「嫁のせいで息子は死んだ」と義両親に…「死後離婚」を決意した妻が直面した「思わぬ後悔」

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モラハラ夫と離婚協議中に…

自分だけで死後離婚を決めてしまい、思わぬ悲しみを生んでしまった事例もある。

夫婦共働き生活を続けていた会社員の松村聡子さん(46歳、仮名)は、離婚協議中に夫(47歳)を突然、心不全で亡くした。

すると義両親が、「離婚協議を進めるストレスが原因で息子は死んだのではないか。そのくせ息子の遺産を相続するとはどういうつもりだ」と非難するようになったという。聡子さんが振り返る。

「すべての行動をモラハラ気質の夫に決められ、怖いので従うしかない人生でした。12歳の長女と9歳の長男がいますが、1人目が生まれた直後にも、毎晩セックスを求められて我慢していました。私が離婚を切り出したときは『やり直したい』と泣きついてきましたが、子供を連れて実家に戻り、離婚協議を進めていたんです。

そんな中で夫が死に、私が喪主を務めましたが、『精神的に追い込んだ嫁のせいで息子は死んだ』と考えていた義両親は、葬儀場でもかなり怒っていました」

子供に与える心理的負担

そこで聡子さんは死後離婚を決意し、姻族関係終了届を出した。ところがーー。

「大変だったのが、義両親に懐いていた長女でした。私たちの離婚話が持ち上がり、祖父母と会えなくなっただけでも悲しみに暮れていたのに、父親が突然死し、葬儀では祖父母が怒鳴り始めたので、精神的に不安定になってしまいました」

死後離婚することで、義両親との関係を断ち切り、心理的負担を取り除くことはできた。だが他方で、祖父母との関係が決定的に変わってしまう子供たちの心理的ケアも必要だったと、聡子さんは悟ることになった。

死後離婚の注意点について、ガーディアン法律事務所の弁護士・園田由佳氏が語る。

「自身が死後離婚した後でも、子供と義両親の血族関係は続きます。そのために、子供と義両親の関係がこじれる可能性もあります。たとえば、遺産について、『嫁には1円も払いたくない』という義両親の感情がたかぶり、『嫁が産んだ孫にも渡したくない』と、遺産分割協議でかなり揉めるケースもありました」

「オレが死んだら自由になっていい」

夫が亡くなる前から、死後離婚を想定して、心づもりをしていた夫婦もいる。

茨城県に住む塩田正枝さん(63歳、仮名)は、一昨年8月に夫を胃がんで亡くした。その一周忌を迎えたのをきっかけに死後離婚を決める。

「実は夫の生前から決めていました。別に婚家と仲が悪かったわけではなく、子供がいなかったのと、老々介護をする両親を実家に戻って支えたいと思ったからです。

実際、余命宣告された病床の夫に相談したら、『そうしなさい。オレが死んだら自由になっていい』と言われたんですよ。私は3姉妹で妹たちも嫁いでいますから、お墓を守る人も必要だったんです。

婚家には法要の場で伝えました。ともに80代の義両親は『寂しいね』と言っていましたが、熟年離婚したばかりの義妹が『じゃあ、私が代わりに戻るわ』と言ってくれたので安心しました」

正枝さんは実家で両親と暮らしている。夫の遺産と両親の年金で十分生活でき、何の不安もないという。

財産、友だち、親族……欲望やしがらみを手放す備えをしておけば、人生の後半を明るく過ごせるかもしれない。

「週刊現代」2026年5月11日号より

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