敬老会で歌う橋幸夫(画像は『hashiyukio/橋幸夫 2017年9月15日付Twitter「昨日は静岡県御殿場市にて敬老会のイベントでした。」』のスクリーンショット)

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歌手の橋幸夫(74)が9月22日放送のバラエティ番組『バイキング』(フジテレビ系)にゲスト出演した。この日は「迫る衆議院解散総選挙」をテーマに自民党・片山さつき議員と民進党・大塚耕平議員を迎えて、ジャーナリスト・鈴木哲夫氏や東国原英夫氏そして橋幸夫を交え緊急生討論を行った。

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ほぼ2時間にわたり熱い討論が繰り広げられたなか、橋幸夫が主張した概要は次のようなものだ。

■このタイミングでの衆議院解散について
「政治にあまり詳しくない人は今やる意義を分からぬうちに投票日を迎えてしまうかもしれない。北朝鮮の脅威もあり緊迫した状況で衆議院が解散して国民はどの党を選べばいいのか非常に迷う。そうしたなかで突然やるのは国民に対して不親切に感じる。」
「今はミサイル対策や地震災害などやらねばならない問題が山積みしていると思う。」

■北朝鮮情勢について
「ミサイル、原爆、水爆そしてそれを防衛するためのミサイル装備と全て地球破壊につながる根本問題だ。政治家を含めて全人類が地球次元の考え方をなぜしないのか。地球が泣いている、ミサイルが海に落ちただけですごく汚染されている。このまま放っておくのは我々人間に死ねと言っているようなものだ。」

橋は“核”が“地球破壊”につながることを特に強く主張しており、前回の選挙で民進党の知っている議員に電話したエピソードを話した。選挙の公約に誰も東日本大震災の問題を掲げていなかったので「今こそ原発廃止論であの汚染の対策を国家レベルでやるべきだ。それを争点にできないか」と訴えたが、1つも触れられず「誰のため何のためにやっているのか本当に残念だった」という。

さらに現在の北朝鮮に絡む世界情勢を「このままでは核保有国が増える一方、皆が和解するしかない。命がけで核を持った国が集まって北朝鮮のトップと話し合い、“もう止めよう、我々も核を減らす”といった人類の会話が何もない。人類の危機ですよ」「国民はそう思っていても利害があるから言えない。それでも後の子に地球を残すためにその争点でやらなければ」と熱く説いた。

やがて話題は衆議院解散総選挙へと戻る。鈴木哲夫氏が1994年からの「自社さ連立政権」を振り返って、当時は自民党の錚々たる大物議員が「俺たちが一歩下がって縁の下で支えよう」という気概があったが「今の民進党にはその根性がない」との趣旨で指摘した。意見を求められた土田晃之は「そうなると面白いが、今はそうではない。目先の戦いを小手先でやっている感じ」と評す。

その流れから橋が「政治家の人たちは昔は命がけという言葉を使っていた。明治維新の頃の政治家みたいに命がけという人が1人ぐらいいてもいい」「安倍さんにも言いたい。本当に命をかけていますかあなた、そういう風になってほしいんですよ」と力が入り、「命かけて欲しいな。なんだったら死んでほしい」と口にする。

東国原英夫氏は常々「選挙とは命がけなものだ」と話しており、片山さつき議員は「私は命かけてましたよ! 命かけなければ財務省辞めて出てこないですよ!」と主張していた。“命がけ”でという表現には多くが共感するようだ。

番組終盤で、MCの坂上忍が「橋さんはこれまでお誘いとかあったのでは?」と政党からの出馬オファーについて話を向けたところ、橋は「若い頃はありましたね」という。しかし当時から「政治は命がけでやる仕事」と思っていたので「とても資格はないですと、2回とも断りました」と明かし「2回とも!」と坂上を驚かせた。

ちなみに東国原氏は、今回の衆院解散総選挙へ向けて複数の出馬オファーがあったが「お断りしている」と明かした。

橋幸夫が歌う『夢の轍』(2013年8月28日発売)は、さだまさし作詞・作曲で「夢」を諦めずに「美しい地球」「愛に満ちた暮らし」を願うものだ。そのなかに「私の命と引き替えてでも」という覚悟が歌われている。

2015年には幕末の長州藩士高杉晋作をテーマにした橋のデビュー55周年記念曲『長州にて候』(作詞:荒木とよひさ、作曲:勅使原煌)をリリースしており、今回の討論で彼から「明治維新の政治家のように命がけで」という言葉が聞かれたのはそうした背景が影響しているのかもしれない。

画像は『hashiyukio/橋幸夫 2017年9月15日付Twitter「昨日は静岡県御殿場市にて敬老会のイベントでした。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)