「青春を考えるヴィヴィッドな文庫」というキャッチフレーズで、1976年5月28日に創刊された「集英社コバルト文庫」。創刊50周年を記念した企画展「ときめくことばのちから展−少女小説家は死なない!−」が、2026年4月29日(水・祝)から5月10日(日)までの12日間にわたって開催される。

「コバルト文庫」とは、1980〜90年代にかけて中高生を中心に絶大な支持を集めた若者向け文庫レーベル。創刊初期の80年代には氷室冴子や新井素子、唯川恵といった女性作家たちがブームを牽引し、恋愛や青春をテーマにした作品で人気を博した。中でも氷室冴子の『なんて素敵にジャパネスク』はレーベルを代表するヒット作として知られ、シリーズ累計発行部数は800万部をゆうに超える。

 また90年代に入ると、前田珠子、桑原水菜、榎木洋子らによるファンタジー作品の人気が拡大。その後も須賀しのぶ、真堂樹、響野夏菜、瀬川貴次といった次世代の作家たちが次々に登場し、胸高鳴る物語で少女たちの日々を彩ってきた。近年は刊行形態の変化に伴い、電子書籍を中心とした展開へと移行。2015年には、その系譜を継ぐ姉妹レーベルとして「オレンジ文庫」が創刊された。

 今回の企画展は、そうした「コバルト文庫」の歴史と魅力を存分に味わえる内容で、会場は4つのゾーンで構成される。まず本企画の中核を担う「ときめくことばギャラリー」は、引き出しや鏡、指向性スピーカーによってキャラの声が聞こえる「ウィスパールーム」などの仕掛けを通じて、“ときめくことば”が体感できる空間だ。

 また各所には「帰ってきたら100万回のキスだぜ」(『まんが家マリナ』シリーズ・黒須和矢の台詞)、「あなたの犬です……”狂犬”ですよ」(『炎の蜃気楼』シリーズ・直江信綱の台詞)など、印象的なフレーズをパネルで展示。これらはコバルト文庫・オレンジ文庫編集部員の選定やファン投票によって選ばれたもので、来場者に配布される電子カタログを通して出典元も確認できる。

 さらに「トークショーエリア」では、真堂樹、須賀しのぶ、榎木洋子、若木未生ら作家陣が日替わりでステージに登壇。初日の4月29日(水・祝)には久美沙織と正本ノン、5月2日(土)には青木祐子と響野夏菜がトークショーを行い、一部の回ではサイン会も行われる予定だ。なお、トークショーの実施時間外は「コバルト文庫ライブラリーエリア」として開放される。

 一方「コバルトヒストリーエリア」では、コバルト文庫50年の歩みをパネルで紹介するとともに、人気シリーズの原画やサイン色紙を展示。ほかにも姉妹レーベル「オレンジ文庫」の紹介コーナーや、展示会オリジナルグッズコーナーなど多彩なブースがそろっている。

 また、4月20日に情報解禁され話題となった『まんが家マリナ』シリーズの復刊&完結にあわせ、藤本ひとみからのメッセージが展示されるのも見どころだ。

 ちなみに今回の企画展以外にも、各所で「少女小説」にまつわる企画展とイベントが開催中。たとえば4月4日(土)から始まった「生誕130年 吉屋信子展 シスターフッドの源流」展は、カリスマ的少女小説作家・吉屋信子の作品に、「シスターフッド(=女性同士の連帯や共生)」という視点から光を当てる特別展だ。「ときめくことばのちから展」との連動企画としてスタンプラリーも実施しており、両展のスタンプを集めた来場者には、吉屋信子と氷室冴子のオリジナル『少女小説家』カードをプレゼントがプレゼントされる。

「ときめくことばのちから展」は当時の読者に限らず、「最近、ときめきがたりない」と感じるすべての人に向けた企画展でもある。往年のファンはもちろん、初めて触れる人でも“新たな出会い”を体験できるはずだ。

■■「集英社コバルト文庫50周年 ときめくことばのちから展―少女小説家は死なない!─」概要

会期:2026年4月29日(水・祝)〜5月10日(日)

入場時間:10:00〜20:00 ※入場は19:30まで

会場:西武渋谷店A館7階 催事場(東京都渋谷区宇田川町21-1)

入場料:

<一般>入場チケット1500円

<中高生>入場チケット1000円

<一般>トークショー付き入場チケット4900円

<中高生>トークショー付き入場チケット4400円 

※小学生以下無料。ただしチケット保有の同伴者が必須。

※価格はすべて10%税込。

※チケットは「TicketMe(チケミー)」で発売中。

※トークショーは各回定員110名、チケットの購入は先着順。

公式サイト:https://orangebunko.shueisha.co.jp/feature/cobalt50th_exhibition

■■トークショー登壇予定作家


4月29日(水・祝)久美沙織、正本ノン(進行役・池澤春菜)

5月2日(土)青木祐子、響野夏菜(進行役・齋藤明里)※サイン会あり

5月3日(日)桑原水菜(進行役・嵯峨景子)※サイン会あり

5月4日(月・祝)真堂樹、須賀しのぶ(進行役・齋藤明里)※サイン会あり

5月5日(火・祝)今野緒雪(進行役・池澤春菜)※サイン会あり

5月6日(水・祝振)榎木洋子、若木未生(進行役・池澤春菜)※サイン会あり

5月9日(土)野梨原花南(進行役・嵯峨景子)※サイン会あり

5月10日(日)日向章一郎(進行役・嵯峨景子)

※サイン会への参加を希望する場合は、西武渋谷店A館7階の会場に隣接する紀伊國屋書店西武渋谷店で対象書籍を購入。