ネリー・コルダ(C)ロイター/Imagn Image

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【羽川豊の視点 Weekly Watch】

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 今年の全米女子オープンが行われたロサンゼルス近郊のリビエラCCは、私もプレーしたことがあります。コース内に点在するユーカリの大木は枝をずいぶん切ったので、当時よりフェアウエーは広く感じました。それでも国内にはないキクユ芝のラフは予想通りの難敵でした。キクユ芝は葉が太く、密集しているのでボールが浮いているように見えてもフライヤーで距離感が難しい。グリーン回りもヘッドの入れ方、抜き方がわからずピンを大きくショートしたり、オーバーする選手が多くいました。

 深いバンカーに囲まれたポアナ芝のグリーンは、見た目以上にうねりがあり、両サイドの芝は刈り込まれ砲台状になっている。

「グリーンに乗せるだけでなく、アイアンをポイントに打てる選手が上にくる」

 そう思っていたので、ネリー・コルダが4月のシェブロン選手権に勝ったとき、「今季はメジャーの複数回優勝もありそうです」と言ったのです。

 それにしても、です。クラブハウスに向かって打っていく名物ホールの18番パー4は434ヤード。最終日は追い風が吹いていたとはいえ、ネリーは15メートルの打ち上げになる第1打を288ヤードも飛ばし、第2打はピンまで146ヤード。女子選手も、「パワーゴルフの時代だな」と改めて感じました。

 世界ランク1位のネリーは細身ですが、身長は178センチ。パワーだけでなく、ショットの精度が非常に高い。しかし、どんな選手も4日間好プレーを続けることは難しい。ネリーも今回、初日2オーバー56位と大きく出遅れましたが、メジャー仕様の難しいコースです。午後からは風も強くなるので、上位陣でも爆発的なスコアが出ないことは肌でわかる。ティーショットをラフに入れても無理をせず、外してはいけないサイドを避けて、上位との差をジリジリと詰めていきました。この日は前半にスコアを1つ伸ばし、難しいバック9は16番まではじっと我慢。チャンスホールの17番パー5は無理して2オンを狙わず、第2打はピンに寄せやすいグリーン左手前に運び、寄せワンのバーディーを奪ったのはお見事。終わってみれば2位との差は1ストロークでしたが、その戦い方は「1打以上」の大きな差を感じました。

 初日、首位から2打差の3アンダー3位タイで発進した渋野日向子は2日目まで上位にくらいつき、今年も注目を浴びました。3日目に崩れ、イーブンパー17位に終わったものの、フェードとドローを打ち分けたショットは今季一番の出来。久しぶりに渋野らしいプレーを見せてくれました。渋野は伸ばし合いより、1打に集中できる難しいセッティングの方が合っているのかも知れません。

 少し気になったのがショートパットのミスです。デビューした頃のように、下りも上りもラインも関係なしといわんばかりに強気にヒットすることはできないでしょうが、ショットがこれだけ改善されたのなら、パット次第で完全復活は近いのではないか。

 国内組では、神谷そらと桑木志帆の攻撃的なゴルフも印象的でした。今回の成功と失敗から学んだことは、次の試合に生かして欲しいです。

(羽川豊/プロゴルファー)