になりましたので、コロナがこういう状況であれば、この2年分、仲間の応援になるようなことがあればやっていきたいと思っていますし、4年選挙区に帰らないと、都市近郊で地方の従来型の個人後援会型の選挙は通用しないところだと思っているので、そういった意味では地元活動を4年分を1年くらいで取り返したいなと思っています。
記者:東京新聞の大野です。抽象的な質問2点お願いいたします。結党当時から代表は、ボトムアップの政治を訴えてこられたと思います。この理想どこまで達成できたか。著書の「枝野ビジョン」ではご自身が総理大臣として具体的にどんな社会を実現したいかとか、理念などを書かれたと思います。総理大臣を目指してこられた思いに変化や思うところがおありでしたら、お聞かせください。
枝野:1点目は、ボトムアップは完成形があるとは思っていません。あえて残念だったのは、私が言っているボトムアップは党内の、国会議員の中のボトムとかそんな話では全くないので、有権者、国民の中で政治に声が届けにくい、届けられない、あるいは政治に声を届けなければいけないんだという意識すら持っていない。そういう人たちの声に寄り添うのが我々の立場なんです、という意味です。これは一貫してそういう趣旨だと申し上げてきています。コロナがあって、コロナでオンラインであったがゆえに何度も演説その他で繰り返した通り、「政治に私たちが見えていますか」という声を聞くことができました。
ネット、オンラインだからできた部分もありますが、トータルで見ると我々が聞かなければならない、聞きたいと思っていた声を受け止めにくいコロナの状況があったということは残念に思っていますが。不断にやっていく、「完成形があってこういうモデルを作ればボトムアップなんだ」ではなくて、常に政治に直接参加する議員や候補者が、届いていない声をどう受け止めていくのかということをやり続けるということだと思っていますので。まさに道半ばだと思っています。
2つ目の方は誘導尋問的で難しい。どう答えたらいいか分かりませんけれども。私がこの春出した本で示したビジョンは、昨年の9月にみんなで合意して作られた綱領を解説したものだと思っていますので。どちらにしてもその綱領を掲げて政権を目指していくということの中で、総理大臣はなりたくてなれるものではないと思っていますので。少なくとも今はそれを支える立場で1日も早く政権を奪って、綱領で掲げ、「枝野ビジョン」という本で解説をした社会に近づけるように最大限の努力をしたいと思っています。
記者:朝日新聞のミナミと申します。4年前の10月に結党してからボトムアップの民主主義、草の根からの民主主義ということを掲げてやってきたわけですけど、4年間こだわり続けたことはどんなことがあったのかという点と。1人で立ち上げられたわけですけど、立憲民主党という存在が日本の政治史においてどういう意味を持つか。2点お願いします。
枝野:図らずも早い段階で第一党になってしまったので、政権の選択肢になる公器の役割をすぐに背負わなくてはならなくなったというのは正直言って想定外だったです。公器としての役割と、結党のときからずっとこだわっている、政治の内側を向くんではなく外側を向く。そして有権者のあえて申し上げればノイジーマイノリティーではなくて、サイレントマジョリティー、声を出せない人たちの声にこちらから入っていく。そこのところは両立させるのは実は難しい問題でしたが、なんとか片方に偏りすぎずに4年間ハンドリングができたんではないかという風に思っていますので、今後のことについても各地で仲間と協力させてもらって、それぞれの地域で政治に届きにくいみなさんの声や現場を見させていただくようなところに呼んでいただければありがたいという風に思っています。
まだ評価は早いんじゃないですか。これから10年、20年経って、これからの歩みの中で結果的に評価を受けることになるのかなと思っているので。少なくとも4年前の結党云々を今評価する段階は早すぎると思います。
記者:野党一本化、2016年の参院選で民主党の幹事長のときから始められて、17年の衆院選はあまり上手くいきませんでしたけど、19年参院選、今回と進んできたわけですけど、そのことが日本の政治史に与える意味とか、今後影響を与えていくかということについてどうでしょうか。
