娘に性的暴行した男を射殺した米国元陸軍兵士の殺人罪棄却 保安官選挙に出馬中
10代の娘に性的暴行した男を射殺した元陸軍兵士の父親に関して、裁判所が殺人罪を棄却した。米メディア・FOXニュースが4日、報じた。
アーロン・スペンサー被告は2024年10月、マイケル・フォスラーさんを射殺したとして、第2級殺人罪で起訴されていた。保安官選挙に出馬中だった。
裁判記録によると、アーカンソー州の特別巡回裁判所のラルフ・ウィルソン・ジュニア裁判官は4日、スペンサー被告に対する訴因を棄却した。
検察側はこれまで、2024年10月8日未明、スペンサー被告がフォスラーさんのピックアップトラック内で、自身の10代の娘とフォスラーさんが2人きりでいるところを発見したと主張していた。
当局によると、スペンサー被告はフォスラーさんの車を道路脇へ追いやった後、「67歳の男を撃った」と911番通報したとされる。
裁判官は、スペンサー被告のトラックに搭載されていたドライブレコーダーとSDカードの証拠を法執行機関が不適切に取り扱ったことを指摘。「刑事事件において訴因棄却は極めて異例かつ極端な救済措置である」と述べた。その一方で裁判官は「しかし、本件の全体的な状況、および本件特有の具体的な事実関係に照らすと、法執行機関の行為は極めて悪質であり、本件を棄却することが相当であると裁判所は判断する」と記した。
スペンサー被告の弁護団は、衝突や口論の様子が記録されていた可能性のあるSDカードを法執行機関が紛失し、その紛失時期や経緯に関する記録も提出しなかったと主張していた。
裁判官は裁判文書の中で「ドライブレコーダー内部のSDメモリーカードが紛失または破壊されたことにより、被告はこれらの弁護を行う能力を著しく損なわれ、公正な裁判を受ける権利が侵害された」と判断した。
裁判記録によれば、フォスラーさんは過去にスペンサー被告の10代の娘に対する「複数の性犯罪」で起訴されており、射殺当時は保釈中だった。
スペンサー被告は今年2月、現職候補を破って、ロノーク郡保安官選挙の共和党予備選で勝利した。選挙戦では郡の法執行機関改革を公約に掲げていた。
スペンサー被告はフォスラーさんを射殺した事実そのものは認めていたが、殺人罪については無罪を主張していた。
今回の訴因棄却が、同被告の保安官選挙への立候補資格にどのような影響を及ぼすかについては、現時点で明らかになっていない。
