記事のポイント
デッドクールがベストセラーのミルクシリーズ第4弾「ミネラルミルク」を発売する。
前作モチミルクはセフォラで3カ月分の在庫をわずか3日で完売する大ヒットとなった。
ミルク系フレグランスはSNSのバイラル効果もあり、業界全体のトレンドとなっている。


フレグランスブランドのデッドクール(Dedcool)は、ベストセラーであるミルクシリーズの第4弾となるミネラルミルク(Mineral Milk)を3月に発売する。ネクター、ラベンダー、アンバーミルクを特徴とする香水だ。

今回の発売は、拡大を続けるミルクシリーズの成功に基づいている。

現在、ミルクシリーズにはオリジナルの「ミルク(Milk)」フレグランス、より濃厚な「エクストラミルク(Xtra Milk)」、2025年発売の「モチミルク(Mochi Milk)」が含まれる。

同ブランドは、ロサンゼルスにあるカフェチェーンのアルフレッドコーヒー(Alfred Coffee)の各店舗でミネラルミルクのティザー展開を行っており、現在すべてのドリンクにデッドクールブランドのスリーブが付けられている。

アルフレッドコーヒーでは、フレグランスのラベンダーノートにインスパイアされたデッドクールラテも販売しており、3月20日から3月22日までの期間中、購入者全員にフレグランスサンプルを無料で提供する予定だ。

また同ブランドは、一部のD2C顧客向けにこの香りを先行提供している。

人気のグルマンカテゴリー(食べ物をイメージさせる甘く濃厚な香りの系統)への戦略的参入であったモチミルクとは異なり、ミネラルミルクの着想は個人的なものだった。

「ここにはそれほど大きな『ホワイトスペース(市場の空白)』がなかった」と、創業者のカリーナ・チャズ氏は語った。

「(ミネラルミルクは)実は、ここ数年の私の人生における非常に個人的な瞬間と結びついている。ミルクシリーズの遊び心ある延長線上にあり、海辺で暮らし恋に落ちた時期へのさりげないオマージュだ。きっとベストセラーフレグランスのひとつになると確信している」。

モチミルク、セフォラ3カ月分の在庫を3日で完売



ミルクシリーズは、デッドクールを代表する香りとなっている。

2025年3月、グルマンフレグランスの人気が続くなか、同ブランドはマシュマロ、バニラビーンズ、スイートライスミルクの香りを特徴とするモチミルクを発売した。

「『よし、みんなグルマンを求めている。我々はグルメではないけれど、我々なりのグルマンを作ろう』という感じだった。我々が築いてきたミルクシリーズの世界について語り、もっと大きな声で広めていく必要がある。そこからモチミルクが生まれた」とチャズ氏は述べた。

その香りはまさにタイミングぴったりだった。コスメ小売大手のセフォラ(Sephora)で3カ月分を見込んでいた在庫がわずか3日間で完売し、ブランド当初予測の4倍の売上を記録した。

モチミルクの発売は、販売個数でブランドの前作であるオーラ(Aura)の7倍の規模となり、デビュー週にはブランド史上最高のソーシャルエンゲージメントを達成した。

「モチミルクが非常に好評だったことで、我々のミルクの世界を引き続き探求し、消費者が何に関心を持っているのかを理解することができた」とチャズ氏は語った。

SNS発の「ミルクマニア」が業界全体に拡大



デッドクールのミルクフレグランスの人気は、フレグランス業界のより広いトレンドを反映している。

ミルク系フレグランス、つまり、肌の自然な延長のように香ることを意図して作られた、柔らかくムスク系の「スキンセント」は、ここ数年でますます人気が高まっており、一因としてSNSでのバイラルな話題性がある。

「ここ数年の『ミルクマニア』は凄まじかった」と、TikTokでプロフェッサー・パフューム(Professor Perfume)として知られるフレグランスクリエイターのエメリア・オトゥール(40万5000人のフォロワー)は語った。

オトゥールは、クリエイター仲間のエマ・ヴァーノン(別名@perfumism)を挙げた。

ヴァーノンのバイラル動画シリーズは、イタリアのフレグランスブランドであるジャルディーニ・ディ・トスカーナ(Giardini Di Toscana)のビアンコラッテ(Bianco Latte)や、フレグランスブランドのコモディティー(Commodity)のミルク(Milk)といった香りを広めるのに貢献した。

「『ミルキー』な香り、とくにデッドクールのミルクファミリーのようなムスクやスキンセントのカテゴリーに寄ったものは、大衆的な魅力がとても大きいと思う。多くの人がフレグランスに求める、あの居心地のよい安らぎの感覚がある」とオトゥールは述べた。

「ミルク」のコンセプトはスキンケアでも人気を博している。

ヘイリー・ビーバー手がけるスキンケアブランドのロード(Rhode)は2023年、韓国の美容トレンドであるトナーフォーマットを取り入れたグレイジングミルク(Glazing Milk)を発売した。



さらに新しい製品としては、コスメブランドのイリア(Ilia)のザ・ベース・フェイス・ミルク・エッセンス(The Base Face Milk Essence)や、韓国コスメブランドのイニスフリー(Innisfree)のグリーンティー・セラミド・ミルク・トナー(Green Tea Ceramide Milk Toner)がある。

2026年初めには、フレグランスブランドのノイズ(Noyz)がこの2つのアイデアを融合させ、ミルキーなトナーフォーマットの香水であるオー・ド・ミルク(Eau de Mylk)を発売した。

13歳で作った香水が年商45億円規模のブランドへ



デッドクールのオリジナルのミルクは2020年にデビューし、すぐにブランドのベストセラーとなった。

アンバー、ベルガモット、ホワイトムスクのノートをブレンドしたフレグランスは、単独で身につけることも、ほかのデッドクールフレグランスと重ね付けできるレイヤリングフレグランスとして設計された。

ブランドのはじまりはさらに前に遡る。

チャズ氏は13歳のとき、バット・ミツバ(ユダヤ教の成人式)のパーティーの引き出物として香水を作った。香りはのちにトーント(Taunt)となり、現在もデッドクールのラインナップの一部として残っている。

「デッドクールは、私のパッションを注ぐプロジェクト、あるいは趣味以外の何かになるつもりはまったくなかった」とチャズ氏は語った。

チャズ氏は2016年に正式にブランドを立ち上げ、当初はクリーンビューティー小売店のクレド(Credo)や百貨店のバーニーズ(Barneys)などの小売店に参入した。

2022年にはセフォラに進出してさらなる拡大を果たし、まもなくミルクのより強いバージョンを求める顧客のリクエストが寄せられるようになった。これがエクストラミルクの発売につながった。

エクストラミルクは、オリジナルフレグランスのノートを増幅させ、主にレイヤリング用ではなく単独で身につけられるようにしたものだ。

2025年4月、投資会社のサンドブリッジ・キャピタル(Sandbridge Capital)は、2022年の初回投資に続いてブランドへの出資比率を引き上げた。取引条件は非公開だった。

デッドクールの2025年の年間純売上高は2500万ドル(約37億5000万円)から3000万ドル(約45億円)と推定されている。

[原文:Milk remains hot in fragrance - Dedcool aims to own the trend

Sara Spruch-Feiner(翻訳、編集:藏西隆介)