今週の日経225先物は、波乱の相場展開になりそうだ。5日の米国市場では主要な株価指数が大幅に下落した。特にナスダックは4%を超える急落となった。5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比17.2万人増と予想(8.8万人増程度)を大きく上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ観測が高まった。米長期金利が上昇し、相対的な割高感から半導体やAI(人工知能)関連株には利益確定の売りが強まった。

 これまで相場を牽引してきたAI関連株については過熱感が警戒されていたが、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数が10%を超す急落を演じたことにより、一気にポジションを圧縮する動きが強まる可能性がある。このため、先物市場では先回り的にヘッジ対応のショートの動きが警戒されやすい。

 シカゴ日経平均先物は、日中比2645円安の6万4025円だった。5日取引終了後の日経225先物は日中比10円高の6万6680円で始まり、6万7170円まで買われる場面みられた。しかし、米雇用統計の結果を受けた米国市場の下落により、下へのバイアスが強まり、終盤にかけて6万3500円まで下落幅を広げ、日中比2850円安の6万3820円でナイトセッションの取引を終えている。

 日経225先物はこれまで継続していたボリンジャーバンドの+1σ(6万6210円)と+2σ(6万8780円)とのレンジを一気に割り込み、中心値となる25日移動平均線(6万3640円)水準まで下落した。週初はショートの動きが集中することで、イレギュラー的に下へのバイアスが強まるとみられ、中心値を割り込んでくる可能性もあろう。5月の調整局面ではいったん中心値を割り込んだものの、概ね同水準が支持線として機能する形でリバウンドに向かわせていた。まずは、売り一巡後の底堅さを見極めることになろう。

 ただし、週足の+1σ(6万4580円)を割り込んでいることで、中心値となる13週線(5万9920円)が射程に入ってくる可能性がある。12日には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、売り一巡後に早い段階で底入れからのリバウンドが意識されないと、ヘッジ対応のショートが強まる可能性がある点には注意が必要だ。ヘッジに絡んだ動きが警戒されるなかでは、戻り待ち狙いのショートスタンスに向かわせやすい。

 25日線水準を明確に割り込んでくる局面では、メジャーSQに向けた波乱含みの展開が意識されやすく、日足の-1σ(6万1070円)が射程に入ってくることも考えられる。一方で、同線水準で下げ止まりをみせてくると、足もとの強い上昇で買い遅れていたファンドによる押し目待ちのロングを誘うタイミングにもなりやすいとみられる。

 そのため、6万4000円を挟んだ上下の権利行使価格となる、6万1000円から6万6000円と広めのレンジを想定する。メジャーSQで下へのバイアスが強まるようだと、調整局面が長期化することも念頭に入れておきたい。

 5日の米VIX指数は、21.51(4日は15.40)に大きく上昇した。週間(5月29日は15.32)でも上げている。下向きで推移する25日線(17.19)に上値を抑えられる形でボトム圏での推移を続けていたが、週末の急伸によって同線のほか、200日線(18.47)と75日線(20.56)を一気に上抜けてきた。4月8日に窓を空けて下落した以来の水準であり、一定の抵抗線として意識される水準まで上昇してきた。一巡感が意識される一方で、もう一段の上昇により窓(22.17~24.34)埋めを試すようだと、リスク回避姿勢が一段と強まりやすい。

 5日のNT倍率は、先物中心限月で16.85倍(4日は17.11倍)に低下した。週間(5月29日は16.77倍)では上昇した。2日には17.17倍まで上昇しており、+2σ(2日時点16.95倍)を上回り、+3σ(同17.31倍)に接近する場面もみられた。ただ、週末には指数インパクトの大きい半導体やAI関連株への利食いが強まる半面、TOPIX型へのローテーションによって一時16.74倍と+1σ(5日16.79倍)を割り込む場面もみられた。週明けは一段とNTロングを解消するリバランスの動きが意識されやすく、中心値(16.36倍)辺りが射程に入ってきそうだ。