乳幼児の肺炎引き起こす「RSウイルス」、患者急増…重症化リスクも・流行の原因不明

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 乳幼児の肺炎などにつながる感染症「RSウイルス」の患者が急増している。

 国立感染症研究所(感染研)によると、5月30日までの1週間で、1医療機関あたりの患者数は2・49人で前々週の2・5倍だ。現行方式で公表を始めた2018年以降で最多の19年9月(3・45人)に近づく勢いで、この時期の流行は珍しい。

 感染研によると、全国約3000の小児科が報告した1医療機関あたりの患者数は、前週は1・82人、前々週1人と、5月の急増ぶりが目立つ。地域別では、5月24〜30日で最も多いのは山口で11・04人、続いて奈良10・65人、石川8・1人だった。このほか、大分5・17人、山形5・1人など各地に広がっている。

 RSウイルスは、患者のせきやくしゃみ、鼻汁などから感染する。肺炎や気管支炎を起こすこともある。幼児期以降は軽い風邪症状ですむことが多いが、早産児や6か月未満の乳児は重症化しやすい。治療薬やワクチンはない。

 例年は秋から冬に流行する。今の時期に急拡大している理由はわかっていない。新型コロナウイルスの感染対策で多くの感染症が減少する中で、なぜ流行しているかも不明だ。

 慈恵医大の浦島充佳教授(予防医学)は「家族に風邪の症状があれば、乳幼児に近づけず、手洗いや換気を含めた感染対策を徹底してほしい」と話す。