枝野:この選挙制度をとっている限りは、制度の要求だと思っているので。いいとか悪いとか、好きとか嫌いとかじゃない。でないと永久政権的な構図になってしまう選挙制度なのだということが、少なくともこの選挙制度をとっている15年くらいではっきりしていると思うので。今のところ選挙制度そのものを見直すべきだというのが大きなうねりだと思っていませんので、いい悪いとかっていう話ではないと思っているので。
記者:枝野さんは4年前から経済政策についてのボトムアップということを言われてきたけれど、どうしても世間から見た場合、立憲民主党の経済政策というところは弱いということを言われ続けたところがあったと思います。今回の衆院選を通してその辺の訴えというのはどこまで浸透したと思われますか。
枝野:なかなか伝わらないというじれったさを感じながらずっとやってきていますし、そこは自信を持って私は思っているんですが、歴史の必然だと思っているので、従来型のいわゆる製造業を中心とした規格大量生産で経済が成長すると。供給サイドを改革すれば経済は成長するというのは、どの国であっても先進国では行き詰まっていて、その行き詰まりを解決するには違うアプローチをせざるを得ない。だから僕は歴史的な必然だと思っているので、これは目の前の選挙1個1個でどれくらい理解していただけるかということ以上に、言い続けなければならないことであるし。それをいかに早く分かりやすく伝えることができるかというのが、逆に言えばどれくらい早く政権にたどり着けるかということにつながるんじゃないかと。そこの1つの大きな要素であると思っています。
記者:今回の選挙戦通じて、どの辺が伝えていく上での改善点だと思いますか。
枝野:あえて言うと構造の話をしているんですよね。我々は当然の前提にしていた、実際に高度経済成長まで実現してきた100年レベルで進んできた構造の限界について私たちは問い質しているわけなので。一方で有権者のみなさんは当然のことながら、メディアのみなさんも目の前の課題をどう解決するのか。これは当然我々もやらなきゃならないこと。今回で言えば、昨日自分のTwitterでも書いたんですが、コロナに対応して短期的にやらなければならない政策と、経済のあるべき論としての中長期的に目指す構造とが実は食い違って見える。そういう側面がどうしても出てしまうと。ここをどう乗り越えていくのかということでないと、そこが課題かなという風に思っています。
記者:フリーの横田です。今日の東京新聞にも出ていたんですが、共産党を含む野党連携を見直して、改革中道勢力結集をという意見が出ているんですが。維新、国民民主党を想定しているんじゃないかと思うんですが、選挙が終わったら自民党以上に前のめりの両党を改革中道政党と呼ぶことについてどう思われるのかということと、何回も繰り返しておっしゃっているこの衆院議員の選挙制度からすると、共産党を含む野党連携は当たり前のことだと。政権公開には他の手段はないということからすると、明らかに非現実的なおかしな論だと思うんですが、枝野代表のお考えをお伺いしたい。
枝野:まず1点目については、報道でどなたがどういう風に明確にどこかで基幹的決定されたとかっていう話じゃないことについて、しかも他党に絡むことについて申し上げるような政治を変えないといけないと思っています。後者について私そんなこと申し上げていません。選挙制度の構造から1対1の構造を目指していかなければならないということを申し上げたので、どこか特定の党との特定の関係については何も申し上げていないので、そういうところで正確な報道をぜひしていただきたいという風にお願いします。
記者:野党連携が不十分ではなかったかという思いはないんでしょうか。例えば山本太郎代表が東京8区から出馬表明して撤回したことについて、かなり冷たい突き放すような発言をしたこととか、志位委員長とツーショット写真を撮ることを避けたこととか、野党連合をやるならもっと本気を全面に出して反共攻撃に対してもどんどん4人並んで会見をするとか、反論の発信が不十分。やる気が不十分と見られたという思いはないんでしょうか。
