孤独との付き合い方、仲間との向き合い方――明日海りおのまっすぐな眼差し

1972年の発表以来、50年近く愛され続ける萩尾望都「ポーの一族」。
この名作漫画を原作とした舞台に元宝塚歌劇団・花組トップスターの明日海りおさんが再び挑戦されることが2020年9月に発表され、大きな話題となりました。

宝塚歌劇団時代の2018年に主役エドガー・ポーツネルを演じ絶賛された明日海さん。退団後の初舞台で同役に臨まれる彼女に、心境を伺いました。


――「ポーの一族」は「ひとりではさびしすぎる」というセリフに象徴されるように、テーマの一つに「生きることの孤独」がある作品かと思います。
明日海さん自身は孤独を感じた際に、どのように解消されていますか?

うーん、何が原因で孤独を感じるかにもよるので、まずは理由を考えます。
今年のSTAY HOMEみたいに、人と会えなくて寂しいことが原因だったら、今の時代は解消するすべが色々ありますし。
「自分の気持ちを、誰にもわかってもらえない」ことが原因なら…私の場合は、ひたすら耐え忍ぶ。今はそういう時期なんだなって受け入れて、芸の肥やしにしようと考えます。孤独を解消しようとするよりは、身を任せるイメージです。

――解消しようとジタバタしたり、無理に紛らわせようとしないのが明日海さん流なんですね。
作品の中で、エドガーは孤独ではありますが、妹メリーベルやアランがいて、仲間がいる状態が基本です。明日海さんはひとりっ子でいらっしゃるし、男役トップスターを経験されるなかで、エドガーをうらやましく思う瞬間はなかったですか?

エドガーをうらやましいと思ったことは…なかったですね〜。すごく愛らしい妹がいるというのは憧れますけど。
組を背負っている時期は、大変なことや共有できないことがありつつも、幸せや充実感を得られてもいました。孤独を感じるときと、ひとりじゃない幸せに包まれるときとを、使い分けていたような気がするんです。

私は好きでこの道を選んでいますけど、エドガーって自分の意志とは関係なく、幼い頃にヴァンパネラの世界に入れられて、メリーベルしかそばにいなくて…そういうことを考えると、本当に胸がキュッとしますね。

――「自分でキャリアを選んだ」という自負・自覚を糧に、様々なプレッシャーを乗り越えてこられたこと、すごく格好いいです。とはいえ、大変だったこともあるのではないでしょうか。人間ではない役を演じる苦労とか…。

大変だと思ったのは、時間に追われていた時でしょうか。覚えること、やることが多くて、もっとお稽古したいのに時間が足りなくて。舞台には常にコンディション万全で望みたいのに、睡眠がとれなかったり。
人間の役であっても、人間でなくても、役を作ることを苦労だと捉えたことはないです。本当に好きでやっていたので。
どっちかというと一般的な、日常のことの方が悩みでした。人間関係とか、誰々とケンカしたとか。宝塚歌劇団は団体生活なので。


――日常生活と聞くと、同期で寮の同室だった、現雪組トップスター男役・望海風斗さんについて考えてしまいます。

だいもん(望海風斗さんの愛称)は…本当に誰よりも真面目で、でもデリケートな部分も持っていて。すごいしっかりしてますけど、ナイーブな一面がやっぱりあるんですよ。
なんだろう…私の方がちょっと年下なんですけど、性格的には私よりずっと「女子」なタイプなんです、だいもんは。
宝塚という場所で同じ仲間として、ひとりの人間が大人になるまでの期間を一緒に過ごしてきたので、そんな繊細な彼女がいま宝塚の柱として活躍しているのを見ると、本当に大好きだなあと感じますし、すごいなと思います。

――今回の「ポーの一族」では同期の89期生の方々(シーラ役・夢咲ねねさん、レイチェル役・純矢ちとせさん)とも共演されますが、もうお話はされましたか?

お稽古が始まっていないので実際に会ってはいないんですけど、同期とは「楽しみだね」ってLINEでやりとりしています。
他の共演者の方だと、千葉雄大さんとは一緒に取材を受けたり。

――「大人の男性」である千葉さんと、「大人の女性」である明日海さん。おふたりが同じ「少年」というジェンダーを演じること、観る側としては新鮮で楽しみなんですが、前回と演じられた時との違いや発見はありそうですか?

まだ未知ではあるんですが、違和感なく観ていただけるんじゃないかなと思います。千葉さんは映像のお仕事が中心、私は舞台中心で、これまで接点がなかったふたりが同じお芝居で出会うのが、今はただ楽しみです。
「女性だから・男性だから」というよりも、「エドガーとアラン」として、絆を表現できると思います。

「男性とお芝居するのって緊張するのかな?」みたいな不安もあるにはあったんですけど…千葉さんは表現することがすごくお好きな方だと実際にお話して感じたので、「アランを演じる人」として、これから協力体制でがんばっていこうと思います。

――再演ということで、心境の変化や、3年前とは違いが出そうなシーンはありそうですか?

エドガーを初めて演じたあのときは、あのメンバーとスタッフで心から最高のものを作ったつもりで、愛着や思い出もたくさんあるので…どこか「変わりたくない」みたいな気持ちも、実はあるんです。

でも今回、男性のキャストも入ることで宝塚版よりも原作の漫画の世界に忠実になる側面も生まれてきます。そのあたりがどう作用してくるのか、せっかく再演の機会を頂いたので、このバージョンも一つの良い作品としてしっかり完成させたいです。

――1月開幕なので、2021年の初観劇が「ポーの一族」になる方や、感染症の流行が落ち着いて久しぶりの舞台がこの作品になる、という方も多くいらっしゃるかと思います。観劇予定の方にメッセージをお願いします。

いまの時代は本当に便利で、生配信など楽しめる手段がたくさんあります。それでも、観てくださる方と同じ空間でお芝居ができることは、本当に幸せで。
感染症対策はできる限りこちらで実施しますので、ぜひ劇場で「ポーの一族」の世界に浸っていただけたら、そして心を揺さぶる作品にできたらと思います。


撮影/野原誠治 ヘア&メイク/山下景子(KOHL) スタイリング/大沼こずえ(eleven.) 取材・文/坂中愛実
衣装協力/ストライプブラウス、パンツ(共にスタンブリー tel: 03-6748-0212)、イヤリング(CASUCA/CASUCA 表参道本店 tel:03-5778-9168)、パンプス ※スタイリスト私物

●作品情報●


ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』

原作:萩尾望都「ポーの一族」(小学館フラワーコミックス)
脚本・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
【大阪】2021年1月11日(月祝)〜1月26日(火)梅田芸術劇場 メインホ ール
【東京】2021年2月3日(水)〜2月17日(水)東京国際フォーラム ホールC


・梅田芸術劇場ネット会員先行チケット抽選
 10月20日(火)11:00 〜 10月24日(土)11:00

・公式サイト:
 https://www.umegei.com/poenoichizoku/
・Twitter:@poe_musical

●サイン入りポラプレゼント●


今回インタビューをさせていただいた、明日海りおさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。下記の項目をご確認のうえ、奮ってご応募ください。

○応募方法○
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT

○受付期間○
2020年10月20日(火)11:00〜10月26日(月)11:00

○当選者確定フロー○
・当選者発表日/10月27日(火)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから10月27日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月30日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

○キャンペーン規約○
・複数回応募されても当選確率は上がりません。
・賞品発送先は日本国内のみです。
・応募にかかる通信料などはお客様のご負担となります。
・応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
・賞品の指定はできません。
・賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
・本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
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