毎年来る自動車税の手紙…。そもそも自動車には様々な税金が存在する(画像は過去の納税通知書)

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クルマの売買はいつがお得? 年度末に知るべき税の仕組み

 クルマを所有すると様々な税金がかかります。

 以前から「税金多すぎ」という声が出ています。

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 とくに毎年4月1日時点の所有者に課される自動車税や軽自動車税は、年度末の売買においても意識しておくすべき制度です。

 ユーザーからは売買のタイミングについて疑問の声もあり、軽自動車と普通車での制度の違いも複雑さを生んでいます。

 今回は、クルマにかかる税金の基本から、税制の動向、売買のベストなタイミングについて整理します。

 クルマを購入する際には、車両本体の価格に加えて複数の税金を納める必要があります。

 取得したタイミングで課せられる税金は、車種によって異なります。

 地方税と国税が複雑に絡み合っており、ユーザーからは「購入時だけでなく維持費としての税金も複雑だ」という意見が聞かれます。

 まずは、クルマを買うときにかかる税金の内訳を整理します。

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【自動車の取得にかかる税金の種類】

 地方税:自動車税環境性能割、自動車税種別割、軽自動車税環境性能割、軽自動車税種別割、地方消費税などがあります。

 国税:自動車重量税、消費税があります。

■普通自動車の場合

 購入時には、自動車税環境性能割、自動車税種別割、地方消費税、自動車重量税、消費税が課税されます。

■軽自動車の場合

 購入時には、軽自動車税環境性能割、軽自動車税種別割、地方消費税、自動車重量税、消費税が課税されます。
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 これらの税金のうち、購入後の所有時にも継続してかかるのが、普通自動車に対する自動車税種別割と、軽自動車に対する軽自動車税種別割です。

 さらに、車検のタイミングでは国税である自動車重量税を納める仕組みとなっています。

 購入後、毎年継続してかかる「自動車税種別割」および「軽自動車税種別割」は、普通車と軽自動車で月割りの有無などの制度が大きく異なります。

 年度末の売買を考える上で、以下のポイントを押さえておく必要があります。

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●課税の対象者

 毎年4月1日現在、自動車検査証(車検証)に所有者として登録されている方に課税されます。

●所有権留保の場合

 ローン購入などで売主が所有権を留保している状態では、使用者として車検証に登録されている方が納税義務者となります。

●納付時期

 毎年4月末から5月上旬に納税通知書が送付され、5月末日もしくは6月上旬(一部自治体では6月上旬に納税通知書を送付、6月末を納付期限としています)までに支払う必要があります。

●普通自動車の月割り制度

 年度の途中で新規登録をした場合、登録月の翌月から年度末までの月数に応じて月割りで課税されます。

 年度の途中で手放した際も月割りで税金が戻る仕組みがあるため、いつ売買を行っても税金面での損得は発生しにくい構造です。

●軽自動車の月割り制度(なし)

 軽自動車には月割りの課税制度がありません。

 4月1日時点で所有していると1年分が課税され、年度途中で手放しても税金は戻ってきません。

 逆に言えば、4月2日に購入すると、その年度の税金は課税されない仕組みになっています。

●経年車とエコカーの特例措置

 環境性能に優れた車両は購入翌年度の税率が引き下げられる特例(軽課)があります。
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 なお現在、新車登録からガソリン車で13年、ディーゼル車で11年が経過した車両は、環境負荷が大きいとみなされ税金が加算(重課)されます。

 この点については「長く大切に乗っているのに負担が増すのは納得しがたい」という声も存在します。

環境性能割の廃止なら待つべき? クルマの売買はいつが良い?

 クルマの取得時にかかる「環境性能割」は、以前の自動車取得税に代わる形で導入された税金です。

 燃費性能等に応じて、クルマの取得価額に対して課税されます。

 環境性能割の税率は、自動車の燃費基準や排出ガス規制の達成度に応じた環境性能に基づき、0〜3%の間で設定されます。

 なお、クルマの取得価額が50万円以下の場合は課税されません。

 この環境性能割は、現在廃止の方向で調整が進められています。

 関連法案の成立を待つ段階であり、2026年4月以降には廃止される見通しとなっています。

 ユーザーの間でも「廃止されるまで新車の購入を待つべきか」という見方があります。

 税負担の軽減は歓迎される要素ですが、制度変更の過渡期においては、購入時期の判断に迷いを生じさせる要因となっています。

2025年度租税総収入の税目別内訳並びに自動車関係諸税の税収額(当初)(出典:自工会)

 これらの税制の違いや今後の動向を踏まえ、年度末におけるクルマの売買はいつ行うのが適しているのでしょうか。

 普通自動車と軽自動車の違いを考慮して整理します。

 まず、クルマを手放す(売却・廃車)場合です。

 普通自動車も軽自動車も、4月1日時点の所有者に対してその年度の税金が課されます。

 そのため、無駄な課税を避けるには、3月中旬までに売却や買い替えの手続きを完了させることが推奨されます。

 年度をまたいで4月1日を迎えてしまうと、1年分の納税義務が発生します。

 普通自動車であれば後に月割りで還付されますが、軽自動車の場合は還付がないため注意が必要です。

 次に、クルマを購入する場合です。

 普通自動車は購入した翌月から月割りで課税されるため、どのタイミングで購入しても税制面で極端な損得はありません。

 しかし、軽自動車の場合は4月2日に購入するのが有利なタイミングとされています。

 4月1日を過ぎてから取得することで、その年度分の軽自動車税が課税されないためです。

 また、これからクルマの購入を検討している場合、環境性能割の廃止を待つのであれば、関連法案の動向を見極めつつ、2026年4月以降に購入のタイミングを合わせるという選択肢も考えられます。

 税金の仕組みを正しく把握し、自身の乗り換え計画に合わせた手続きを行うことが重要です。