枝野:色んな見方、色んな評価あるんだろうと思っていますが。私は1番強く感じているのは、決して閣外協力だなんてやっていないし、1つの政権を作るわけではないと。あくまでも限定的に閣外から協力をいただくということにすぎないのに、それ以上に近い関係だという印象を与えてしまったという力不足。それが最大の反省点です。
決して1つの政権を作るわけでもないし、もちろん閣内でもないし、政権そのものに直接コミットするわけでもないにもかかわらず、あたかもそれらが前提であるかのように受け止められてしまった力不足。それが最大の反省点です。
記者:山本太郎代表の出馬表明と撤回に関する…
枝野:他党との関係の細かいことについては、色んな経緯の中で出てきていることでありますので、コメントするべきことではないと思っています。
記者:立民の評判を落としたという反省はないんですか。
枝野:個別の色んな経緯については、それぞれの党にそれぞれの事情がある中でベストを尽くしてまいりました。
記者:IWJのワタライです。よろしくお願いします。今回の衆議院選挙の結果の責任をとる形で代表辞任とのことでありますけれども、立憲民主党の得票数を見ますと2017年選挙では1108万4890票から、今回の2021年選挙では1149万1997票と、40万票増えております。また2014年、民主党時代は得票で977万票でしたから、200万票近く得票を伸ばしたことになります。得票率でも2014年は18.33%、2017年と比較しますと若干ではありますが19.88%から、20.00%と増えております。
減らした議席も14(議席)で、15議席の自民党より少ない。なのに岸田総理は国民から信任を得たと胸を張っているのに、立憲の枝野さんはマスメディアから総攻撃されて責任を過剰に痛感している気がします。事前の予想で立憲の議席増を勝手に予想しておいて、それが外れたからとバッシングするマスコミの身勝手さに過剰にお付き合いして、辞任する必要があるのでしょうか。また今回の選挙では意図的に隠されていましたが、本質的な争点は緊急事態条項を核とする自民党4項目の改憲か、その改憲案に反対かであったことは明らかです。
そこから考えますと、来夏の参院選挙はこの国の命運を懸けた一大決戦となることは明らかです。立憲民主党は野党第一党として、緊急事態条項を核とする自民党改憲案4項目に反対する改憲反対派として、この国の市民、国民に対して重大な責任を負っているのではないでしょうか。改憲がおこなわれ自民党案の制限も解除規定もない、内閣の独裁を半永久かする緊急事態条項により民主制自体が規制されることは明白です。このような状況下では野党第一党の代表に誰が付くかは、一党内の人事の問題では済まない国民的な重大事ではないでしょうか。すでに後継の代表選に名乗りを上げた人物の中には、自民党より改憲に貪欲な姿勢を見せる維新と寄り添うような発言をしている小川淳也議員のような方もいらっしゃいます。
この代表人事を誤れば、この国の未来を危うくする。そのような視点で考えなければ立憲民主党は分裂しかねず、結果として改憲派を利することになりかねないと思います。代表選にご自身も出馬されるか、自民党総裁選で安倍元総理が高市早苗氏を支持したように、ご自身後継の候補として相応しいと思う人物を指名、支持するか、またそうした際に緊急事態条項は絶対に許さないと、この問題を焦点に据えて野党共闘で闘うことを後継者の条件として提示するとか、枝野さんのお考えをお伺いしたいと思います。
枝野:申し訳ありませんが、後段はあなた様のご意見だと思います。記者会見というのはあなた様のご意見を聞かせていただいて、それに対して、むしろそれをそうすべきだということに対するお答えをする場ではない。ここの記者会見のあり方は、4年やらせていただいて、次の執行部には引き継ぎたいと思います。考え直さないといけないと。
あくまでも中立的立場の報道機関のみなさんに対して、説明をする場だと私は思っております。それを通じたあなた様も含めて、国民有権者のみなさんが色んなことを判断されるとか。そういったことはあってもいいと思いますが。実態としては中立ではないとかこちらの思いはありますが、一応中立的な立場を前提とする報道機関のみなさんに対する会見と、それでないご意見に対してコメントをしろという話とを一緒にするのは避けなければならないと思っていますので、申し訳ありませんが、本質的な問題として、次の執行部にそこの見直しを引き継ぎたいと思っておりますのでお答えを申し上げません。
