この記事をまとめると

■トランプ大統領は「アメ車が日本で売れない」と嘆いていた

■日本政府と自動車メーカーは「アメ車の輸入」を前向きに検討していた

■国土交通省はアメリカで販売されているクルマを日本で売る際のルールを簡素化すると発表

アメ車の導入がいよいよ本格化するか!?

 ちょうど1年ほど前の2025年1月20日、アメリカで第二次トランプ政権が誕生した。唯我独尊と言っても過言ではない、破天荒な政策を次々と打ち出し、世界をよくも悪くも混乱させているのは報道のとおり。

 そんなトランプ政権における言動は、我々クルマ好きも無視できない内容が多かった。そのひとつが、「日本のメーカーばかりアメリカでクルマを売っていて、アメリカのクルマは日本で全然売れないのは不平等じゃないか!(要約)」という発言。我々日本人からしたら現状、選択肢もほぼないので、「そりゃそうだろ」となるのだが、トランプ政権(とくにトランプ大統領本人)は超真剣。

 その結果どうなったかというと、今後の国同士の関係性という政治的背景もあってか、これも各社の報道のとおり、自動車メーカーや政府が「アメリカ生産のクルマを輸入することを検討します」というアナウンス。

 もしこうなった場合、日本のメーカーがアメリカにもつ工場で生産したクルマを日本に輸入する方向を検討中とのことだ。よって、クルマ好きからは「北米限定モデルのクルマを買えるってこと!?」と盛り上がった。さらに日本政府は、フォードの大人気ピックアップトラック、F150を公用車として導入するかもしれないなんて噂も出て、これまた盛り上がった。

 まだ検討(噂)段階だが、もし実現すれば、並行輸入でしか乗れないクルマを、一部とはいえ日本の正規ディーラーで買えることになる。クルマ好きが盛り上がるのも納得だ。USフリークにとっては夢のような話だ。

 とはいえ、クルマに詳しい人であれば、アメ車を日本で走らせるには、そのままではNGな場合があることをご存じだろう。ハンドル位置の左右についてはどちらでもOKなので、これについてはそれほど障害ではないが、最大の課題として、灯火類の壁がある。アメリカは右側通行の国なので、当然ながらヘッドライトは右側通行用の光軸となっている。なので、それをそのまま左側通行の日本にもってくると、対向車にとってヘッドライトが非常に眩しいことになったり、ドライバーも夜間、前が見にくかったりする。

 そのほかにも、ウインカーやレンズの色なども日本の仕様と異なる。現在の道路交通法だとこれらがNGとなる場合があり、車検を通す際に工夫が必要となってくる。なので、並行車はそのまま乗るのが難しいのが実情だ。

 なので、もし本当にアメ車を正規輸入する際、「法規的に難しくね?」、「これだけのためにレンズとかいろいろ作り直すとは思えないから、実際は入ってこないのでは?」という話題も、一部のクルマ好きからは出ていた。ただ一方で、ジャパンモビリティショー2025や東京オートサロン2026、大阪オートメッセ2026では、自動車メーカーは過去にないくらい、やたらと北米専売車を展示していて、本気度が垣間見える演出も少なくなかった。

 とはいえ、この件については正式なアナウンスがあったわけではないので、あくまで「検討中」「噂」の域を出なかった。なのでなんとでもいえたのが実情だ。しかし、ここにきてこのアメ車の正規輸入がかなり現実味を帯びてきたのだ。

アメ車をほぼそのまま乗れるようになる

 それが、国土交通省が2月16日に発表した「米国製乗用車の認定制度を創設します」というアナウンス。もう並んでいる文字からして「マジか!」といった具合。リリースには、以下のように書かれている。

 日本の交通環境における安全・安心を確保しつつ、関税に関する日米間の合意※を実施するため、米国製乗用車の認定制度を創設します。

※「2025年7月22日の日米間の枠組み合意についての共同声明」における日本のコミットメント(自動車基準関係抜粋)

○米国で製造され、かつ、米国で安全が認証された乗用車について、日本国内で販売のため追加試験なしで受入れ。

 (1)米国製乗用車の認定制度の創設

 米国で製作され、米国基準に適合する乗用車等(自動車メーカー等により米国から輸入された自動車であるものに限る。)について、安全性の確保及び公害の防止に係る措置が講じられることにより保安上及び公害防止上支障がないものとして国土交通大臣の認定を受けた場合は、保安基準に適合するものとみなすこととします。

 (2)その他国土交通大臣の認定を受けた自動車は、車体の後面に標識を表示するとともに、自動車検査証にその旨を記載することとします。

 簡単にいうと、アメリカで販売が認可されているクルマであれば、特別な手続きをせずにそのまま日本にもってきて販売できるということになるはず。文中には「安全性の確保」「公害防止」とあるので、見るからに危険な突起物や触媒がないみたいな極端な例は何か手を加えないといけないのかもしれないが、一般的な乗用車であればほぼ問題ないと読み取れる。

 なお、施行は公布の日としているので、もうすでにこの仕組みが始まっている。

 憧れの北米専売モデルが日本に続々と入ってくるXデーはすぐそこなのかもしれない。筆者的にはぜひ、ホンダのパスポートやパイロットの導入を熱望したいが……いかがだろうか?

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