スマホの健康管理に新デバイスは不要! 無料のiPhoneとAndroid標準アプリでスタートする方法

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毎日持ち歩くスマートフォンを健康管理に活用するシリーズ。
これまで
「AirPods」
「Apple Watch」
「スマートスケール」
など、スマホとセットで使うデバイスを中心に取り上げてきました。
そして上記以外の“ウェアラブルデバイス”と呼ばれる、身につけて歩数や移動距離、心拍数などが記録できる製品も市場には多く存在しています。

しかし、

「スマホなどを使って健康管理をはじめてみたい」

となった場合、新しいデバイスを買わないとできないのか?

「新しいデバイスを買うことには抵抗がある」

という人も多いかもしれません。

そんな人はまず、現在のiPhoneとAndroidスマホの健康管理の基本アプリを使ってみましょう。それぞれAppleとGoogleから標準で提供されており、新規にデバイスなどを用意しなくても健康管理をはじめらます。

今回はiOSアプリ「ヘルスケア」とAndroidアプリ「Google Fit」をおさらいします。


●AppleがiOSデバイス向けに提供する「ヘルスケア」

「ヘルスケア」は、
iPhoneをはじめとする“iOSデバイス”向けにAppleが提供する健康管理アプリです。
iPhoneに最初からインストールされているアプリであり、使ったことがなくとも「アイコンに見覚えがある」なんて人は多いはず。


はじめからインストールされている「ヘルスケア」アプリ


ヘルスケアはiPhoneに内蔵されるセンサーを使います。
ユーザーはiPhoneを持ち歩くだけ。こうすることで1日の
「移動距離」
「上った回数(上方向への移動距離)」
「歩数」
これらをカウントしてくれます。


iPhone単体で記録できる3種類のデータ


iPhone単体で記録できる情報は3種類のみとシンプル。しかしiPhoneを持ち歩くだけで自動に情報が記録される手軽さは大きな魅力です。

アプリでは1日単位で活動内容を振り返ったり、移動距離など各情報をさらに掘り下げてチェックしたり、ざっくりとした概要から詳細なデータまで確認できます。


各項目は1時間単位で詳細に振り返ることもできる



各項目は1時間単位で詳細に振り返ることもできる


ヘルスケアは、Appleが開発するiOS向け基本アプリであるため、
・iPhoneと連携して使う「Apple Watch」
・他社製のフィットネスデバイス
これらで記録した情報も一元で管理できます。


Apple Watchやスマートスケールと組み合わせた場合のアプリ画面


筆者も日々Apple Watchで記録した消費カロリーや心拍数、スマートスケールで記録した体重や体脂肪率はヘルスケアにて一元管理しています。

細かく情報を振り返る場合は、各デバイスの専用アプリを使うこともありますが、毎日のざっくりとした概要確認はヘルスケアだけでおこなっています。


●GoogleがAndroid OS向けに提供する「Google Fit」
「Google Fit(グーグルフィット)」は、多様なメーカーから発売されているAndroid OS搭載スマホ(以下、Androidスマホ)向けに提供されているGoogleの標準 健康管理アプリです。
こちらはAndroidスマホ向けの公式アプリストア・Google Playからインストールして使います。


Google Playで「Google Fit」と検索すれば見つけられる


Google Fitでできることも、前述のヘルスケアとおおよそ同じです。
Google Fitもスマホに内蔵されるセンサーを使います。
あとはただスマホを持ち歩くだけ。こうすることで1日の
「運動時間(標準強度/強めの強度)」
「歩数」
「消費カロリー」
「移動距離」
これらをカウントします。


Google Fitのメイン画面


ヘルスケアと大きく異なるポイントは、スマホ単体で
「消費カロリー」の計算
「運動時の移動ルート」の記録
などもできること。
消費カロリーをより正確に計算させるためには、ユーザープロフィールとして「性別」「生年月日」「体重」「身長」などを登録して使います。


ユーザープロフィールの登録画面



運動時間は時系列で表示。タップすると移動ルートを含む詳細も確認できる


Google FitもAndroidスマホと連携して使える豊富なデバイスとデータの共有が可能です。Googleが開発するウェアラブルデバイス用OS「Wear OS by Google(旧Android Wear)」搭載のスマートウォッチで記録した心拍数などをGoogle Fitで一元管理できます。


●過去の記録はクラウド保存! 同一OS間なら機種変更時も手間いらず
健康管理は継続して取り組むことが大切です。
長く取り組む中で気になることが、「機種変更でのデータ移行の手間」です。

電話帳やメールの移行は機種変更時に店舗スタッフの方におまかせできるとしても、健康情報や記録データの移行は「覗かれるのが恥ずかしい」など、抵抗がある人も多いはず。

しかしAppleの「ヘルスケア」とGoogleの「Google Fit」の場合、
・iOSデバイスからiOSデバイス
・AndroidデバイスからAndroidデバイス
これら “同一OS間での機種変更”ならデータ移行の手間がほぼありません。

ヘルスケアは、Appleのクラウドストレージサービス「iCloud」
Google Fitは、Googleアカウント
これらに紐づけられてデータが保管されています。
したがって
・新しいiPhoneでApple IDでサインインする
・新しいAndroidスマホにGoogleアカウントでログインする
これだけで、過去のデータはすぐに再び利用できます。

ひとつ気をつけたいのは2018年10月現在、ヘルスケアとGoogle Fit間での直接のデータインポート・エクスポートはできないことです。

iPhoneからAndroidスマホへ(またはAndroidスマホからiPhoneへ)機種変更する場合、過去の健康情報を引き継ぎたければ、ヘルスケアとGoogle Fit両方に連携できるサードパーティー製アプリを活用するなど工夫が必要です。

スマホを使った健康管理。
新しいデバイスを買っても果たして継続できるだろうか……と心配な人は、第一歩として各OS向けに提供されている基本アプリの活用からはじめてみてはいかがでしょうか。

そして継続と過去データの振り返りを通じて「移動距離や消費カロリーをより精度高く記録したい」「心拍数も追跡してみたい」など注力したいポイントが見つかったら、それにあったデバイスを買って使ってみる。

こうした“一歩ずつのステップアップ”も、無理なく取り組むための段取りとして有効であり、オススメです。


まきはら とよかず