[4.11 J1第10節 FC東京 1-1 柏 国立]

 シーズンが開幕してから10試合。暫定で3位につける柏レイソルにおいて、ボランチの27番が日に日に存在感を高めている。

 MF熊坂光希はルーキーイヤーの2024シーズンは、リーグ10試合に出場していたが、先発は1試合のみにとどまり、合計出場時間はわずか197分だった。ところが迎えた2025シーズン、リカルド・ロドリゲスが柏の新監督に就くと、プレシーズンマッチのちばぎんカップ・千葉戦で先発に抜擢。1週間後のJ1開幕節でもスタメンに起用されると、開幕から全10試合で先発フル出場(900分)をはたし、森保一日本代表監督からも一目置かれる存在までに名を高めている。

「ホントに自分の力が1番出しやすいサッカーをできている」と熊坂自身も、“リカルドサッカー”との相性の良さを認めている。

 FC東京戦では最後に大きな仕事をやってのけた。0-1で迎えた後半アディショナルタイム、MF中島舜のパスを右サイド深い位置に飛び出して受けると、「何か起こればいいかなと思って、早いボールを出ました」(熊坂)と速くて低いクロスを入れる。ボールはFC東京の選手に少し当たりながらもゴール前に向かうと、中央でFW木下康介が押し込み、柏が土壇場で同点に追いついた。

 周囲の喧騒をよそに、取材に答える姿はピッチでのプレー同様、地に足がついて浮ついている様子はない。この日は、ちばぎんカップからダブルボランチを形成していたMF原川力ではなく、同じ柏アカデミー出身のMF山田雄士とコンビを組んだ。熊坂が高校2年のときには、1学年上の山田は10番を背負う柏U-18の中心選手。高校3年の夏には第2種契約でトップチームに登録されていた存在だった。一方の熊坂は2年時はプレミアリーグでの出場はなく、3年時でもわずか1試合のみ。東京国際大学を経て、トップチームに合流した。

 山田が2列目を主戦場とする選手であることもあり、アカデミー時代を通しても山田とのダブルボランチは初だという。そのことに話を向けると、「確かに言われてみればそうですね」と笑みをこぼす。「レイソルユースで育ってきた選手なので。お互いに気を使える感じはあると思うので、そこにやりづらさとかはなかったし、お互いに見れてしっかりできたかなっていう風に思います」と熊坂が振り返れば、山田も「(熊坂は)まぁ、うまいんで。うまく頼りながら、バランス取りながらできたかなって思います」と評していた。

(取材・文 奥山典幸)