大阪ブルテオンに0-3で敗れ、試合後に涙を流す高橋藍【写真:スポーツ報知/アフロ】

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SVリーグ男子チャンピオンシップファイナル

 バレーボールのSVリーグは17日、横浜アリーナで男子チャンピオンシップファイナル(決勝)の第3戦が行われ、レギュラーシーズン首位のサントリーサンバーズ大阪が同2位の大阪ブルテオンに0-3(22-25、20-25、18-25)でストレート負け。昨季に続く連覇とはならず、今季限りでの退団を表明している主将・高橋藍は試合後に涙を流した。電撃入団となったサントリー2年間では優勝と準優勝を経験。この3日間、コート内外で感じた日本を代表するスターの影響力に迫る。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

 ラストゲームで置き土産を――。その思いは届かなかった。

 最後の一球は真横に着弾した。第3セット、チャンピオンシップポイントを握られた18-24の場面。大阪B・西田有志の強烈なサーブをレシーブできず、天を仰いだ。先勝しながら2連敗で終戦。「最後、一緒に勝って終わりたかった」。今季限りで勇退するドミトリー・ムセルスキーや樫村大仁と共にトロフィーを掲げる夢が叶わず、試合後は涙が止まらなかった。

 イタリアリーグ1部・モンツァから鳴り物入りで移籍して2シーズン。昨季はSVリーグ初代王者に輝き、主将に就任した今季は優勝こそ逃したものの、チームを2年連続となる決勝進出に導いた。五輪2大会を経験し、ネーションズリーグで銀メダルも獲得するなど、日本代表でも主力として活躍するスターの影響力はこの3日間でも証明されていた。

 土日に行われた第2戦(16日)と第3戦(17日)はチケットが完売。計3万4695人が横浜アリーナに詰めかけた。優勝に王手をかけた第2戦は試合開始5時間前の午前11時頃から、アリーナ外のグッズショップには長蛇の列が。高橋の写真や名前入りコースターやアクリルスタンドも完売。「買おうと思っていたのに……」と嘆くファンの背中には「RAN」の文字が躍っていた。

「リーグが人気になった一つの要因」 チームメートも認める影響力とは

 もちろん、コート内でも影響力をいかんなく発揮している。

 サントリー主導の攻撃を体現し、サービスエースやアタックで試合の流れを引き寄せる。劣勢の場面でも常に味方を鼓舞し、チームのために声を張り上げる。第1戦では自らのタッチネットを申告し、フェアプレーなど模範的な行動への称賛を示すグリーンカードが与えられるなど、激闘の中でもアスリートとしての品格を示した。

 そんな姿を称えた一人がミドルブロッカーの25歳・鬼木錬だ。「本当にキャプテンシーがあって、チームを引っ張れる明るい存在。チームに活力を与えてくれる」と1歳年下のリーダーが放つ存在感に舌を巻く。「最後、勝って胴上げしたかったんですけど。それが叶わず悔しいです」と無念の思いをにじませた。

 日本代表でも共にプレーするミドルブロッカーの30歳・小野寺太志は「プレーも素晴らしいですし、人を惹きつける何かを持っている選手」とスター性を評価。その上で「これだけリーグが人気になった一つの要因だと思うし、サンバーズに与えてくれた影響はとても大きいと思う」とSVリーグ全体にまで及ぶ影響力を認める。

 チャンピオンシップMVPやベストアウトサイドヒッター、ベストレシーブ賞などサントリー在籍2年間で数々の個人賞を獲得した高橋。今後について明言は避けたが、「この先も常に高いレベルを見ながら、高い意識を持ってやっていきたい」とさらなる成長を誓う。その存在感でいくつもの“遺産”を残した24歳が、惜しまれつつ新たなステップへと歩みを進める。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)