記者:誤解があるようなんですけれども、私は私の意見を申し上げているわけではありません。私どものメディアは常に市民から色々な要請やご意見を頂戴しています。その事実に基づいて総合的に私どもの中で判断しまして、これはやはり野党第一党の方にお伺いするのが筋ではないかという風に考えた上でこのようにしているわけです。
枝野:そういう意見の方がいらっしゃるのは分かるし、あなた様の報道機関としての社論として、新聞社でも社説では私たちの考え方と180度違う社説を載せていらっしゃる方もいらっしゃいますが、そういう社の方もこういった場では中立性という立場に立った前提での質問をみなさんしていただいています。
記者会見というのは私はそういう場だと思っておりますので、そこを整理しないと記者会見が混乱すると思っておりますので、そういったことの本質は次の執行部で検討していただきたいと思っておりますし、私は今の前提そのものが、そもそも選挙の争点はあなた様が決めることでもなく、トータルとしての総有権者が決めることであって、今回の争点ではなかったというのは間違いない。次の選挙の争点が何になるかも、その時点での総有権者が判断することだと思っています。
記者:承知しました。「中立」ということについては、改めてご見解をお伺いしたいと思います。
枝野:次の執行部が考えると思います。
記者:フリーランスの宮崎です。客観的にお伺いしたいんですが。野党一本化路線に関して、不思議なことだと思うんですが、2016年以降、最大野党の党内民主主義の手続きの中で全議員が話し合って過半数をとるということがなかったと思うんです。参院選や衆院選もありましたし、2017年の代表選はそういう話じゃなかったような気もしますし。不思議だなと思うんですが、国政選挙があったからそれでいいのか、あるいは枝野前代表としても「確かにそうでしたね」と共有していただけますか。去年の9月の泉(健太)さんと枝野さんのときにはなったという認識?どうでしょうか。
枝野:なってません。なぜならば論点じゃないですから。私と同じ理由、認識かどうかは別としても、できるだけ小選挙区制度では一騎打ちの構造を作るのが望ましいと。ただし政党ごとに違いがありますから、違いを前提とした中でどこまでできるのかということについて、相手もあることの中で、今回は実体としてはきちっと共産党さんと我々との違いを前提にして、例えば立憲民主党やその潜在的支持者の中で共産党に対して否定的な考え方の方であっても理解いただける実態は整えたと思っていますが、その実態を実態通り伝えられなかったということについては力不足を感じています。ただこれ、相手のあることですのでどこでどういった折り合いが付けられるのか。それが我々として許容できるギリギリ限界はどこなのかということについては、右か左かという路線と違う政治の技術の問題だと思っていますので、争点にならないのが当然だと思っています。
記者:枝野議員としては、今月初めて争点の話し合いになるという。
枝野:多分ならないんじゃないですか。私が承知している限りでは、党内は私の認識とほぼ一致していると思っています。相手のあることの中で、ここまでやらなきゃいけないんだったらそれは無理だね、とか。ここまでだったらできるな、とか。それはその都度の政治状況と相手のあることの中でギリギリの限界を模索していくと。そのことをどう正確に伝えていくのかが大事だよねと。こういう認識、そんなにズレはないと思いますよ。党内で。
記者:京都府連の方だけ少しニュアンスが違うことがあったように思いますが。
枝野:それは地域によって今回の他の政党との連携についても、例えば国民民主党さんとも120%ガチッとやれたところと、そうでなかったところあるように、それは地域ごと、選挙区ごと色んな事情があるのは当然のことで、京都で共産党と連携なんていうのは全くできないというのはお互いに納得ずくだと思っています。
