睡眠不足はストレスを高め、人としての魅力も下げてしまう(写真:Adobe Stock)

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「忙しいから、睡眠は削っても仕方ない」--そう思っていませんか?頭が冴えない、集中できない、すぐ忘れる--その原因は、脳への酸素不足かもしれません。

(本記事は『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました』(SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、再編集したものです)

◆効率よく脳を働かせるためには、「運動」が欠かせない

脳の記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」があります。記憶を司ることで有名な「海馬」という部位は、短期記憶を処理する部分になります。

海馬のなかで短期記憶が整理され、重要な情報と判断されると、「大脳新皮質」に移行して長期記憶として定着します。

つまり、些細な出来事であっても、長く記憶したい出来事であっても、ひとまず情報は海馬で処理されるようにできているわけです。

「アレ、いま何をしようとしていたんだっけ?」といった物忘れの原因は、短期記憶に関わる問題です。しかし、長期記憶も短期記憶も海馬の働きがポイントになるため、いかに脳に酸素をしっかりと送ることができるかがポイントになります。

効率よく脳を働かせるには、脳の血流をよくしなければいけません。つまり、頭を使うことと運動をすることは切っても切り離せない関係なのです。

脳の燃料である酸素は、血液に乗って運ばれますから、少し息が上がる程度の心拍数が120/分を超えるような中強度の負荷がかかる運動を定期的にとり入れるといいとされます。全身に血液をめぐらせるような、たとえば少し速めのジョギングやなわとび、階段の昇降などの運動を10〜20 分程度行うと◎。

◆寝不足は物事を「思い出す」機能を低下させる

また、脳に酸素をしっかりと送るという意味では睡眠も大切です。

寝不足だと脳が正常に活動できなくなるため、物事を思い出す機能が低下してしまいます。脳は深く眠っている間に記憶を定着させるため、睡眠時間が短く、深く眠る時間が少ない人は、そのぶん記憶を定着させる時間が減り、結果的に記憶力が低下してしまうのです。

睡眠不足が脳に悪影響をもたらすことを示す研究は多数存在し、国立精神・神経医療研究センターの研究チームが行った実験では、睡眠不足時には、ネガティブな情動刺激に対して扁桃体の活動量が増大することが明らかになっています。

この実験では、健康な成人男性14 人を対象に、1日8時間睡眠を5日間と1日4時間睡眠を5日間の両方を体験してもらい、そのうえでMRIを用いて脳活動の変化を観察しました。

すると、寝ていないときにネガティブな情報を受けとると、いつも以上に精神的に落ち込んでしまうことがわかったといいます。私たちが想像している以上に睡眠不足は恐ろしいことです。仮に寝る時間が十分に確保できないのであれば、睡眠の質を高める工夫をするようにしてください。

運動と睡眠に対する投資は、未来のあなたを健全へと導くのです。

◆記憶力が落ちる、認知症リスクが高まる……寝不足がもたらす副作用

寝不足だと脳が正常に活動できなくなるため、物事を思い出す機能が低下します。脳は深く眠っている間に記憶を定着させるため、睡眠時間が短く、深く眠る時間が少ない人は、そのぶん記憶を定着させる時間が減り、結果的に記憶力が低下してしまうのです。

睡眠不足が脳に悪影響をもたらす研究は多数存在し、国立精神・神経医療研究センターの元村らが行った実験では、睡眠不足時には、ネガティブな情動刺激に対して、感情の起爆スイッチとも言える脳の扁桃体と呼ばれる部位の活動量が増大することが明らかになっています。

健康な成人男性14人を対象に、1日8時間睡眠を5日間と1日4時間睡眠を5日間の両方を体験してもらい、そのうえでfMRIという装置を用いて脳活動の変化を観察したところ、短期間の睡眠不足でも気もちが不安定になりやすくなり、寝ていないときにネガティブな情報を受けとると、いつも以上に精神的に落ち込んでしまうことがわかりました。