本当にあったら嬉しくなること間違いなしなフラワーキャンディー/制作・写真提供/みすみともこ

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大人のコレクターズアイテムとして人気を集めるミニチュアアート。その中には、独自の世界観を描いてミニチュアで表現する人もいる。今回は独自のかわいい世界を確立させているミニチュアフード作家・みすみともこさんにインタビュー。日々進化を続ける作品への思いを語ってもらった。

【写真】透明感がすごい…海外から好反響のアイスバーほか、キュートな作品コレクション

■透明感のある作品に海外からも大反響!こだわりは自分の個性を込めること

ーーミニチュアを作り始めたのはいつからですか?

【みすみともこ】20数年前です。テレビで初めてドールハウスを見たときに感激して、独学で和菓子屋さんを作りました。そこからブランクを経て、10年くらい前からフードを中心としたミニチュア作りを再開しました。

ーー作り始めてから20年、本格始動してから10年。長きにわたりミニチュアを制作してきたとのことですが、これまで発表した作品の中で最も反響があったのはどんな作品ですか?

【みすみともこ】アニマルアイスバーの作品です。アイスバーのパッケージが透明で、しかも顔がついているというのがおもしろかったようで、特に海外の方からの人気が大きかったです。最近では、フラワーキャンディーの作品や夏色飴の作品も反響がありました。レジンを使った透明感のある作品が好まれているようです。

ーーフラワーキャンディーや夏色飴の作品は、まさにみすみさんの世界観が溢れているなと感じる作品なので納得です。制作時はどのようなことにこだわっていますか?

【みすみともこ】ただ小さいものを作るのではなく、自分の個性をミニチュア作品に込めることですかね。技術的なことはもちろんですが、それ以上にワクワクするような作品であることを大切にしています。

■ミニチュア制作の難しさは「ありそうでないものを作ること」

ーーSNSを見るといろんなミニチュア作品がありますが、みすみさんがミニチュアの中でもスイーツや手土産を題材にされているのはなぜですか?

【みすみともこ】1番の理由は、私が食べることが好きで、中でも甘いものが大好きだからです。かわいいものを見つけると、ついミニチュアにしたくなるというのもあります。創作意欲が湧いた瞬間からすぐに取りかかれるという気軽さは、ミニチュアの魅力のひとつですね。

ーー食べ物単体だけでなくパッケージや入れ物も目を引く印象です。

【みすみともこ】もともとグラフィックデザインをやっていたこともあって、私の中ではミニチュアとパッケージは常にセットになっています。「これはどんな箱に入れようか?」「こんなパッケージのお菓子があったら楽しいな」とあれこれ想像しながら作るのは楽しいですよ。

ーーミニチュア制作で難しい部分ってどんなところでしょうか?

【みすみともこ】逆に簡単な作業というものがありませんね。作れば作るほど粗が見えてきてミニチュア制作の奥深さを感じさせられます。例えば、パッケージデザインの場合は、小さなサイズで見栄えするようなデザインになるような工夫をしています。

「こんなデザインだったらいいな」という架空のものを作りますが、あまりにも現実離れすると何を作ったのかわからなくなってしまいますから、「ありそうでない」という微妙なところをデザインするということも気をつけているポイントです。

■ワクワクできる世界が魅力

ーーこれまで制作したミニチュア作品の中で、みすみさんが個人的にお気に入りの作品はどれでしょう?

【みすみともこ】サンタブーツやクリスマスケーキはパッケージデザインも含めて気に入っています。あと、わっぱ弁当やおせち料理はとても時間をかけて作ったので特別な存在です。

おせち料理に関しては、2017年に6分の1サイズ、2018年に8分の1サイズ、2019年に12分の1サイズを全く同じデザインで作りました。3年にわたって作ったおせちを並べて撮影することができて、とても嬉しかったです。

ーー同じおせちの作品でも、並べてみるとさらに小さくなっているのがわかりますね。お写真を撮るときに気をつけていることはありますか?

【みすみともこ】ミニチュアだけを撮ると、どれくらいのサイズかということが伝わりづらいので、手を添えるようにしています。

あとは、なるべく同じような写真にならないように背景に本物を置いてミニチュアと比較したり、季節のお花を使うようにしています。

ーーなるほど。ずばり、みすみさんにとって、ミニチュアの魅力とは何ですか?

【みすみともこ】指先に乗るほどのサイズで、自分の個性を十分に表現できるところですね。サイズはミニチュアですが、私にとっては大きな存在です。

ーー今後の目標、これからの活動予定などを教えてください。

【みすみともこ】新型コロナの影響で今は難しいですが、落ち着いたら作品展やワークショップをしたいと考えています。それまでは、いろんな道具や材料を試して、作品の幅を増やしていきたいです。ミニチュアは、現実とは別の夢の世界です。見ているだけでワクワクできます!ミニチュア作家さんによってその世界観はさまざまなのも楽しいポイントです。ぜひ覗いてみてくださいね!

(文・於ありさ)