記者:朝日新聞のミナミです。さきほどの記者会見のあり方の点で1個だけ確認をしたいんですけど。「中立性」という言葉はかなり恣意的な、解釈の幅がありうるものだと思うんです。もちろん記者会見のあり方自体は、メディアも含め、こっちも努力しなければいけないところはあるんですけど。先ほど「引き継ぎ」という中に、ネットメディアであったり、フリーランスの人を含めて排除するということはないのか、明確にしていただけますか。
枝野:「排除する」とかいうことではなくて、記者会見というのはどういう場なのかと。もちろん色んな意見の方、こういう意見の人もあるけどどうですかというのは当然ありうるとは思うんですが、それを延々とお話いただく場ではないのは間違いないと思っておりますので、他の記者さんが迷惑しているという声をたくさん聞いてもおりますし。
私もミニ集会かなんかで意見をお聞きするのは当然聞いていかなきゃならないです。それは記者会見の場ではないなと思うので、そういう整理はきちっとしないと。現場の記者さんが困っているのを4年間聞いてきましたので。そこはなんとか整理できればということを引き継ぎたい。
記者:フリーランスのヨコタです。はっきり言って記者差別、排除につながる問題発言だと思うんですが、(質問の)時間が長ければ何分以内にするとか注意すればいい程度の話を、代表を辞めるときの引き継ぎ事項として投げかけるのはいかがなものかと。排除発言から生まれた立憲民主党の代表とは思えない暴言だと思うんですが、撤回なさるお考えはないんでしょうか。
枝野:ですから引き継ぎ事項なんです。決定権を持っていない私が、問題意識を次の執行部にお伝えするので、どういう判断をされるかは次の執行部だと思っていますが。
記者:文書で示していただけますか?具体的にどういう問題があって、どういう弊害があったから、そういう申し伝えをするんだと。具体的に根拠もないままに今のIWJの質問だけで。
枝野:先ほどのご発言は完全に、ご自身やご自身に託されたご意見の開陳の部分が圧倒的に長くて、同じことをお聞きになって、私の見解を聞きたいのであれば全く1分で済む話だったと思います。
記者:だったら事前に注意して「今後は控えるように」でそれで済む話。
枝野:毎回それに対するいら立ちはお示しをしてまいりましたが、代表を離れるのではっきりと申し上げただけです。
記者:フリーランスの堀田です。辞める何カ月前というのは会見を毎日のように政権とったらどうするということがありましたけど、2017年に立憲民主党ができてから枝野代表の会見というのは月に1回でしたよね。その他に地方に行くとか、そういうときにぶら下がりがあるからということで、枝野さん言っていましたけども、今後枝野さんの考えとしては、色んなことが正確に伝わらないということなんかもありましたけど、会見が少ないということがその原因だといえるとは思われませんか。
枝野:1つの見方としてそれはありうると思っているけど。私はこうしたけど、それに縛られないでいいですよと。あえてそこまで言う必要があるかどうかは別として、私はこのやり方で4年間やってみた。選挙とか必要に応じて頻度を上げていけばいいというやり方で考えましたし、できるだけ我が党、多士済々、執行部の中だけでも従来からいましたので。色んなメンバーが発信をさせていただくことが大事だと判断してやってきましたが、これが絶対だとは思っているわけではないので。次の執行部がどういう判断をするか。そこはフリーで考えてくださいと、実質的には直接的にいうかは別として、坂上さんから伝えていただけると思います。
記者:要するに月に1回で、枝野さんが色んなところに行った後でぶら下がりをやるということも私どもも知っていますけど、はっきり言って大手マスコミのように金がないもんですから、全部ついていけません。それは我々の努力がいけないんですよね。金がないということは正直言って我々がいけないんですけど、そういうのを補うために次の代表には毎週会見をやってくださるようにとかいうことを言っていただくわけにはいきませんか。
枝野:そういう声もあるし、私もこれが絶対だと思ってやってきたわけでは必ずしもありません。頻度が多い場合、少ない場合とプラスマイナス両面ある中で1つの判断でした。それが正しかったかどうか、絶対正しかったとは必ずしも思っていません。ですのでフリーに考えてほしいと。実際にそういう声もいただいたということは事務的には次の執行部に伝えてもらえると思います。
