マツダ新型「CX-5」に乗ってみた! “カジュアル”な内外装にフランス車風の乗り味! 「柔」の走りとなった最新SUVの変化とは
「スーツ」から「普段着」の装いへ。新型CX-5に見る“フランス車的”な軽快さ
フォーマルからカジュアルへ。ドイツ車からフランス車へ。
新しいマツダ「CX-5」に触れて筆者(工藤貴宏)が感じたことを端的に表すとすれば、そのふたつです。
まずフォーマルからカジュアルへ。これはエクステリアもインテリアも含めたデザインと雰囲気です。
先代のCX-5はデザインコンシャスなクルマでした。デビュー当時のマツダはデザインに恐ろしいほどのこだわりがあって、美とカッコよさを追求していました。
オシャレした人が都会で乗るのに似合うような、いわばフォーマルなスーツのようなエクステリアだったといっていいでしょう。
一方で新型のデザインはカジュアル路線。先代が非日常の格式ばったちょっとお高めレストランだとすれば、ファミレスくらいのカジュアルさです。これくらいのほうが親しめて落ち着けるという人も多いでしょう。
インテリアも同様に、「いかにも高級でカッコイイ」という先代に対し「新型はカジュアルでモダンでリラックス」。メッキの装飾も少なく、モダンでリビング感を強めています。
ダッシュボードやドアトリムなどはソフトパッドではなく硬いプラスチック仕上げの部品の範囲が広がったりとコスト削減の影響も感じました。車両価格上昇を抑えるためのコスト削減は、新型CX-5の開発における大きなテーマだったと思われます。
そんな雰囲気の変化は、消費者側としては単純に「好み」で片づけてしまっていいと思います(自動車ライターとしては「マツダの中で何か大きな変化があった?」と勘繰らずにはいられなかったりもしますが…)。
実は、そんな大きなシフトは内外装や雰囲気だけでなく、ドライバビリティからも感じます。それが「ドイツ車からフランス車へ」。
たとえば操作系、具体的にはステアリングの操舵力などがこれまで重めだったマツダ車のドイツ風テイストから大きく変化してフランス車的に“軽さ”を感じる味付けに。
古くからの運転好きはそれを否定するかもしれませんが、一般的なユーザーは歓迎することでしょう。
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そして乗り味も、サスペンションはこれまでと違って柔らかい味付けとなり、ロールを嫌うのではなく穏やかにロールするように。その分乗り心地も良くなりました。
先代CX-5で感じた路面からの入力で伝わってくる細かいコツコツ感も新型では大きく緩和されています。新型の快適性は確実に高まり、フランス車のような印象を受けました。
マツダ車のドライバビリティは新型CX-5で大きく変化した、それが試乗しての率直な気持ちです。
そんな乗り味に関しても「そうじゃない、そんなのマツダ車じゃない」と思う人もいることでしょう。しかし、カジュアルなデザイン同様に快適性が高められた分、こちらを歓迎する人も多いはずです。
そして「ロードスター」のオーナーとして思うのは、評価の高いロードスターの味付けも方向的には「柔」なのです。
ロードスターは決して乗り味が硬いクルマではなく、そういう意味では新型CX-5もまた「しっかりマツダらしい」といえるのかもしれません。

また、「柔らかい」といっても「フニャフニャのグニャグニャでコーナリングが安定しない」ということはありません。たとえば横浜にある首都高速の大黒ジャンクションのようなある程度の速度を出しながらループするような場所でも挙動はしっかり安定します。
そういう意味では、一部で「マツダ車のハンドリングの最高傑作」と言われている「プレマシー」最終世代のような感覚です。プレマシーはサスペンションの硬さを感じることがないのにコーナリングはしっかり粘るという不思議な乗り味でした。
新型CX-5はそれに近いものを感じます。つまり、新しいCX-5におけるマツダの操縦性は「変化した」のではなく「もとに戻った」といっていいのかもしれません。
パワー感はどうでしょうか。
新型CX-5に積む2.5リッターガソリン自然吸気エンジンは最高出力178PS/最大トルク237Nmのスペックで、そこへ6.5PS/60.5Nmのモーターを組み合わせるマイルドハイブリッドです。車両重量が1.6トンを超えるとはいえ加速力に不足はありません。
しかし、先代のディーゼルモデルを所有していた筆者としては「ちょっと物足りない」と思うのが正直なところ。発進加速はともかく、高速道路の合流などに大きく効く中間加速は「もうちょっとトルクがあれば」という印象です。
そんな筆者のような人は「2027年中に発売」とされているフルハイブリッド待ちなのでしょう。フルハイブリッドになればモーターの力できっとグイグイ加速してくれるはず…ですから。そういう意味ではハイブリッドの追加が非常に楽しみです。

※ ※ ※
最後に、筆者的に新型CX-5の装備で驚いたのは高速道路渋滞時のハンズオフ機能の搭載でした(「L」に標準搭載で「G」にオプション設定)。
これは高速道路の渋滞で時速40km/h未満に限って手放し運転(アクセル/ブレーキ操作も車両が行う)ができる機能で、ライバルだとスバル「フォレスター」(上限50km/h)やトヨタ「RAV4」(上限40km/h)に用意されています。
高速道路で渋滞を走る機会も多い筆者としては次期愛車に絶対欲しいと思っている便利機能ですが、マツダ車に搭載される日がこんなに早く訪れるとは思っていませんでした。
背景にあるのは、新型から先進安全機能系をマツダ独自ではなくデンソー社と共同で作り上げるようになったこと。つまりADASではトヨタと共用部分も多いということです。これも大きな変化です。
