スケール壮大!「火星上の自撮り画像」を公開
2016年1月末、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、火星探査ミッション「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」で送り込んだ自走式探査ローバー「キュリオシティ(Curiosity=好奇心)」が撮影した、「火星上での自撮り画像」を公開した。
写真を掲示しているのは、NASA内で無人探査機等の研究開発や運用を担当している部門、「ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)」のサイト。
http://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/details.php?id=PIA20316
「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」は2011年11月26日に打ち上げられ、搭載された探査ローバー「キュリオシティ」は、翌2012年8月6日に火星表面に着陸した。着陸地点は、火星の赤道からやや南にある、ゲールクレーターと呼ばれるクレーターの内側。「キュリオシティ」は着陸地点から、その6つの車輪を利用して移動しながら、探査データを地球に送り続けている。
今回発表された「自撮り画像」は、着陸/探査開始から1、,228日目となる1月19日に、ロボットアーム先端の「Mars Hand Lens Imager(MAHLI)」というカメラによって撮影されたもの。発表を報じたFacebookの「NASA's Curiosity Mars Rover」アカウントでは、画像に、
「ナミブ砂丘の調査報告を発表するのが待ち遠しいよ、でもまずは自撮りだね(Can't wait to share my science results from Namib Dune; but first, let me take a selfie.)」
というキャプションを添えている。ちなみにナミブ砂丘とはこの写真が撮られた地域に付けられた名。これまでの「キュリオシティ」探査行程には、「**山」「**谷」「**丘」など細かく名前が付けられているが、「ナミブ砂丘」もその一つ。名前の由来になっている「ナミブ砂漠」はアフリカ南西部・ナミビアにある砂漠で、赤みがかった砂が広がる風景は「火星そっくり」と言われることもある。
……そんな場所の名前を使ってしまうと、またトンデモ論者が、「アメリカが火星に探査機を送ったなんてウソで、本当はナミブ砂漠で撮影してるんだ、その証拠に、発表でうっかりナミブって白状してるぞ」なんて言い出しそうだ。大丈夫かNASA。
それはさておき、発表された画像では、はるかかなたまで荒涼とした風景が広がる。画面向かって右側にはごつごつした岩肌が地面に姿を現しているが、左側には、非常に粒子の細かそうな砂地が広がっている。その表面にはさざなみのような風紋が見え、薄くはあっても大気が存在していることを示している。
「自撮り」なのにカメラを支えている腕がないじゃないか、というツッコミもありそうだが、それは、この画像が1枚の写真ではなく、多数の画像を合成して作られているため。さまざまに向きを変えているロボットアームは、結果的に画面上から姿を消しているわけだ。
上記、NASAジェット推進研究所のページでは、大判各サイズの画像を壁紙としてダウンロードすることもできる。また、Facebookでは、上下左右、自由に向きを変えて見ることができる360度画像も公開されている。
https://www.facebook.com/MarsCuriosity/videos/vb.110938085622842/923746871008622/?type=2&theater
折から、日本では火星表面に取り残された1人の宇宙飛行士の挑戦を描いた映画「オデッセイ」が公開されたばかり。実際に、アメリカでは2030年代半ばをめどに、有人火星探査を行う計画が立てられているという。果たして人類が実際にその目で、この荒涼とした火星の大地を眺める日が来るのかどうか。興味は尽きない。
