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アメリカ・ラスベガスで、薬物の使用を認める初めてのスポーツ大会が開催されました。元オリンピアンも出場する中、健康リスクなどをめぐり波紋が広がっています。

■世界記録を更新

実況「世界記録更新だ!」

アメリカ・ラスベガス。競泳男子50メートル自由形のタイムは、世界記録を上回る20秒81。

ただ、これは薬物の使用を認める初の国際大会「エンハンスト・ゲームズ」での結果です。

大会の目的は「人間の限界への挑戦」。筋肉増強剤や興奮剤などの使用を認め、競泳・陸上・重量挙げの3つの競技が行われました。

42人の出場者のうち、29人はオリンピック経験者。重量挙げのウェスリー・キッツ選手(36)は東京、パリとオリンピックに2度出場し、腕には2021年の東京大会の証しが刻まれていました。

■大会側は医師による徹底した管理下で行われると主張

大会側は、選手の血液や臓器の精密検査などを実施。

Enhanced Group,Inc. マクシミリアン・マーティンCEO「パフォーマンスを向上させる物質はあらゆる面で厳しく管理されています。安全のため、医学的モニタリングを継続して受けられる体制を構築しました」

医師による徹底した管理下で大会は行われると主張しました。

■健康被害のリスクもある大会になぜ参加を

健康被害のリスクもある大会にキッツ選手は、なぜ参加を決めたのでしょう。

重量挙げに出場 ウェスリー・キッツ選手「私にとっては、世界記録と金銭的な報酬が魅力です。たった1つの大会で、アメリカ代表として20年間プレーするよりも多く稼げます」

各競技の優勝者にはおよそ4000万円、世界記録を上回った選手には最大およそ1億6000万円の賞金が出されました。

当初は薬物使用による健康への不安もあったというキッツ選手ですが…

キッツ選手「研究の一環で、適切な管理と指導があることや、大会前後で色んな検査を受けられることを知ってずいぶん安心しました」

薬物を使い、大会に臨んだキッツ選手。その結果は…世界記録を上回ることはできませんでした。

キッツ選手「(世界記録更新は)あと4週間ほど準備期間があれば勝算はあったと思います。また出場します。もっと強くなって、いつか目標を達成してみせる」

■「深刻で長期的な健康被害や死に至る可能性さえある」

大会について、国際オリンピック委員会と世界反ドーピング機構は、「深刻で長期的な健康被害や、死に至る可能性さえある」と指摘した上で、「極めて無責任かつ非道徳的」と強く警鐘を鳴らしています。

専門家も──

バーミンガム大学イアン・ボードリー教授「短期的なモニタリングなどを行ったとしても、選手の健康を長期的な悪影響から守れるとは限りません。一般の人々がこうした薬物を安全に使用できると思い込んでしまうことを最も懸念しています」

「エンハンスト・ゲームズ」は来年も開催予定で、今後も議論を呼びそうです。