《高知では生でかじる人も!春の山菜・イタドリ》美味しくて世界の食糧危機を救う!?その秘めた可能性とは【高知】
こうちeyeの特集は高知の豊かな風土が育む食の魅力を紹介する、土佐のfood記。
今回は高知県民が春になると無性に食べたくなる山菜・イタドリです。その秘めた可能性を樺山夏帆アナウンサーが取材しました。
今年も高知にイタドリの季節がやってきました。
高知では子どもの頃、おやつ代わりに食べたという人も多い山の恵みです。
でも実はいまヨーロッパではちょっとした厄介者になっているのだとか。ではイタドリをヨーロッパに伝えたのは一体誰なのか知っていますか。
答えはこのあとお伝えします。
4月から5月が旬のイタドリは高知県民の春の味覚です。旧鏡村で生まれ育った川粼さんは子どもの頃からイタドリを穫っていたといいます。
■生産者 川粼文雄さん
「イタドリは小学校3年生くらいから穫っている。当時は栽培のイタドリではなくて 水田のあぜとか法面とか、そんな所に生えているのを穫っていた。おこづかいをそれでもらっていた」
現在は川粼さんを含む地域の住民5人が農業組合法人「梅の木ファーム」として耕作放棄地を活用しイタドリを栽培。収穫したものを集落活動センターで加工し、年間500キロほどを出荷しています。
■川粼さん
「イタドリを収穫する(時期)には、ポンポンって山に(音が)こだまする。春の音」
山間に小気味よい音が響くイタドリ。川粼さんたちが育てているのは「鏡一号」と呼ばれる少し皮が赤い品種で野生種の中から加工しやすい小柄で肉厚なイタドリを選定したものです。
そしてイタドリは山のおやつとしても親しまれてきました。
■川粼さん
「子どもの時には皮をはいで塩をつけてまるかじり」
イタドリはあくの成分であるシュウ酸を多く含むため、過剰摂取は推奨できないものの、皮を剥いで生で食べることもできます。
穫れたての味は?
■樺山アナウンサー
「酸っぱい、でもおいしい!春の味っていう感じ」
イタドリはもともと日本在来の植物ですが、現在はヨーロッパや北米など海外でも自生しています。
英語ではジャパニーズ・ノットウィード(Japanese knotweed) と呼び、コンクリートを突き破るほどの繁殖力の強さからヨーロッパでは「敷地にイタドリがあると不動産価値が下がる」とされ、IUCN・国際自然保護連合は「世界の外来侵入種ワースト100」に認定しています。
ヨーロッパでは厄介者とされるイタドリ。イタドリをヨーロッパに伝えたのは「シーボルト」。
長崎で暮らしたドイツ人博物学者のシーボルトが19世紀中頃にヨーロッパへ持ち帰ったとされています。
しかしイタドリが食材として広く認められれば世界の食糧危機を救うかもしれない、と川粼さんは考えています。
■川粼さん
「外国では迷惑な植物らしいが、世界中にあるらしいのでみんながお腹がはるように、イタドリを栽培したらどうかなと思っている」
食べたら美味しいイタドリ。穫れたてのイタドリを家庭でどのように料理すればいいのか、高知市で半世紀近く飲食店を営む大坪弘子さんに教えてもらいました。
まずは皮を剥ぎます。
イタドリを沸騰したお湯に数秒つけると剥ぎやすいそうです。コツは皮をそぐのではなく、包丁と親指で皮をはさみ手前に引っぱること。
皮を剥いだイタドリは水に一晩浸してあくを抜きます。このイタドリを使った料理も教えてもらいました。
イタドリを3センチ幅に切って細切りにした薄揚げと炒めます。
美味しく作るコツはイタドリの食感を残すことだそうです。
■大坪さん
「すばやくすること。炒めても早く仕上げるとか(イタドリの)カリカリ感がなくなるから」
しょうゆ、砂糖、みりん、和風だしの素を入れて1分ほど煮ればイタドリの炒め煮の完成です。
■樺山アナウンサー
「火を通しているのに、このシャキシャキ感!甘いお揚げとすごく合う」
さらにイタドリの炒め煮は白和えにしても美味しいですよ。
■樺山アナウンサー
「こっちもシャキシャキ感がしっかりあって、豆腐のふわふわ感とこの食感の違いがすごくいい」
大坪さんは春に芽吹くイタドリに元気をもらえる、と話します。
■大坪さん
「春に芽吹いたものを食べるというのは、冬眠する動物にしても待ちかねて掘ったり穫ったりして食べるでしょ。人間も四季のものを食べると体が元気になるっていうかね」
そして生産者の川粼さんも多くの人にイタドリを美味しく食べてほしいと願っています。
■川粼さん
「このイタドリのシャキシャキ感。それとポリフェノールがいっぱいあって健康にもいいので、みんなにいっぱい食べてほしい」
高知の春の味覚、イタドリ。その美味しさが広まれば世界の食糧危機を救うかもしれません。
