”生卵”を茹でると「たんぱく質量」はどうなる?栄養素も管理栄養士が解説!
ゆで卵と生卵ではどちらがたんぱく質の吸収が良いのでしょうか。メディカルドック監修医が卵のたんぱく質量と含まれる栄養素について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「ゆで卵」と「生卵」どっちが”たんぱく質”の吸収が良い?食べ過ぎのリスクも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
山口 恵里(管理栄養士)
病院や高齢者施設で5年、給食管理、栄養管理業務に従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は育児をしながらフリーランスとして地域の方の家事・育児サポートをさせていただいています。日々の生活を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
卵とは?

鳥や虫、魚などの雌が産む、殻や膜に包まれた球形のもので孵化すると子になるものです。
食用として流通しているものは、ほとんどが「鶏卵」で、そのほか「うずら」の卵や「あひる」の卵などがあります。特に「鶏卵」はたんぱく質のアミノ酸がバランス良く含まれています。
卵1個のたんぱく質量はどれくらい?

鶏卵の100gあたりのたんぱく質は12.2g、また、うずらの卵は100gあたり12.6gのたんぱく質を含んでいます。一方で「あひる」の卵を草木灰でおおい、数か月かけてアルカリを卵の中に浸透させて作る中国料理の「ピータン」は100gあたり13.7gたんぱく質が含まれています。
ゆで卵1個・温泉卵(半熟卵)のたんぱく質量は?

日本食品成分表(八訂)増補2023年によると、鶏卵(ゆで)100gあたりのたんぱく質は12.5gです。ゆで卵1個のたんぱく質量は、卵のサイズによって変わりますが、一般的には以下の通りです。温泉卵1個のたんぱく質量は約6.3gです。
うずらの卵のたんぱく質量はどれくらい?

うずらの卵は1個10g前後で鶏卵の約4分の1の大きさです。うずらの卵は生の状態のものを蕎麦やとろろに落として食べたり、ゆで卵として煮物や炒め物にいれて食べることが多いです。生のうずらの卵1個にはたんぱく質が約1.26gのたんぱく質が含まれています。また、うずらの卵の水煮缶詰には1個約1.1gのたんぱく質が含まれています。
卵に含まれる栄養素

卵に含まれる栄養素では、生産・消費ともに最も一般的とされている鶏卵の栄養素を紹介します。また、卵黄と卵白では栄養成分が大きく異なります。
たんぱく質
たんぱく質は20種類のアミノ酸からできており、そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれるもので体内で作ることができません。そのため食事から摂る必要があります。食品に含まれるたんぱく質がこの9種類の必須アミノ酸をどれだけバランス良く含んでいるかの評価基準として「アミノ酸スコア」という指標があります。スコアが100点に近いほど「良質なたんぱく質」とされています。
鶏卵はこの「アミノ酸スコア」が100点のため、バランスよく「必須アミノ酸」を含んでいるということになります。また、鶏卵のたんぱく質は脂質と結合した「リポたんぱく質」として存在しています。
脂質
鶏卵に含まれる脂質量は、全卵で100gあたり約10g前後です。脂質のほとんどは卵黄に含まれており、卵黄100gあたりでは約33~36g程度の脂質を含んでいます。一方、卵白には脂質はほとんど含まれていません。
卵黄に多く含まれる脂質には、コレステロールやレシチン(リン脂質の一種)があります。コレステロールは卵黄100gあたり約1,200mg含まれており、細胞膜の構成成分となるほか、ホルモンや胆汁酸の材料として体内で重要な役割を果たしています。
また、レシチンは脂質代謝に関与する成分として知られており、血中コレステロールのバランスを整える働きがあると考えられています。
ミネラル
卵黄に含まれる主なミネラルにはセレンや鉄、カルシウムがあります。卵白にもセレンや鉄、カルシウムは含まれておりますが、その量はごくわずかです。セレンは抗酸化作用のある酵素の成分として注目されており、免疫機能の維持に関与しています。
ビタミン(脂溶性)
脂溶性ビタミンは油に溶けやすく、体内に蓄積されやすいビタミンです。
視力、皮膚粘膜の健康に関わるビタミンAやカルシウムの吸収に関わるビタミンD、抗酸化作用のあるビタミンEなど、特に卵黄に多く含まれています。
ビタミン(水溶性)
水溶性ビタミンは水に溶けやすく、体内に蓄積されにくい性質があるため、尿中に排出されやすく、毎日こまめに摂取することが大切です。
卵には、糖質の代謝に関わるビタミンB1、脂質やたんぱく質の代謝を助けるビタミンB2、補酵素として代謝全般に関与するパントテン酸、皮膚や粘膜の健康維持に関わるビオチンなど、ビタミンCを除く多くの水溶性ビタミンが含まれています。
「卵のたんぱく質量」についてよくある質問

ここまで卵について紹介しました。ここでは「卵のたんぱく質量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
卵を何個食べれば1日分のたんぱく質量を補えますか?
山口 恵里
年齢や性別、活動量などによってたんぱく質の必要量が変わるため、一般的な目安として18歳以上の男女が1日に必要なたんぱく質量は約50~60gです。また、卵1個あたりのたんぱく質量は約6.2~6.5gです。卵だけでたんぱく質を補おうとすると1日に約8~10個食べると良いことになります。しかし、卵だけでたんぱく質を補おうとすると脂質やコレステロールが過剰になる可能性があるため、納豆や豆腐、肉や魚、乳製品などからバランス良く補うことが大切になります。
ゆで卵1個でプロテイン1杯の代わりになりますか?
山口 恵里
プロテインに含まれるたんぱく質量は製品によって差がありますが、一般的には1杯あたり約10~25g程度です。一方、ゆで卵1個(Mサイズ)に含まれるたんぱく質量は約7g前後であるため、たんぱく質量だけで比較すると、ゆで卵1個でプロテイン1杯分を補うことは難しいと言えます。たんぱく質量をプロテイン1杯分に近づけるには、ゆで卵を2個以上摂取する必要があります。ただし、卵はたんぱく質だけでなく脂質やビタミン、ミネラルも含む食品である一方、プロテインは効率的にたんぱく質を補給することを目的とした食品です。そのため、目的や生活スタイルに応じて使い分けることが大切です。
まとめ
卵は栄養価が高く、特にたんぱく質はアミノ酸スコアが100で良質なたんぱく質を含んでいます。さらに、脂質やミネラル、ビタミンも含まれており、筋肉や免疫の維持や骨の健康、抗酸化作用など健康効果も様々なものがあります。食べ過ぎることで動脈硬化や体重増加、肥満などの症状がでることもありますので、食べ過ぎに気を付けて効率的に卵を摂取し健康効果を高めましょう。
「卵」と関連する病気
「卵」と関連する病気は3個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
動脈硬化内分泌・代謝系の病気
肥満
ビオチン欠乏症
「卵」と関連する症状
卵に関連する症状
動脈硬化
体重増加
肥満
皮膚炎
疲労感
参考文献
食品成分データベース(文部科学省)
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(厚生労働省)
たまご1個に含まれるタンパク質量はどれくらい?たまごのタンパク質の上手な取り入れ方を紹介
