井上尚弥【写真:Getty images】

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年間MVP候補4人の中から井上を選出

 米ヤフースポーツは27日(日本時間28日)に2019年のボクシング年間最優秀男子ファイターを発表。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級大会で優勝したWBAスーパー&IBF王者・井上尚弥(大橋)を選出している。英公共放送BBCも年間最優秀選手に選出していたが、欧米で今年の顔として認められたことになる。

 2019年の年の瀬、海外メディアでは今年のボクシング界を振り返っての様々な表彰企画を展開しているが、米ヤフースポーツも「年間最優秀男子ファイター エリートチャンピオンの大混戦で困難な選択」と見出しで特集している。

 まずは受賞候補者を発表。6階級王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)、4階級王者のカネロこと、サウル・アルバレス(メキシコ)、WBSSスーパーライト級大会優勝のジョシュ・テイラー(英国)、そして、井上と4選手の名前が挙がった。

 41歳にして世界王者に君臨するレジェンドのパッキャオ、WBSS決勝でレジス・プログレイス(米国)との名勝負を制したテイラーの活躍も評価しながらも、「ファイナリストは2人。カネロ・アルバレスとナオヤ・イノウエは世界のパウンド・フォー・パウンド最強という伝説の栄誉の正当候補でもある」と最終的には一騎打ちとなったことを紹介している。

 アルバレスは5月のミドル級世界3団体統一戦でダニエル・ジェイコブス(米国)に勝利。11月のWBOライトヘビー級タイトルマッチではセルゲイ・コバレフ(ロシア)を11回でKOし、4階級制覇を達成した。

ドネアとの「非凡な」頂上決戦が選考の決め手に

 一方、井上も2019年に歴史に名を残した。「イノウエはWBSSバンタム級大会を制覇した。おそらくWBSSが集結させた最高のフィールド相手に成し遂げた。無敗だったマニー・ロドリゲス相手の2ラウンドKOで幕を開けた。2回に3度もダウンさせた」とタレント豊富だったバンタム級大会を制覇した功績を高く評価した。

「そして、ここ数年で最も魅力的なファイトの1つがやってきた。非凡なるノニト・ドネアとのスリリングなバトルを制し、イノウエはアリ・トロフィーを勝ち取った」と海外メディアが続々「年間最高試合」に選出している頂上決戦を絶賛。「ドラマ・イン・サイタマ」と銘打たれたこの一戦で勝利したことがMVP選出の要因となったようだ。

「これ(ドネア戦)が2019年ヤフースポーツ男性最優秀ボクサー足らしめたものだ。4人の中で誰かに傾いてしまうかもしれないが、議論の余地もあるかもしれない。それでも、イノウエは優れた対戦相手に印象的で、ほぼ圧倒的な勝利を重ねた。それで彼に軍配は挙がったのだ」

 カネロ、パッキャオ、テイラーという名だたる猛者を押しのけて、2019年ボクシング界の顔と認められたモンスター。世界的な名声をまたしても高めることになった。(THE ANSWER編集部)