【ラーメン現代Lab.】全国で急増中「ラーメンショップそっくりの店」でまさかの「麺偽装」問題が発覚…原因にもなった本家との《大きな違い》
赤地に白抜きで《うまい ラーメンショップ うまい》と書かれた看板でおなじみ、豚骨醤油ラーメンのチェーン店「ラーメンショップ」、通称“ラーショ”。
熱狂的なファンの多さで知られる同チェーンは、ここ最近、再ブームのような形で人気が過熱しており、本家(東京都大田区の椿食堂管理有限会社を本部としたフランチャイズ店)以外に、様々なインスパイア(派生)店が存在することで知られる。
そんなインスパイア系の中でも、近年急速に店舗数を増やしている「ラーメンショップ〇化(マルカ)」で、とある店舗が炎上事件を起こし、話題を集めている。それがGWのさなか、4月29日にオープンした「ラーメンショップ〇化 サッポロ店」による“麺偽装”トラブルだ。
いったい何が起きたのか、また今回の炎上の源流にある、かねてより賛否両論あった「ラーメンショップ」本家とインスパイア店との違いについても、あらためて解説していく。
急増する「ラーショ」インスパイア店の草分け
ラーメンフリークならびにコアなファンの間では常識だが、一口に「ラーメンショップ」と言っても、その系譜は家系ラーメンのように大きく枝分かれしている。
個々の解説はここでは省くが、冒頭で触れた本家のほか、完全な独立店舗(日本一人気とも呼び声高い「牛久結束店」など)、そしてインスパイア店となる「ニューラーメンショップ」系、「新ラーメンショップ」系など様々だ。
そして「ラーメンショップ〇化(マルカ)」もまた、千葉県のラーメン店「福たけ」が2022年に始めた、インスパイア店の括りとなるブランドだ。同ブランドが他と違うのは、圧倒的な出店スピードにある。2022年8月の「市原山木本店」(千葉)を皮切りに、地元・千葉を中心に店舗を拡大。
その結果、全国に300店舗以上(本家・インスパイア店などすべて含む)あると言われる「ラーメンショップ」で、最も店舗数が多い都道府県に千葉県がなるという状況だ。また、ここ1〜2年は、池袋や横浜といった都市部にも出店し、すでに全国30店舗以上を構えるに至っている。
今回問題となった「ラーメンショップ〇化 サッポロ店」にしても、オープン前には“ラーメン激戦区で知られる北海道・札幌にラーメンショップが初上陸!”と、SNSなどで喧伝されたほど。それだけ同ブランドの勢いが凄まじいことがよくわかる。
実際、口コミによれば開店初日が80名ほどの大行列ができるほど注目度は高かったという。ではなぜ、そんな店がこの度炎上するに至ったのか。
ラーメンの“命”とも言える「麺」が…
問題となったのは、スープと並んでラーメンの“命”とも言える「麺」だった。以下は、「ラーメンショップ〇化 サッポロ店」のオープンから1週間が経過した5月7日、同店の公式インスタグラムに投稿された〈お詫びとお知らせ〉を引用したものだ。
〈この度は、看板表記に関しましてお客様を欺く様な表記があり、誠に申し訳ございませんでした。
麺につきましては浅草開化楼謹製のものではなく、ラーメンショップ〇化本部の指導のもと自社製麺にてご提供しております。しかしながら、看板の一面に「浅草開化楼謹製」の表記が含まれている状態となっており、混乱を招いてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
該当箇所につきましては、速やかに修正対応を進めてまいります。今後はこのようなことがないよう、表記管理を徹底してまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。〉
お客様を欺く様な表記――すなわち“麺の偽装”があったことを公にしたのだ。同ブランドに詳しいラーメンライターはこのように解説する。
「事の発端は、お詫びの文書内にもある東京台東区の老舗製麺所『浅草開化楼』の製麺師であり、業界内でも有名な不死鳥カラスさんが、4月29日にご本人のXで〈札幌のラーショ〇化に関しては浅草開化楼麺ではないです※自家製麺〉と発信したことに始まります。
にもかかわらず、店側は特に正式な回答もなく営業を続けたことで炎上が過熱。ようやく5月7日になって店は臨時休業、お詫びの文書を投稿したほか、『浅草開化楼謹製』と書かれた看板に覆いをするなどの応急処置をすることとなりました」
「ラーショ本家とは違う」モヤモヤ感広がる
そもそも「ラーメンショップ〇化」では、グループ内の共通ルールとして、浅草開化楼に特注した麺を使用することになっている。本家「ラーメンショップ」と違って、かなり太めな麺が特徴であり、何より屋号の“〇化”は浅草開“化”楼に由来するなど、同グループの肝となる部分だ。
それだけに浅草開化楼側にとっても「メンツを潰された」と強く感じる部分があったのだろう。だが今回の炎上は、単に“麺偽装”に留まらず、同時に「ラーメンショップ」インスパイア店という存在そのものに対する違和感につながるのでは、という見方もある。
「かねてより本家と何ら関係性が無いにもかかわらず、『ラーメンショップ』という知名度を使って店舗を増やすインスパイア店のやり方には、ラーメン好きの間でも賛否両論あります。
特に『〇化』は本家と大きく違う部分が多く存在します。スープにしても、本家より豚骨などの脂が強く溶け出た、乳化が進んだもので、味に差があります。何より『ラーメンショップ』の魅力として店舗そのものの“ユルさ”がよく挙げられますが、『〇化』の場合、店は明るく清潔感が際立つなど女性や子ども連れの入りやすさを意識したつくりであったり、丼の盛り付けにしてもSNS映えを狙った豪華さをアピールしています。
もちろん、これらの要素はラーメンチェーンの戦略として肯定されるものではありますが、やはり『ラーメンショップとは違う』というモヤモヤ感は残ってしまう。一連の事件を機に、ファンの間でそうした違和感が一層広がるかもしれません」(前出・ラーメンライター)
今回の炎上は、「ラーメン二郎」や「家系ラーメン」などにも当てはまる《本家とそれ以外のインスパイア店》を取り巻く問題を、あらためて浮き彫りにしたものと言える。
つづく【後編記事】『地味で目立たなかった「ラーメンショップ」なぜ“令和を代表するラーメンチェーン”へ…?「自由度」こそが人気のカギに』では、本家本元「ラーメンショップ」がなぜ誕生から50年以上経っても人気であり続けるのか、あらためてその理由を探っていく。
【つづきを読む】地味で目立たなかった「ラーメンショップ」なぜ”令和を代表するラーメンチェーン”へ…?「自由度」こそが人気のカギに
