風景&ネイチャー レタッチの教科書 : 鮮やかで印象的な色彩の再現
解説・写真:桐生彩希
レタッチ作業、とりわけ風景のレタッチでは、使用する機能は思いのほか少ない。とくに「合成」や「消去」などの加工系の編集が含まれないならなおさらだ。
ということは、使用頻度の高い機能を使い込むことが、レタッチテク向上の近道といえるのかもしれない。風景のレタッチおいて使用頻度が高いというと、「レベル補正」「トーンカーブ」「カラーバランス」あたりだろうか。
ほかにも、「レイヤーマスク」などの使い方を覚えておけば、たいていの作業は行なえるような気がする。もちろん、今回使用している機能も、使用頻度の高いものばかりだ。
色の再現に「特定色域の選択」を使っているけれど、これは個人的におすすめの機能なので覚えておいてもらいたい。おそらく、この機能は今後も登場し続けることと思う。
新緑の緑と透過光の美しさを引き出す


キヤノンEOS 6D EF28-135mm f/3.5-5.6 IS USM 絞り優先AE(f3.4 1/100秒) 補正なし ISO200 評価測光 WB:オート
草木の緑は、カメラ任せでは“気持ちのよい”色彩にならないことも多い。撮影時にカメラで設定を追い込むのもありだが、微妙な色を再現するには、やはりPhotoshop CCの力を借りるのが確実だ。
レタッチの設計
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※作例写真を使ってPhotoshopの操作が学べます。画像の利用目的は個人利用に限ります。
鮮やかにし過ぎず柔らかな色彩を意識する
個人的にいうなら、撮影時に再現を諦めている色が「緑」だ。とくに、新緑の爽やかな色彩を再現するときは、ほぼすべてレタッチで色を仕上げている。
カメラの機能を駆使して色を追及したところで好みどおりの再現は難しいし、撮影の都度、複雑なパラメータを変更するのは面倒な上に設定ミスの可能性が高まるからだ。
新緑を再現するポイントとなるのが、透明感とシアンの成分。明るめでシアンの多い緑にすることで、新緑っぽいくすみのない緑に仕上げられる。
また、細かなことだが、あえて「緑かぶり」の要素を加えるのも新緑の補正のコツだ。全体をグリーンに偏らせることで、新緑に包まれた雰囲気を出すことができる。
普段なら取り除きたい色かぶりを逆手に取った、ある意味“ごまかし”のテクニックだ。
今回の作例は透過光を意識して仕上げているけれど、草木の緑を補正する基本のテクニックも含まれているので、覚えておくと役立つだろう。
はじめに
最終的なレイヤーの状態作例の写真は、「緑」の補正が中心となる。色の補正で使用する機能は「特定色域の選択」と「カラーバランス」で、前者の機能で緑の色彩を再現し、後者の機能で色かぶりも含めた“雰囲気”作りをしている。
レイヤーの構成は、下から?葉の緑を補正するための「特定色域の選択」、?眩しさを出す「トーンカーブ」、?緑かぶりの再現と緑の色彩を仕上げる「カラーバランス」、?透過光の雰囲気を再現する「トーンカーブ」、?木の幹の緑かぶりコントラストを調整する「トーンカーブ」となっている。
木の葉と樹の幹は個別に色の調整が必要だったため、レイヤーマスクを使い補正範囲を制限。ただし、レイヤーマスクで処理を分けるかどうかは、写真によって判断が分かれるところだ。
?緑の色彩を補正
■STEP1 「特定色域の選択」を選択
この補正の要でもある緑の補正から作業をはじめる。使用する機能は「調整レイヤー」の「特定色域の選択」で、レイヤーパネル下部の
ボタンから「特定色域の選択」を選択するか、「レイヤー」メニューの「新規調整レイヤー」→「特定色域の選択」して機能を表示。補正画面では、下部にある設定から「絶対値」を選択しておく。

ボタンをクリックして「特定色域の選択」を選択
調整レイヤーの「特定色域の選択」画面で「絶対値」を選択しておく≪ワンポイント≫
■「特定色域の選択」とは
指定した色の系統(レッド系やブルー系など9系統)に対して、「カラーバランスとブラックの濃度」が補正できる機能。色別に補正できるため、補正する場所を「面」で制限する「レイヤーマスク」では難しい緻密で繊細な部分に対しても、適切な補正が施せる。補正画面の下部にある「相対値」と「絶対値」は補正の効き方の設定で、相対値を選ぶと色の成分(RGBの数値)に対しての割合で(繊細な調整に適している)、絶対値を選ぶと指定した量で色の成分が増減できる(強めの効果が得られる)。























































