佐藤嘉洋「誰も文句がいえない試合を」
「昨年末からスタートした階段ダッシュの効果が出始めているんですよ。久々の70キロ契約なので、減量は厳しいですが、身体能力そのものは上がっていると思いますね」
――階段ダッシュを取り入れるきっかけは何だったんですか?
「家の近所を散歩していて、いい感じの階段を見つけたからです(笑)。どのくらいの心拍数でダッシュすればいいのかを自分で調べて、それを基準にやっています。僕自身、10年以上キックボクシングをやっていて、一つの競技に特化していると、それだけで心拍数を上げることに限界があるんですよ。そこで違う刺激を入れると、普段の練習以上に追い込める。実際に階段ダッシュの一番キツい時の心拍数は、ミットやサンドバックの時の心拍数より上なんですよ」
――ジムワーク以外で息を上げることは、ジムワークへの影響もありますか?
「ジムワークそのものが楽になったし、試合のためのスタミナもついたと思います。僕も自分のジム(=名古屋JKフィットネス)をオープンして、どうしても練習に割ける時間は少なくなっているので、工夫する必要はありますよね。100%ジムワークに頼り切ってはいけないです」
――ところで、Glory 70キロトーナメント1回戦で対戦するシェムシ・べキリは、昨年1月にKrushで対戦している相手です。このタイミングでの再戦は意外だったのではないですか?
「う〜ん……特に何も感じませんでしたね。『あっ、そうなったか』くらいです」
――前回の対戦はスプリットの判定勝利でしたが、今回はどんな試合をイメージされていますか?
「前回と同じような試合内容だったら、間違いなく僕の負けでしょう。前回以上に差をつける試合をして、可能であれば倒して勝ちたいです。改めて海外の試合は倒すつもりでいかないと、勝つのは難しいと感じているんですよね」
――それは佐藤選手が海外遠征で3連敗していることにもつながっていますか?
「そうですね。僕が海外で勝っていた頃の試合は、KOかダウンを奪っての判定勝利なんですよ。それが最近は判定決着までもつれて、地元判定で勝ちを逃すという試合が続いている。やっぱり誰も文句が言えないような試合をしなければいけないでしょう」
――べキリ戦以降、アルバート・クラウス戦ではジャブ、ファディ・メルザ戦ではジャブと前蹴りが光っていましたが、あれらの攻撃は佐藤選手自身が意識して取り組んで試合で使っていたものなのですか?
「特に意識していたわけではないんですが、過去の試合を見返して、ジャブと前蹴りが使えている時は試合をコントロールできているんですよ。だからそういうイメージを持って、戦えばいいのかなとは思いました。実際に去年の勝てなかった試合はどれもジャブが出ていないんです。
だから、最近の自分はジャブが出せるかどうかが指標というか、調子のバロメーターになっているのかもしれません。あと会長(※小森次郎)とも、よく話をしているのは『もっと柔軟に戦わないといかんな』ということなので」
――佐藤選手はイメージと違って、試合になると相手と真っ向勝負してしまうタイプですよね。
「実はそうなんですよ(苦笑)。頭は冷静だけど戦い方が固い、という。僕は戦い方が素直すぎるので、セコく戦うのは無理でしょうけど、柔軟に柔らかく戦いたいですよね」
――今回はトーナメントの1回戦で、しかもべキリは一度勝っている相手です。ここはしっかりクリアしなければいけない一戦になります」
「もちろん。勝って当然の試合だと思っています。僕は確実に前回のべキリ戦より技術的・身体的に伸びているので、もしべキリが前回と同じイメージで来るのなら痛い目に遭うと思います」
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