米ユタ州が子どもSNS規制を始めて3年。いまや各国も追随する流れに
この記事は「ギズモード・タイムマシン」──すこし前の今日って、何があったんだろう?未来から観察してみたら、懐かしさだけでなく、意外な発見だってあるかもしれません。
2023年3月30日、「ユタ州で子どもの夜間SNS使用を禁止する州法が成立」という記事を掲載しました。
当時は「自由の国アメリカでそんな規制が本当にできるのか?」という驚きを感じた人も多かったはず。遠い国の、少し過激な動向として受け止めていた人もいたかもしれません。
でも3年経った今、この「ユタの門限」は世界的なスタンダードになりつつあるようです。
2025年末にはオーストラリアが「16歳未満のSNS禁止」を国家レベルで施行。スペイン、フランスなどの欧州諸国、インドネシアやマレーシアといった国でも、未成年のSNSを制限する動きが進んでいます。
また、Metaなどのプラットフォーム側も、もはや規制を待たずに「ティーンアカウント」による自動制限を標準装備する時代になりました。
今読み返すと、この記事は子どもにとってのSNSが「開かれた場」から「保護された庭」へと変貌する歴史的な転換点を伝えていたことがわかります。
かつては個人のリテラシーの問題とされていたSNS利用も、もっと大きなスケールで管理される潮流ができ始めています。3年前のユタ州の試みは、ある種の予言的なものであったのかもしれません。
(以下、元記事を再編集のうえ掲載します)
今日の記事:ユタ州で子どもの夜間SNS使用を禁止する州法が成立
掲載日:2023年3月30日
著者:Thomas Germain - Gizmodo US[原文]( 岩田リョウコ )
親は子どもの投稿も閲覧可能に。
米ユタ州が子どものSNS利用について、結構強めの法案を成立させました。まず1つめは、18歳以下がInstagramやTikTokなどのSNSアプリを利用する際に親の同意が必要。2つめは、18歳以下は22時半から朝の6時半までSNSを利用禁止。
子どもとインターネットの関係に新しいスタンダードを作った形となります。アメリカ人の多くは、子どものSNS利用について何か対策が練られるべきと考えていますが、この方法はまた新たな問題を生むのではないかと賛否両論があります。
プライバシー侵害の拡大も
SNSの利用に関する取り組みは、珍しく民主党と共和党が団結しあって進めているプロジェクトの1つ。アーカンソー州、ルイジアナ州、オハイオ州、ニュージャージー州、テキサス州が、今回のユタの州法と同じような規制を進めているとのことです。去年カリフォルニア州では子供のプライバシー保護のための「年齢適正デザインコード(The Age Appropriate Design Code)」という法案に署名がされています。
子どもを守りたい気持ちは誰だって同じ。でも、どうやって守るかが大切ですよね。ユタの州法ではソーシャルメディアを運営するテック企業に、利用者の身分証明書や公式の書類を提出させることを義務付けるようですが、それによってテック企業がさらなる個人情報を手に入れることを許してしまうわけです。
テック企業の中でもこれについては賛成意見と反対意見に別れていて、「オンライン上で子どもを守るための第一歩だ」、「年齢確認のためだけはなく、親子関係も証明することになる」と賛成するところもあれば、「子どものプライバシーや言論の自由を侵害している」というところもあります。
米企業も大量の個人情報を握っている?
今回のユタの州法ですが、実は中国が2021年に制定した「子どものゲーム時間は週3時間まで」というゲーム中毒対策にとても似ています。ちなみに中国といえば、政府が企業に対してデータが欲しいといえば強制できるため、TikTokは中国政府に情報を共有しているとささやかれています。そんなTikTokをアメリカは、政府で働く人たちの公用スマホでは利用禁止する動きを見せています。
今度は大学。米国で次々と禁止になるTikTok
本当に中国政府がTikTokを通してユーザーのデータを収集していたとしたら、ゾッとするくらい世界中のTikTokユーザーのデータが握られていることになります。そんな状況を怖がっているアメリカ政府も、実は過去に国内でテック企業からデータを頂戴していたことが明らかになっています。
ユーザーのデータを横流ししている疑惑はTikTokだけの話ではありません。2020年に米ギズモードが行なった調査では、Facebook、Instagram、YouTube、そしてTwitterも中国の複数の企業とデータをシェアしていました。またアメリカ連邦政府は、テック産業にユーザーのプライバシー保護を破ることを許しているため、中国政府はアメリカの企業からデータを購入することができるのです。

