【漫画】本編を読む

 自身も息子2人を育てるはみだしみゆきさんの育児漫画『屋台ヤケミルク』は、屋台に集う赤ちゃんを通して「育児あるある」をユーモラスに描く作品だ。母乳派か、粉ミルク派か、それとも混合派か……。そんな派閥が赤ちゃんにもあるのではと思わせるエピソードには、彼らの並々ならぬこだわりが描かれている。

 この日「屋台ヤケミルク」を訪れたのは、自称「おっぱい大好きマン」のハヤト。試しにミルクを頼んでみるも、どうやら口に合わなかったらしい。すかさず母乳を注文するが、あいにくストックがなく、ショックのあまりギャン泣きしてしまう。

 そんなハヤトにも、ついにママから“卒乳”を言い渡される日がやって来る。泣きながら麦茶を飲むものの、やはり母乳が恋しい。味、香り、柔らかさ――どれをとっても、ハヤトにとっておっぱいに勝るものはないのだという。「おっぱい大好きマンの辞書に卒乳の文字はない」と豪語するが、そうもいかないのが現実だ。常連のひとり、のんちゃんに励まされながら、ハヤトはまたひとつ大人に近づいていく。

 卒乳は成長の大きなステップのひとつだが、2歳を過ぎても続けている子は決して珍しくない。それには、ハヤトのように「おっぱい大好きマン」という理由もあるのだろう。実際、2歳以降も母乳を推奨する機関もあり、いつまでに必ず卒乳すべきという明確な決まりもない。子どもの「好き」を尊重するか、母体の事情を優先するか。その選択はとてもデリケートな問題だ。

文=ハララ書房