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大分県中津市は、通常の取引ではなかなか買い手がつかない公共不動産をフリマサイトで売却する取り組みを進めています。開始から1年間で予想を上回る売れ行きで、財政効果は1千万円以上と試算されています。

【写真を見る】雨漏りペンションも築50年の旧保育園もフリマで完売…誰が何の目的で?公共不動産の売却で1千万円超の財政効果も

想像上回る取引ペース

不動産版のフリマサイトを活用し、遊休不動産の売却を進めてきた中津市。取り組み開始から1年で、旧町営の公共施設や荒廃した山林など掲載した5件すべてが売却されました。

フリマサイト運営会社KLC 小林弘典社長:
「公共不動産は一般個人が持っている不動産とはタイプが違い、良い意味で目立ち、想像を上回るハイスピードで取引が進んでいて驚いています」

公共不動産は、どんな人がどんな目的で購入しているのでしょうか。

20年前の市町村合併前まで旧耶馬渓町が運営していた築30年の「ペンション森の家」。福岡から移住した高島夏希さんが13万円で購入しました。外観はきれいに見えますが、中に入ると――。

高島夏希さん:
「雨漏りがこのような感じで…この床もはがし、全部修理しないといけないと思っています」

10室ほどの客室や調理室、ホールなど広さが433平方メートルの建物は、長い間使用されていなかったため、雨漏りや腐食が激しい箇所もあります。

九州大学大学院で微生物を研究してきた高島さんは、地道に修繕を行いながら、発酵食品の製造に活用したいと考えています。

高島夏希さん:
「ここでの生活は、何をやるにしても創意工夫が必要だし、すごく毎日が充実しています。コメがすごくおいしく、水がきれいなので、それを利用した麹づくりなど、地元の人に役立つような場所にしたい」

一方、旧本耶馬渓町の保育園の跡地は、地元で弁当店を営む小池彩代さんが購入しました。

小池彩代さん:
「インターネットに載っていて、あっ近くの知っているところだ!と思って購入しました」

築50年で価格は20万3千円。日当たりの良さなど環境に魅力を感じたものの、具体的な使い道は検討中です。

小池彩代さん:
「窓を開けると川のせせらぎが聞こえて、すごく気持ちの良い場所でした。ここで何かできたらいいなと思ったし、できなくても居場所になったらいいなと思っています」

遊休不動産が地域活性化に貢献

遊休不動産は、解体費用も高額で、定期的な見回りや草刈りなどの維持管理も負担となります。こうした中、中津市では5件の売却により、1千万円以上の財政効果と固定資産税の増収につながったと説明します。

中津市財政課 柳瀬亮太さん:
「『こんな物件は売れるはずがない』『解体しかない』といった意見が多い中、チャレンジしてみたら売ることができました。人の往来もあるし、地域活性化や地方創生の一歩になると感じています」

一般の不動産会社では利益が出にくい価格帯を専門に扱うフリマサイト。中津市の取り組みに関心を寄せる自治体も増えてきているといいます。

フリマサイト運営会社KLC 小林弘典社長:
「日々の維持管理費を考えると、少しでも早く処分を進めていった方がいいという考えは強いです。インターネットを活用しながら、いろんな人に情報発信をして積極的に取引していく手法は、どんどん進んでいくと思います」

情報を広く発信し、ニーズを掘り起こす不動産売買の新たな仕組みは、地域の活性化にも一役買いそうです。