日本行きのビザ手数料が5倍に、今あえて日本へ行く必要はあるか?―中国人ジャーナリスト
中国紙・環球時報の元編集長でジャーナリストの胡錫進(フー・シージン)氏は21日、日本の外国人向けビザ(査証)発行手数料が5倍に引き上げられることについて、自身の見解をSNS・微博(ウェイボー)のアカウントに投稿した。
日本政府は19日、外国人向けのビザ発行手数料の値上げを閣議決定した。7月1日の申請分から、1回に限り入国できる「一次ビザ」は3000円から1万5000円に、複数回入国できる「数次ビザ」は6000円から3万円に引き上げられる。
胡氏は「日本のビザ料金が5倍に値上げされる。先進国や香港、マカオ、台湾は日本と相互ビザ免除の対象となっているため、最も大きな影響を受けるのは中国本土の旅行者だ」としつつ、「ただこれは日本が中国本土の旅行者だけを狙ったものではない。これまで日本のビザ手数料は先進国の中では比較的低い水準にあり、今回の措置は欧米諸国の水準に合わせるものだろう」と述べた。
一方で、「実際に最も影響を受けるのは中国本土の旅行者だ」とし、「旅行好きにとって、日本は訪れる価値のある国だ。しかし、現在の日中関係の緊張した状況を考えると、少なくとも当面の間は日本を旅行先の候補から外す理由も十分にある」と言及。「私はこれまで何度か日本を訪れたが、いずれも記者としての取材だった。外務省高官や国会議員、企業家、学者のほか、日本の家庭や地域社会も取材し、早朝4〜5時に農産物卸売市場の取材も行ったことがある」と振り返った。
そして、「観光客として街を歩いたり観光地を見たりすることには、私はほとんど興味がない。私から見れば、日本の街並みは近代的ではあるものの、基本的に大きな特色はない。ショッピングモールで買い物をしているのは高齢者が多く、街角のカフェもごく普通だ。人々の外見も似ており、上海や香港、韓国の都市を歩くのと大差ない。街を歩いていると、外国に来ているという感覚が薄れることさえある」とした。
また、「今では日本で買うべきものもそれほど多くない」とも指摘。「かつては化粧品やユニクロ、無印良品の商品を買って持ち帰る人もいたが、現在では中国国内のショッピングモールに多数出店している。アウトレットモールも以前は日本の方が規模が大きかった印象だが、中国国内にも世界各地にも増えており、その魅力は薄れている」と論じた。
その上で、「日本には遠方からわざわざ訪れる価値のある観光名所がどれほどあるだろうか。考えてみてもなかなか思い浮かばない。最も有名なのは富士山だが、遠くから眺める程度だ。日本の文化・歴史的名所には、エッフェル塔やルーブル美術館、大英博物館のような世界的な象徴に匹敵するものはない」と主張。「言いたいのは、記者としては日本に大いに関心を抱いていたが、観光客として見ればごく普通の旅行先ということだ」とつづった。
胡氏は、「日本は社会や生活文化が中国の先進都市と似ている。7月1日からビザの手数料が大幅に値上げされることで日本旅行のコストも上昇し、従来の優位性がさらに薄れることになる」と強調。「私は当面日本へ行く予定はない。自分には直接関係ないが、ビザ手数料の値上げによって、より多くの人民元が日本の国庫に流れ込むことにやや不快感を覚える。世界には魅力的な旅行先が数多くあるのだから、なぜ今あえて日本へ行く必要があるというのか」と問い掛けた。
そして、「日本の現政権は非常に反中的で、今旅行すれば嫌な思いをするリスクは以前よりも高い」とし、「どこへ旅行するかは個人の自由であり、道徳的な圧力をかけるつもりはまったくない。ただ一つの考えとして述べているだけだ。私の考えが正しいかどうかは、それぞれで判断してほしい」と結んだ。
これに、中国のネットユーザーからは「胡氏の主張を支持する」「その通りだ。今の時期に日本に行くやつの気が知れない」「日本に行く気など毛頭ない」「なぜわざわざ日本に行くんだ?」「世界には素晴らしい国がたくさんある。日本でなければいけない理由などない」といった声が上がった。
一方で、「日本に旅行に行こうという人が、それっぽっちの金額を気にするかよ」「高くない。明日手続してくるよ」「日本は今でも上海人が一番選んでいる旅行先」「いつかビザ免除になるといいな」「日本に見るべき観光地がないって、でたらめなことを」「日本は雄大な景色こそないが、絶対に一度は旅行すべき国」「日本の街なかの副流煙は中国の主要都市よりずっと少ない。国内は室内全面禁煙ですらない」「機会があれば行ってみるといい。いろんなことが分かるよ」といったコメントが寄せられた。
また、「胡氏の言う通り。ミャンマーやカンボジアやロシアはビザ免除だぞ」と中国人が事件・事故に巻き込まれた国ばかりを挙げて皮肉るユーザーや、「日本に行くなと言いながら、日本がビザ料金を値上げすることには不満げ。これは論理的に整合しているのだろうか」とツッコミを入れるユーザーもいた。(翻訳・編集/北田)
