学生の窓口編集部

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さまざまな「もの」の材料である「元素」。スイ、ヘイ、リー、ベなんて読み方で覚えた「周期表」がいわば元素の一覧表ですが、ここに記載されていないあらたな元素を作れるのは知っていますか?

原子番号が92を超える元素は「超ウラン元素」と呼ばれ、自然界に存在する量はごくわずか、ほとんどが人工的に作られた元素です。最近の研究により113番目の元素が作られ、材料はなんと30番・亜鉛と83番・ビスマス。冗談に聞こえるかも知れませんが、元素の世界では30+83=113と「数合わせ」が通用するのです。

■酸素も炭素も材料は「同じ」

水素は燃えるのに対し、酸素は燃やす側で、性質がまったく異なるのはご存じでしょう。違う元素だから、と言ってしまえばそれまでですが、厳密に言えば、違いは材料となる電子や陽子などの「数」だけ。ヘリウムや炭素などほかの元素も同様で、もとをたどれば同じ材料で作られているのです。

理科の授業で習った「周期表」は、どんな順番で並んでいるのでしょうか? 発見された順ではなく、その元素が持っている「電子」の数順で、

 ・原子番号 = 電子の数 = 陽子の数

つまり1番の水素は電子を1つしか持っていないのに対し、8番・酸素は8つ持っていることを意味しています。

また、周期表に載っているのに、じつは自然界に存在しない元素もあります。93番目のネプツニウムからは「超ウラン元素」と呼ばれ、基本は人工、自然界にはごく微量しか存在しません。たとえば96番のキュリウムは、84番・ポロニウムをもとに作られたもので、名前はポロニウムの発見者であるキュリー夫人に由来し、

 ・ポロニウム … キュリー夫人の祖国ポーランドが由来

 ・キュリウム … 発見したのはアメリカの科学者シーボーグ

と、発見または作ったひとが名前を決められるルールが存在します。

元素って作れるの? とギモンに思うでしょうが、もっとも身近なものは太陽で、水素を合体させて2番・ヘリウムを作り出すことで熱と光を放っています。真っ赤に燃える、と表現されますが、じつは燃えているのではなく核融合によって輝いているのです。

■寿命はわずか0.0007秒

あたらしい元素は、どうやって作るのでしょうか? 原理はきわめてシンプルで、2つの元素をぶつけて合体させるだけ。ただし目に見えないサイズの元素を、光速の10分の1といったスピードでぶつけなければなりません。これは極めて難易度が高いことで、多くの国が必死に研究しているのに多数登場しないのもこれが理由です。

また、あたらしくできる元素は、

 ・113番 … 83番・ビスマス と 30番・亜鉛

 ・116番 … 96番・キュリウム と 20番・カルシウム

と基本は「数合わせ」。なんて安直! と思うかも知れませんが、材料となる電子や陽子の数を考えれば当然の結果なのです。

ただし、あたらしい元素の寿命はきわめて短時間で、113番を作ってもおよそ1万分の7秒で111番、2分も経つと101番と、番号の小さい原子になってしまいます。これは超ウラン原子が自然界にほとんど存在しないのと同じく崩壊(ほうかい)してしまうからで、いわば高額すぎる一発芸なのです。

今回発見された113番元素は、日本の理化学研究所が命名権を獲得しました。メイド・イン・ジャパンの元素にどんな名前が付けられるのか楽しみにしましょう。

■まとめ

 ・水素や酸素など性質の異なる元素も、材料の「数」が違うだけ

 ・周期表に記載された元素の順番は、持っている電子の「数」順

 ・93番・ネプツニウム以降は、ほとんど存在しない人工元素

 ・96番・キュリウム+20番・カルシウム=116番・リバモリウムと「数合わせ」で作る

(関口 寿/ガリレオワークス)