インスタやYouTubeの動画投稿が変わる!ムービーカメラに革命が起こすDJI「Osmo Pocket」のスゴさとは

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DJI JAPANは12月15日に手のひらサイズの3軸ジンバルカメラ「Osmo Pocket」を発売する。価格は44,900円(税込)。

価格は、他社のアクションカムと同等ながら、
本体に「3軸ジンバル」を搭載した驚異的な製品だ。

ムービーカメラの常識を破壊するほどインパクトのある製品ではあるが、
アクションカムに求められる
・耐久性
・防水機能
がないなど、競合製品とは異なる部分も多い。

「GoPro」などのアクションカムは、
バイクやトレッキングといった用途以外にも、海やプールでの自撮り動画撮影用のコンパクトなカメラとしての用途もある。

Instagram上で「GoPro女子」が流行ったように、スマートフォンでは撮影できないシーンや、スマートフォンとは異なるGoPro画質での撮影に自分らしさを出せる。
このあたりが、「GoPro」など、既存のアクションカムが人気を得ている秘密だ。

一方新製品のOsmo Pocketも、映像製作に利用できるだけでなく、こうした家族や友だち、恋人との思い出を記録するカメラとしても流行りそうな予見もある。

現在のGoProは、プロのニーズに対応すべく映像のチューニングも進化している。
最新モデルである「GoPro Hero7」では電子手ブレ補正も進化し、走りながら撮影してもブレが少ない映像が撮影できる。

さらに超広角レンズでの撮影は、セルフィーの際に背景を広く写すことができる。
指先でつまめるコンパクトなカメラで動画も静止画もハイクオリティな撮影を可能としている。

これがGoProの魅力である。

一方のOsmo Pocketは、手持ちで動画撮影してもフラフラ揺れずに安定した映像が撮影できる「3軸ジンバル」をカメラユニットに搭載している。
ここがGoProにはない魅力だ。


電子手ブレ補正は、ブレた場合でも前の映像と同じエリアを切り出すことでブレてないように見せている

GoProなど一般的なアクションカムに搭載されている電子手ブレ補正は、
あくまでソフトウェア機能なので、比較的、容易に搭載することができる。
その仕組みを簡単に説明すると、
撮影した映像の70%の範囲を記録範囲だとする。
下方向にブレた場合は、それを打ち消すように記録範囲を上に動してブレを補正するのだ。

ただし、記録範囲を小さくして余白を大きくすれば、ブレ補正の効きが良くなるが、映る映像は狭くなり、画質も低下する。
その逆に記録範囲を大きくすれば、映る映像は広くなるが、補正の効きは悪くなる。

電子手ブレ補正で、手持ちやヘルメットなどに取り付けて撮影する場合、
前後左右の揺れや回転などの不安定要素は大きくなり、電子手ブレ補正では補正しきれないこともある。


3軸ジンバルでも傾いてもカメラは水平・垂直を保っている

一方Osmo Pocketの「3軸ジンバル」などのハードウェアで補正行う場合、
例えば、撮影中に手首が前後に動いてしまっても、センサーとモーターの制御でカメラを水平に保ち続け、ブレを補正することができる。

もしこの「3軸ジンバル」などがなければ、どんな映像になってしまうのか?
手ブレは、上下に揺れるだけではない。
・歩きながら水平を保っているつもりでも、回転してしまう
・足の踏み出しに合わせて、カメラが上下左右に向きが変わり傾いてしまう
などする。

その結果、
・フラフラと安定しない揺れた映像となる
・観ていると酔ってしまう
つまり長時間の映像記録には向かない・・・なんてことになってしまうのである。

Osmo Pocketは、こうした不安定な要素を3軸ジンバルで解決することで、映像の安定化とデジタル補正による映像の損失が少ない高画質を実現している。



そしてこの仕組みが仰々しい、ゴツい本体ではなく、スティック形状のスマートなカメラに収めていることがDJIの技術の凄いところである。

DJIといえば、大型のドローンから小型のドローンまで、空撮用の製品を多数世に出しているパイオニアなメーカー。

この3軸ジンバルは、ドローンの動画撮影で培った技術によるものだ。
空撮に使用するドローンの揺れに対する補正の制御や、テレビや映画などにも使用される映像のソフトウェアなどの実績により、安心して利用できるのである。

Osmo Pocketは、大がかりなムービーカメラを用意しなくても、ポケットから取り出したですぐに高品質な映像が記録できる。
この手軽さが、
・街歩き、散歩映像
・旅行の記録
・動画投稿サイト用の映像製作
など、様々なニーズに刺さる製品になるのではないだろうか。

また、Osmo Pocketが成功することで、様々なメーカーからコンパクトな3軸ジンバルカメラが登場し、技術競争により、さら使い勝手のよい製品が誕生してくることにも期待したい。

その競合製品のなかには、是非、ソニーやパナソニックなど日本のメーカーも参入して、市場を盛り上げて欲しいものである。


執筆  mi2_303